12 / 13
二人きりの旅路へ
しおりを挟む私とシザーが愛し合っている事実を陛下はとっくに分かっていた筈だし、シザー率いるオーク軍団と共闘するつもりだったのだ。
陛下の過ちは赦されるものではない。
騎士団と民の意見はきちんと飲んでもらうべきだ。
両国の和解を祝う宴の席で陛下にそう進言すると、すんなりと受け入れて貰えた。安堵の息を吐いた所に、シザーがオーク達を連れて大広間に入ってきた。
宴の席にいるのは我々騎士団と、陛下、そして新たな同盟国となったジャベイルの王セレドニオ様と、その兵士数名だけだ。
私は陛下とセレドニオ様に視線を送ると、お二人は口元を緩めて「楽しめ」と言って下さった。
シザー率いるオーク達は各々騎士達に近づき、その丸太のような腕を伸ばして引き寄せ、男達をケダモノのごとくいじり始める。
濡れた音と声が響く中、私もすっかり欲情しきり、シザーに抱き抱えられ、衣服を剥ぎ取られていく。
以前は不快でしかなかった独特なオークの体臭や、身体の感触も、今では自ら求めるようになり、嗅ぐだけで興奮してしまう。
淫紋は消されたのだから、求めるこの気持ちは本物なのだ。
それをようやく理解した様子のシザーは、見た事もないような穏やかな表情で私を穿つ。
ぶちゅ……っ♡ ごちゅっ♡ ごちゅっ♡
「くふぅんっ♡ くは……っ♡ シザーっ♡」
「蕩けただらしない顔だな……アレクセイ……」
「しゅ、しゅき……っ♡ すきぃいいっ♡」
私は精一杯腰を使い、シザーも気持ち良くなれるように、穿たれる肉棒を尻の奥できゅうううっと締め付けた。
膨張するのを感じて、同時に絶頂を迎え――吐精される激しさと、射精する快感に酔いしれた。
その後、オークの軍団とジャベイルを同盟国として手に入れた我が国は、その力を存分に発揮する事となる。
人間とオークが愛し合うなどという、滑稽な話を敗戦国の騎士達は信じない。
だが、繋がった様子を見せると、動揺して興奮するのが面白かった。
小競り合いの戦でも、我が国の力を広めるには充分だった。
そんな戦いも落ち着いてきた頃、シザーが他のオーク達が気になると言い出したので、私から陛下に願い出て、暫し騎士団を副団長に預ける事にする。
未だに人間を襲っているオーク達を、説得する旅に出たのだ。
「そこまでしろとは言っていないぞ?」
「私がそうしたいだけだ。私とお前の関係を知ってもらえば、心変わりをしてくれるかもしれない」
「……アレクセイ、感謝する」
シザーがその逞しい腕を伸ばして、私を抱き込む。
力を入れすぎれば私の肉体は軋み、骨にヒビが入りかねない。
それを理解してくれている……。
シザーのような知能の高いオークは珍しい。
旅先で見つけたオーク達が、果たして我々の意図を理解してくれるかは予想できないが、説得を成功させたいと願う。
10
お気に入りに追加
218
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる