ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

R.K.

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二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ?

なぜか、喫茶店でバイトすることになりました12

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「きみ、覚えがいいね!サティーくんも彼女を見習うように」

 数十分で立場は逆転した。
 うん、予想通りではあるんだけど、それはそれでどうなんだろう。
 私としては、この未来は来ないで欲しかった。

「えっ、あ、店長さんなにか言いましたか?」

「あつい! あつい!」

「あっ、すいません、すいません! 今すぐ拭きます!」

 いや、無理か。
 ドジとかそんな話じゃないし。

「サティーくんは騒がしいな。それに比べて、シズクくんは静かでお店の雰囲気にもピッタリだよ」

 なんか、私は店長に気に入られたようだった。
 もちろん、これがやりたいバイトだったら嬉しさもこみ上げてくるってもんだけど、そういうわけじゃないんだよね~。

「そうだ!君さえ良ければ、一週間と言わず、これからも働いてくれないか?」

「う~ん、嫌です!」

「そう、満面の笑みで言わなくとも……。時給あげるよ?」

 時給があがる?
 金額によっては、冒険者なんてしなくてもよくなるのでは?

「どれくらい上が──」

「だめですよ~。シズクさんは、私たちのパーティーですから」

「えっ、マリア……?」

「おー、マリアくん一週間ぶりぐらいかな?」

 どうして……?
 そんな疑問が一瞬浮かぶも、その謎は解けた。
 確か、マギアがマリアに教えてもらったって言ってたはずだから。
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