堕落神官調教の書

彩月野生

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期待と不安に翻弄されて

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近づいてくる人影には見覚えがあり、その姿を見たリュカは安心して頬を緩める。

緑はだの屈強な体躯だが、その目には穏やかな光が宿っていた。

「ランヴァルド様」
「こんな場所で顔を見るとは。あの魔族の男はどうした」

彼はこのルガリオ国の軍をしきる将軍である。
オークとダークエルフの混血で、その腕力と知能をうまく利用してのしあがったと噂を聞いた。

ふいに頬に指をそえられて身が震える。

「涙が乾いてないぞ」
「泣いてませんよ」
「強がりはよくないぞ」

頭を撫でられて抱きしめられた。
力強い包容に身体がびくんと跳ねる。
ランヴァルドの腕は、リュカの体の半分ほどの太さはある為、分厚い肉に挟まれた気分になった。

「あっ」
「かわいい反応だ。そういえば、お前をまだ一度も抱いたことがなかったな」
「ま、待ってください! あの人がいるんです!」

驚いて思わず声を張り上げるとランヴァルドが笑う。

「ならば、ちょうどいい。奴にお前が俺に抱かれて悦がっているのを見せつけてやる」
「あ、そんな」

太くて武骨な手のひらが下半身をまさぐる。
リュカは唇を噛み締めて声をおさえた。

――おかしい、こんなこと、する方じゃ……。

布越しに性器をまさぐられ、中心から広がる甘い快楽に切なく声をあげてしまい、口元を両手でおさえる。

「んうっくふうっ、や、やめて」
「可愛らしい反応だ。どれ、解してやろう」
「!? あっ!」

くちゅり。
太い指が後孔に侵入してきてリュカは体をのけぞらせる。

「あ、ああうっ♡」

体を預けているとはいえ、立ったままなので膝がくずおれそうになるが、がっちりと腕で拘束されているので倒れなくて済んだ。

「指だけでこの反応か……」
「きたない、ですう」
「嘘をつくな。柔らかかったぞ、準備しておったのだろう?」
「……っ」

リュカは頬が熱くなるのを恥じた。
念のために、自ら性交用のスライムを使用して解すのは、習慣になっていたからだ。

それにしても、ランヴァルドは的確に感じる場所を指で擦ってくる。
おかげでリュカは腰を揺らすのを止められない。

太くてゴツゴツした指で、あの場所を弄られると、たまらない感覚が背中を這い上がる。

「おほぉんっ……ゆび、きもちいぃいっ♡」
「そうかそうか。次は俺のイチモツをくれてやろう」
「ひゃんっ」

指を乱暴に引っこ抜かれ、下着ごとズボンを完全にずり下ろされた。
止めてと懇願する隙はなかった。

上半身を片腕で抱きしめられたまま、充分に解された尻孔に異形の将軍ペニスが突き入れられる。

ジュブウウッ!

「おっ♡ おぉおおっんっ♡」

リュカは今までに味わったことのない、巨大なイチモツを挿入されて目を天へと向けて舌を唇から伸ばす。
獣のようにはしたない吐息を繰り返し、圧迫感に堪えた。

「あへっへええっ♡ ら、らんう゛ぁるどしゃまあっ♡」
「ろれつが回らないくらい気持ちがイイか? かわいい奴よ」
「ひゃめえっ♡」

――あ、あのひとの、まえでえ、もう、だれにも、されたくにゃかったのにぃ。

リュカは髪を振り乱し喘ぎ声をあげる。

「おっきすぎますうっ♡」
「もっと膨らむぞ? どれ、突き上げてやろう、フンッ」

ゴリュリュッ!

「いやあぁああっんっ♡」

剛直ペニスが容赦なくリュカを追い詰め、強制的に絶頂させられる。
性器から白濁を飛び散らせるリュカに、ランヴァルドは喜びの声を上げた。

「おおっイッたか! いいこだな」
「っ! むちゅっ」

強引に唇を奪われ、舌まで絡められてしまい、めまいを覚える。

――くちづけはあっいや、いやだあっ!

「そいつは今は俺の恋人だ、放せ!」

「!」

リュカはその低い声に視線を向ける。
ディランが、殺気を放ち、ランヴァルドを睨み付けていた。

「なんだ嫉妬か?」
「俺がこの男の恋人だ」
「でぃらん?」

ふいにディランの手が伸ばされ、リュカも腕をそっと伸ばす。

「ははっはははははっ!」

ランヴァルドが突然笑いだしてリュカは驚いて息を飲む。
様子を伺っているとディランを手招きした。

「リュカのペニスをしゃぶってやれ」
「な、なっ」

ディランが無言で近より、リュカの股間に顔を埋める。

ぬるりという感触を感じて、ペニスをディランの口の中に含まれたのだと実感した途端、四肢が激しく震えだす。

「あふあああっ♡」

リュカは悦楽に泣き叫んだ。

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