ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

一章 異世界で勇者《最弱職》になりました

中央都市へ行くわよ！37

　私はいま、とてもげんなりした気持ちで、マギアが今日寝る予定の部屋にいる。
　そこにはもちろん、とても元気なマギアがいる。
　ウキウキ、ルンルンという感じで、紙になにかを書き留めている。
　もちろん、私は何を書き留めているかを知っている。

　あのあと、私とマギアは、マギアが今日使う予定の部屋に移動することにした。
　こんなところでやって、マリアとかミリアに見られたらよくないということで。
　で、部屋にきた瞬間だった。

「あっ！シズ、ちょっと待っててくれる？今からシズに言ってほしい言葉を書き留めるから。それを読んでくれればいいわ」

　そう言うなり、どこから見つけてきたのか、綺麗な白い紙と高級そうな見た目のペンを使って書き始めてしまった。

　マギアは実に楽しそうに書いている。
　私としてはちっとも面白くも楽しくもない。
　というか、眠い。
　私としては、眠気がかなりピークにきているせいで、無性にイライラしてくる。
　私は、自他ともに認める陰キャで、よくゲームとかもしていたが、徹夜でやったりとかはしたことがない。
　というのも、私は無駄に健康的な生活を送ってる健康オタクだった。
　そんなわけで、夜になれば普通に眠いし、眠気がピークにきてればどんどんイライラもしてくる。
　そんなことを思いながら待ってると、

「できたわ！これを読んで頂戴！」

　やっと、書き終えたのか、紙を私に渡してきた。