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呪術師に穢される清い魂
しおりを挟む娼館に残ったエルレイルは、ヴォルフによって捕らえられ、奥の部屋に監禁されていた。
王子達を逃がしてから数時間後、お前に客だと告げられ、ある男が姿を見せる。
男は黒いローブを頭から目深にまとっていた。
魔王の支配するこのシュナイゲルでは、四季などなく、動くと汗ばむくらいなので、男の格好は見ているだけで暑苦しい。
唯一見える口元を歪ませて話しかけてくる。
「ほう。その白いローブとあしらわれた細やかな刺繍は、白魔術師か」
「……貴方は?」
「俺は呪術師のトルステン。闇に通じる術ならば、ほぼ行使可能だ」
「闇の……では、貴方は人間でありながら、魔王へ味方をしているという事ですか」
エルレイルの問いかけに、トルステンは肩をふるわせて、絞り出すような声音で嗤う。独特な笑い方だ。
やけに耳に残る声で不快な気分になる。
その声を聞いただけで、この男の心根が歪んでいるのが伝わってきたのだ。
エルレイルは、縄で縛られている両手足の痛みに頬を引きつらせながら、どうにか起き上がろうともがくが無駄に終わる。
こんな事であれば、もう少し身体を鍛えておくべきだったと反省した。
「いやあ、それにしても麗しい。なんとも俺好みのニオイのするヤツだ」
足音も立てずに近寄って来たトルステンは、目の前で屈むと、そのローブをずらして顔をさらけ出す。
朱色の鋭い瞳を光らせ、緑のくせっ毛が肩付近でうねっている。
この男の禍々しい雰囲気によく似合う色彩だと感じた。
舌なめずりするのを見つめ、背筋がぞわりと震える。
――この男、何を考えている?
エルレイルは普段から天然だとか、からかわれる事が多いのだが、するどい勘が働く時もあり、それは大抵嫌な予感を察した時だった。
男の口がゆっくりと動く。
「俺の趣味は、清い力を吸い取って味見する事なんだよ」
「は、はい?」
「こんなに見た目が綺麗な獲物は初めてだから、別の意味でも興奮してしまうなあ……まあ、その時はその時でいいか……」
「何を言ってるんです?」
――力を吸い取る? 味見?
男の言っている台詞が理解できず困惑していると、突然両手足の縄がぶつっと切られて間抜けな声を上げた。
自由にされた……?
「ど、どういうつもりですか」
「お前を白状させるのに、そんなものは必要ないさ」
その言葉に合点がいく。この男、王子の事を捜しているのだと。
爬虫類のような鋭い目つきで、にやりと嗤うトルステンが、エルレイルの顔を覗き込む。
その目は全てを見透かしているような光を放つ。
「この館の主人から聞いたお前の仲間の特徴からして、ある人物を連想している」
「なんの話です?」
「魔王様に敵対しているかの人間の国の王子の事だ。その従者の特徴とお前は一致している」
「……それで?」
「とぼけても無駄だぞ? 魔王様の元に聖剣がもたらされた事実を、将軍や地位の高い兵士には告げられている」
「……」
と、いう事は、このトルステンという男は、高い位置にいる者なのか……。
間違いない、王子を捕まえて魔王の元へ差し出すつもりだ。
この男をここで動けないようにしなくては、命を奪う事も厭わない覚悟が必要だ。
すうっと手を突き出してきたので慎重に様子を伺う。
これ以上騒ぎを起こして目立ちたくはない。
命を狙うような大技を使うのは、最終手段として考えた。
トルステンの手の平から、何か細い紐のような物が幾重にも伸びて来た。波のようになめらかにうごめき、その色とごつごつとした姿は、異形の性器を想像させる。
ヴェルターが犯されたオークのペニスが、少し細くなったような形だ。
「う……!」
急に胃液が上がるのを感じて口元をおさえる。
甘いニオイが部屋に充満して、鼻がひくついた。
「まずは味見といこうか」
その触手が勢いよくエルレイルに向かって飛びかかってきた。
「うわ、うわあああ……!?」
せっかく自由になったというのに、その場から一歩も動く事は叶わず、触手によって全身を縛り上げられてしまう。
所々破かれた衣服の隙間から、直接肌をなぶられ、あろう事か胸の二つの突起と、ペニスに吸い付いて絡みつき揉まれて、強い刺激に背中が無様にしなる。
「ぐひ!?」
「お、いい反応……じゃあ早速」
「んお!?」
今度は触手を通して冷たい何かが注ぎ込まれる。
トルステンが呪術を行使したのだ。
それは、術者から力を吸い上げる禁呪――。
ペニスと乳首を通して魔力が吸い上げられ、凄まじい快感となって襲ってくる……!
――そ、そんな、ばかな……!
魔力を吸われて気持ちいいと感じるなんて、信じられない。
エルレイルの異変を察したらしいトルステンが、にやにやと嗤う。
「ただ魔力を吸われるだけでも気持ちいいのに、性器と乳首から吸い上げられてたまらないだろう? いいんだぞ? 我慢しなくて」
「ひ、ひぎい……!?」
ぎゅるぎゅると力を吸われる度に、乳首とペニスが刺激を受けて、すっかり勃起しているのを感じる。
まともに自慰さえしたことがないのに、刺激が強すぎた。
「んぎぎいいっ♡」
――だめだ、たえろ……こ、こんな、ことで、い、イくなんて!
身も心も清いからこそ、白魔術を行使する資格があるのだ。
快楽に浸って悦ぶなど、あってはならない。
床に転がりのたうち回っても、快感はとまるはずもなく、むしろ増していくばかり。
「そら!」
「……!?」
トルステンのかけ声と共に、さらに魔力を吸い上げる力が強まり、触手の動きもねちっこいものに変わる。
ぶちゅぶちゅと敏感な部分をめちゃくちゃに揉まれ、エルレイルはとうとう耐えきれず、悲鳴に似た甲高い声を上げた。
「いぐ、いぐうううう~っ♡」
ペニスの中と乳首に食い込む触手の強い刺激と、魔力を吸われる感覚に絶頂し、白濁を飛び散らせて、恍惚とした気分で叫び続けた。
「あぎいい~っ♡ いひいいいっ♡」
「いいぞ、いいぞお!」
トルステンはまだまだエルレイルを解放するつもりはないようで、その股間を膨らませて欲情した目を光らせていた。
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