ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

R.K.

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二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ?

喫茶店に行ったはずの私は、なぜか現魔王と会いました28(前編)

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「あっ、うさちゃん。今までどこに行ってたの?」

「ご主人様、私にも自由に動く権利はあるの。それより、どうして魔王なんかがいるの?」

 魔王らしい。
 この子は魔王だったらしい。
 というか、うさちゃんが言ってるということはたぶん間違いない。
 この中で一番昔から生きてるからね。

「あっ、でも、前の魔王が死んだのかな。孫を人間の街に送ったって言ってたし」

「孫を人間の街に」

「うん。確かに魔王はそう言ってたよ。絶対に人間を滅ぼすー、て」

 勇者は魔王に負けたはず。
 それでは、勇者が魔王に勝ったように聞こえる。

「ねえ、マギア。勇者は負けたんだよね?」

「ええ。史実ではそうなってるわよ。実際、勇者は帰って来なかったそうよ」

 やっと話せることが嬉しかったのか、それとも私に頼られたことが嬉しかったのか、とても喜んだ表情を浮かべていた。

「ねえ、うさちゃん。魔王ってのはどうゆう存在なの?」

「えっ、魔王……?魔王は、基本は普通の魔族といっしょ。でも、一つだけ特徴があって、時間を操る魔法が使えるの。それ以外はよく知られてないかな」

「それじゃ、魔王も死ぬの?」

「そりゃそうだよ。生きてる限り、絶対に死ぬ。魔王だってそれは変わらないよ。だから、魔王は後継者を決めるの」
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