ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ？

喫茶店に行ったはずの私は、なぜか現魔王と会いました5

「えっと、あなたが倒したのですか？」

　明らかに困惑を隠せないお姫様。
　でも、それもそのはずだ。
　竜というのは、こういう世界だと、最強の位にいる。

「ですが、そうですか......。つまり、うさちゃんさんは、経験値がいらない存在ということですか」

　けど、お姫様はすぐに納得すると、

「今回のことは、こちらの方で調査しますので、ありがとうございました」

　話はもう終わりなのか、冒険者カードを私に返すと、お姫様はお付きの人と一緒に行ってしまった。

　えっと、もう帰っていいってことかな？
　私はそう思っていると、

「外までは私が案内します」

　来るときに、応接室まで案内してくれた人と同じ人が、帰りも外まで案内してくれた。

　そして、私は行きと同じように馬車にのり、宿屋に戻った。

「あっ、シズ！とんだ災難だったわね。体が回復したら、シズを城に行かせるよう頼まれていたのよ」

　戻ってすぐ、事情を知ってるらしいマギアがそう言った。
　てか、

「知ってたなら、その話をしておいてよ！起き上がれるようになるまで、結構時間あったでしょ！どうでもいい空の話とか、そんな話なんかしてないで、その話をしてほしかったよ！」

　そうなのだ。
　城に行くなんて、重要な話を教えておいてほしかった。