ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ？

喫茶店に行ったはずの私は、なぜか現魔王と会いました4

「えっと、メイドさんでしたか。そういうことなら、わかりました」

　うさちゃんの事故紹介を、お姫様は華麗にスルーし、話を終わらせる。

「えっ？なんかないの？かわいいとかかわいいとか、かわいいとかっ...！」

　だから、相手はお姫様なんだってっ！
　うさちゃんは逃げれるけど、私は無理なんだよ？
　口のきき方がおかしいでしょ！
　ほら、お付きの人の眉間にシワが寄ってる！
　と、心の中でうさちゃんにツッコ厶。
　本当は、普通にツッコミたいんだけど、さっきからお付きの人の殺気がすごいので、言えなかった。
　しかも、うさちゃんじゃなくて私に！

「あっ、そうでした！冒険者カードを見せていただけますか？」

　またもや、うさちゃんはスルーされた。
　たぶん、口の聞き方が成ってないから無視されてるんじゃないだろうか？

　そして、私はお姫様に言われた通りに、自分の冒険者カードを見せる。

「本当、なんですね。ただ、この竜キラーはなんでついてるんですか？倒してないんですよね？」

　その言葉に、私はドキッとする。
　そうだ。私はなぎ払われてから飛んでいって、なにもできずに気を失った。
　そうなれば、竜キラーがつくのはおかしな話だ。
　どうしようか悩んでいると、うさちゃんがこう言った。

「私が倒しました！」