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敗北宣言

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 ルナンとエルレイルを助けたのは、ヴェルターとラントであった。
 何故か突然石化が解けて自由となり、武器を手に入れてこの場所に導かれたのだという。
 脳内に声が響いたというが、それが誰の声なのかは分からないのだという。

 それからは追っ手も現れず、元の住処に戻った皆は安堵はしたものの、不安な日々が続いていた。
 結局聖剣を取り戻す事は叶わなかったが、あの状況では逃げ出すしかなかった。
 ルナンはそう自分に言い聞かせて、どうにか精神の安定を保とうと努めていた。

 異変が起きたのは、穏やかな日々が続くこと一月経った頃だった。

 皆で夕食を囲んでいると、突然戸が叩かれてエルレイルが席をそっと立つ。
 様子を伺いつつ、小声で話しかける。

「どなたですか?」
「王子をお迎えにあがりました」
「!?」

 この声は……エルレイルが躊躇している間に、ルナン含め、皆も身構えて、各々武器を手にして息をひそめた。

「どなたですか」
「私を知らないなんて有り得ないでしょう」
「その声……まさか」

 勢いよく放たれた扉の風によって、室内の調度品が吹き飛ぶ。エルレイルが機転をきかせて、魔具で結界を張ってくれたため、ルナン達は怪我をせずにすんだ。
 目の前にいたのは、現セインサーグ国の王、エルズである。

 エルズはルナンを見つめてにやりと嗤うと、口元を歪ませたまま命令を下す。

「哀れな王子には、国民の前で敗北宣言をしてもらいましょうか」
「――っ」

 エルズは兵士達にルナン達を捕まえるように促すと、皆は次々に拘束され、そのまま城へと連れて行かれてしまった。
 見せしめならば自分だけで充分だとつっかかるルナンに、エルズは魔力を行使して一撃を食らわせた。

「う!」
「宣言するのは貴方だけで良いけれど、彼らにもその肉体はつかってもらうよ?」
「な、なにをするつもりだ!?」
「愛する魔王様も来てるのだから、もう少し素直になたっらどうです?」
「……っ」

 ルナンはヴァロゼの姿を脳裏に思い浮かべると、胸がしめつけられて何も言えなくなる。
 エルレイル達は拘束されて、言葉を発する事も赦されず、ルナンはされるがままに大広場に連れて行かれて、裸で十字架にはりつけにされた。
 触手の縄で十字架に縛り付けにされ、大衆の目に晒され、目前には魔王が佇む。
 その手には、聖剣が握られていた。

「ようやくだな」
「ええ。魔王様、さあ」
「ああ」

「ヴァロゼ……!」

 醜い魔王の姿でヴァロゼは剣を振りあげると、思い切りルナンの顔をめがけて振り下ろす。
 だが、その切っ先は十字架に突き刺さり、それを乱暴に引っこ抜かれ、あろうことか、下半身へと滑らせられる。
 後穴に柄をつっこまれた。

 じゅりゅううう――っ

「うひいいいいい!?」
「なんだしっかり勃っているではないか!? まさか聖剣で感じてるのか? 変態!」

 ぐぢゅぐちゅぐちゅぐちゅっ!!

「くひいいいいっ♡」

 聖剣で尻穴をいじくりまわされ、感じる場所をごりゅりゅっ♡とこすられると、ルナンは快感に抗えず、あひあひっ♡と激しい喘ぎ声をもらす。
 そんな王子の姿を国民達は異様な熱気で見守った。
 落胆の声、罵声の声、すすり泣く声。
 長らく姿を見せなかった王子が、見せしめとして姿を現した。

 この世には人間の価値などない。
 全ては魔族のものとなった。

 そんな絶望感がひしひしと伝わるなか、ルナンは仲間の命を守る為、命令されるがままに叫んだ。

「わ、わたしルナンは、ぶたになりさがりました!! きょうからまおうしゃまの雌豚としていきていきましゅうううっ♡」
「よくいった!!」

 ごりゅりゅううううう~~~っ♡

「いぎいいいいいっ♡」

 ――あうんんっ♡ おぐうううっ♡ りゃめええええっ♡

 ルナンは絶頂して、尻穴に聖剣の柄を突っこみながら盛大に射精を決めた。
 
「あふううううううううっ♡」
「お、おうじいいい」
「ルナンさまああ!!」
「見よ!! 人間ども!! 王子は死んだ!! これからは我らの欲望を満たす豚として生きていくのだ!!」

 魔王の残酷な嗤い声が空にまで響く。
 ルナンは泣きながら、快感の余韻に浸り、ぼんやりと宙を眺めていた。 
 

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