ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ？

喫茶店に行ったはずの私は、なぜか現魔王と会いました9

「あの、お姫様がなんでここにいるの？」

「はぁ～、私の名前はお姫様ではありませんよ？」

　よく見ると、お付きの人もいない。
　一体、どうしてこんなところにいるのか、ますますわからない。

　もしかして、お忍びで来てるとか......？
　それなら、さっき大声をだしちゃったのは、まずかったかな......。

　でも、誰かが気に留めてる様子は全然ないどころか、ここに私たちがいないかのようにスルーしてる。

　その不自然な状況に、私はちょっと疑問を感じる。
　けど、それは気にするほどのものでもないため、私は気にしないことにする。

　もしかしたら、マギアならなにか知ってるかもと思って、マギアの方を見てみると、

「私はなにも知らないわよ？こ、今回は本当に知らないから！」

　たぶん、マギアは知らないんだろう。
　まあ、マギアが嘘ついたことってないし、信じて大丈夫なはず......。

　そうなると、この状況は偶然ということなのかな......？
　ふと、ハディアちゃんが泣き止んでることに気がつく。
　というか、さっきまでのがまるで嘘泣きだったみたいな様子だった。

「は、ハディア、ちゃん......？」

「ご、ごめんなさい......！嘘泣きでした！」

　ハディアちゃんから、まさかの告白に、私は驚きを隠せなかった。