ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ？

喫茶店に行ったはずの私は、なぜか現魔王と会いました2

　私はいま、王、ではなく、お姫様の前にいる。
　なぜか？
　そんなのは、知らない。
　というか、聞かされてない。
　けど、動けるようになったら、一番最初に連れてかれた。
　私だけ。正確には、うさちゃんもだけど......。
　
　あのとき、なくなったと思ってたメガネは、本人が持ってた。
　危険を察知したうさちゃんは、自分から外に出て、なんとかしようという判断をしたらしい。
　
　移動中、中央都市の街並みをみたり、話を聞きながら。

　そして、城に着くなり、応接室らしき場所に通された。
　よくわからない絵画が少しと、豪華な調度品などがあって、とてもキラキラとした部屋だ。
　その部屋に、場違いな服装の私は、なんだかそわそわする。
　私は、どうしようもないので、うさちゃんを呼び出した。
　本人は嫌がってたけど、出てきてくれた。
　そんなうさちゃんを、小さい子供を可愛がる要領で、抱きつきながら頭を撫でる。

　そんなことをしばらく続けていると、

「お待たせたしました。私はメルト・ヴェルゼルクというものです」

　そんなわけで、理由もわからすお姫様と対峙することになった。
　まあ、近くにお付きの人もいるけど。


　お姫様は、いかにもという格好で、ピンク色の髪の毛はセミロングぐらいの長さだった。
　つまり、美少女。
　私もだけど。

「えっと、竜ドラゴンについての話をしてください」

　お姫様はそう言った。
　ちゃんとしてる場というわけではないから、砕けて話したらいいのに。