ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

一章 異世界で勇者《最弱職》になりました

あなたも勇者になりませんか？7

「それで、なんでそんなこと聞いたの？」

　あっ、どうしよう。
　そこんところ、考えてなかった。

「えっと、その、えっと──」

「もしかして、そういうこともちゃんと知ってるか、私のことを試したの？」

「えっ？あっ、そうそう！そういうことだよ！」

「ふっふ～ん！やっぱりね！まあ、魔法使いウィザードは、かなり希少ではあるけど、ちゃんと知識がなきゃダメよね。あんたって、勇者のくせにちゃんと考えてるのね」

「あのさ、一つだけ聞きたいことがあるんだけど、いい？」

「うん？なんでもいいわよ」

「勇者って、今どんな感じなの？」

「うん？まあ、簡単に説明するなら、最弱職ってところね。基本的に、誰でもなれる役職なわけだし」

「わざわざ勇者になる人って、今どきは──」

「いないわね、基本的には。でも、勇者って他の役職全ての力を一応もってるから、ごくたまにいないこともないわ」

　彼女が言うには、それぞれの役職の最弱の力が使えるとのこと。
　もちろん、最初から使えるわけじゃなくて、レベルをあげる必要があるんだけどね。

「あっ、言うの忘れてたけど、私が使えるのは攻撃魔法であって、回復魔法は一切使えないわ」

「それじゃ、回復魔法を使えるのは？」

「聖職者ペスターと一応、勇者も使えるわね」

「えっと、それで、私のパーティーになってくれる？」

「何言ってんの？さっき、そう言ったじゃない！」

　そうして、マギアは私の仲間になった。