ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

R.K.

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一章 異世界で勇者《最弱職》になりました

中央都市へ行くわよ!4

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「あそこに何か見えるよ!」

 そう言ったのは、ミリアだった。
 て、どこだろう。全然わからないんだけど。

「えっと、どこ?」

「あそこです!あそこの奥です!」

 あそこだと指をさしてどこなのか教えてくれてるんだけど、全然わからない。なんだろう。
 子供だから、見えない何かでも見えてるのかな。
 マリアごニコニコしながら話を聞いてるだけなのが気になるには気になるけど............。

「どこよ。私にはなにも見えないわよ?」

 私もマギアと同意見ではあるんだけど、なんだか可愛そうだから言わないことにする。
 てか、それで見えない何かだったらめっちゃ怖い。

「あそこだよ!ここを真っ直ぐ行った先に何かある!建物みたいのが見えるもん!」

 そうは言うけど、私にはなにも見えない。
 ハンディーはさっきから黙ってるけど、何かわかってるのかな。

「ハンディー、何か見える?」

「うん?ああ、見えることには見えるが?」

 魔物だから、ゆうれ............見えない何かが見えてもおかしくないしな。
 それと、ハンディーが気持ち疲れてるように見えるんだけど、たぶん気のせいだよね?

「あっ、いい忘れてましたが、ミリアはとても目がいいんですよ。だから、かなり遠くのものでもハッキリ見ることができるんです」

 と、急にそんなことを言いだすマリア。
 て、楽しんでたでしょ!私たちの反応を見て絶対楽しんでたでしょ!
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