ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

一章 異世界で勇者《最弱職》になりました

中央都市へ行くわよ！28

　あのあと、私とうさちゃんは夜ごはんの準備を、他はマリアとミリアに屋敷の中を案内することになった。
　マギアはなぜか凄い喜んでたけど、私の料理のレベルとか小学生に毛が生えた程度だから期待しないでもらいたい。
　そのことをマギアに言ったら、「それもいい」とか言っていた。

「ねえ、うさちゃん。この屋敷って、使っても平気？」

　私がそう問うと、一瞬うさちゃんは目を丸くしたが、どういうことなのか理解したのか、

「構わないよ？そもそも、もうシズちゃんのだからね～」

　いつも通りのかわいい声で、そんなことを言った。
　へぇー、この屋敷が私のものなのか............。
　って！屋敷っ！
　私は、それを理解した瞬間微妙な気持ちになる。
　普通の屋敷だったら喜ぶところなんだけど、ほら、この屋敷の周りってでるじゃん？
　その、浮いてるふよふよしたやつ。
　ゲームだったりすると、聖水とかそういうアイテムを使ってないと物理が聞かないやつ。
　それがな～！
　それがなければ、素直に喜べるんだけども......。
　うさちゃんもなにかを察したのか、

「う～ん、幽霊退治する？」

　そう言ってくれる。
　てか、幽霊という単語すら嫌だから、なんとか思わないようにしてたけど、うさちゃんは平気なのかストレートに言ってきた。