162 / 179
最終章 世界の理は変わらない
私が魔王?……っ、そんなわけないでしょ……!
しおりを挟む
「それで、インクプス。今は、どんな状況なの?勇者はどんな感じ......?」
私は、できるだけ冷静に話を進める。
「勇者は女の子でした。ですが、その勇者は片手に魔王を倒すとされている聖剣を持っていました。勇者を城の精鋭部隊でなんとか抑えてます」
「そっ、か......。勇者の他には誰かいたりした?」
「勇者の他に、二人ほど女の子がいました」
「精鋭部隊は、どれくらいもつかわかる?」
「勇者一人相手でしたら、十分はもつと思いますが、そこに二人となると五分もつかどうか......。とにかく、時間の問題です」
そこで、私は一回頭を悩ます。
なにが、最善なのか?
どうすることが、一番いいのか?
そんなの、私と勇者が戦うことだ。
勇者の目的は私を倒すことで、魔族を根絶することじゃない。
「ねえ、インクプス。一回、私を勇者のところに連れてってよ」
「それは、正気ですか、魔王様......?」
インクプスはとても嫌そうな顔をしていた。
そりゃそうだ。
だって、自分から勇者に首をあげに行くと言ってるようにしか聞こえない。
でも、インクプスは私の真剣な眼差しを見て、何かを察したのか、渋々頷いてくれた。
「マオちゃん。なにかあったら、私が守ってあげますわ」
私は、そんな頼りになるロノアの言葉を受け、インクプスとロノアと一緒にその場所に向かうのだった。
私は、できるだけ冷静に話を進める。
「勇者は女の子でした。ですが、その勇者は片手に魔王を倒すとされている聖剣を持っていました。勇者を城の精鋭部隊でなんとか抑えてます」
「そっ、か......。勇者の他には誰かいたりした?」
「勇者の他に、二人ほど女の子がいました」
「精鋭部隊は、どれくらいもつかわかる?」
「勇者一人相手でしたら、十分はもつと思いますが、そこに二人となると五分もつかどうか......。とにかく、時間の問題です」
そこで、私は一回頭を悩ます。
なにが、最善なのか?
どうすることが、一番いいのか?
そんなの、私と勇者が戦うことだ。
勇者の目的は私を倒すことで、魔族を根絶することじゃない。
「ねえ、インクプス。一回、私を勇者のところに連れてってよ」
「それは、正気ですか、魔王様......?」
インクプスはとても嫌そうな顔をしていた。
そりゃそうだ。
だって、自分から勇者に首をあげに行くと言ってるようにしか聞こえない。
でも、インクプスは私の真剣な眼差しを見て、何かを察したのか、渋々頷いてくれた。
「マオちゃん。なにかあったら、私が守ってあげますわ」
私は、そんな頼りになるロノアの言葉を受け、インクプスとロノアと一緒にその場所に向かうのだった。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
悪役令嬢の独壇場
あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。
彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。
自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。
正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。
ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。
そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。
あら?これは、何かがおかしいですね。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後
有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。
だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。
それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。
王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!?
けれど、そこには……。
※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
虐げられた令嬢、ペネロペの場合
キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。
幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。
父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。
まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。
可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。
1話完結のショートショートです。
虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい……
という願望から生まれたお話です。
ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。
R15は念のため。
うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?
プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。
小説家になろうでも公開している短編集です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる