ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

一章 異世界で勇者《最弱職》になりました

あなたも私の仲間《パーティー》になりませんか？8（前編）

「マギアっ！よかった～、ここにいたんだね」

　私はマギアと会えたことに安堵しながら、マギアのもとに近づいていく。
　けど、マギアは

「来ないでっ！あなたも、どうせ他の人と同じ。だから、私に近づかないで！」

　私のことを拒んだ。
　けど、そう言う彼女の目には、雨のせいなのか、泣いているのか、先程から溢れている。
　きっと、心の中では、嫌がってない。
　彼女の本心は、私のことを求めている。
　でも、何度も傷つけられたマギアの心は、簡単には人のことを信じることなんてできないんだと思う。
　でも、本当の意味で嫌がってないなら、私はマギアと仲良くなりたい。
　いや、私はマギアと仲間パーティーになりたい！
　それなら、私のすることはもう決まってる。

「マギア。私は、あなたと仲良くなりたいっ！あなたと仲間パーティーになりたいっ！」

「うそっ！そんなわけない！私のことを知って、本当の意味で仲良くなりたいなんて、思うわけがない！もう私は、傷つきたくないの！だから、もう私のことはほっといてよ！」

　けど、やっぱり一筋縄ではいかない。
　でも、私は諦めない！

「私のことを信じて！私は、本当にマギアと仲良くなりたい！だって、ここに来て、初めてできた友達だから！」