ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

R.K.

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二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ?

喫茶店に行ったはずの私は、なぜか現魔王と会いました7(後編)

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 けど、思い出せたら手がかりになるかもしれないし......。

「あんた、名前は?」

 私が考えていると、マギアが質問していた。
 てか、相手は小さい子なんだから、もっと優しく聞いてあげてよ......。
 そう思うも、それはそれでマギアらしい。
 ただ、もしそれで泣き出したらどうすんだよ。

 案の定、女の子が泣き出しそうになる。

「こっちの怖いお姉さんがごめんね......?えっと、それで、お名前はなんていうのかな?」

 私は怖いお姉さんマギアのかわりに謝って、優しく、とっても優しく、マギアとは段違いのレベルで優しくそう聞く。
 そこで、「ちっ......」と、どこからか、誰かが舌打ちしたのを、私は聞き逃さない。
 でも、それはマギアとはであることはわかった。
 だって、聞き慣れたマギアの声とは明らかに違う声が、聞こえてきたから。

 けど、私はそのことについて、一度考えるのをやめる。
 きっと、考えていたって、答えなんてでないから。

「えっと、えっと、ハディア......!」

 女の子はそう言うと、はにかむように笑う。

「えっと、お父さんか、お母さんとはぐれちゃったのかな......?」

「えっと、とはぐれちゃったの......」

 彼女は悲しそうな顔で、そう言った。
 そんな彼女の表情を見て、私は絶対に見つけなくてはと心に誓った。
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