ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ？

なぜか、喫茶店でバイトすることになりました17

「そういえば、シズちゃんはどうしてこの喫茶店でアルバイトなんてしたんですか。それに、一週間なんて短い期間に。いえ、私がこんなことを聞くなんて不躾ですよね。すいません！」

　そう言われて、サティーに話をしてなかったなと思い出す。
　せっかくだし、サティーのことも誘おうかな。

「サティーちゃんも今日は、これでバイト終わりだよね？」

「えっ、あっ、はい。それがどうかしたんですか？　いえ、私なんかが失礼ですよね。すいません」

「いや、実はね。今日、マギアの誕生日なんだよ。この都市に来る前に、マギアのお母さんからその話を聞いてさ」

「そうなんですね！　マギアさんが、お誕生日とは、本当におめでたいです。私なんかがお祝いなんて差し出がましいですよね。ごめんなさい」

　サティーとの会話がこれじゃ、全く進まない。てか、一々謝らなくていいよ。

「それで、そのことがマリアにバレて。それで、サティーさんの監視……じゃなかったも兼ねてこの店でアルバイトするように言われて」

「なるほど、私の監視を……。えっ!?　監視ですか！　いえ、それが普通ですよね。私は魔王ですし、人間からしたら信じられないですよね、私の言葉なんて。それぐらいのこと、わかっておかなきゃですよね」

　暗い暗い暗い暗い暗い……！
　どうしよう。サティーのこともマギアのお誕生日に誘うか迷ってきた。