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二人の想い
しおりを挟むはしたない姿をさらけ出したセレドニオに、シザーが盛大な嗤い声をあげて嘲笑する。
「見ろ! すました顔の化けの皮がはがれたぞお!!」
「せ、セレドニオ……!」
陛下が想い人に手を伸ばし、その肩におくと震えた声でさらに語りかけた。
「何故、こんな真似を」
「お、お前に、許して欲しいから、だ」
「セレドニオ……」
私はシザーに二人の前に立つように小声で伝え、周囲の人々に声を張り上げる。
「これからお二人がどれ程愛し合っているのかをお見せしよう!」
ざわついた観衆から顔を背け、二人の王へと歩み寄ると、陛下は目を白黒させていたが、セレドニオ様は承知しているので、陛下を見つめて腕を伸ばして微笑んだ。
「ストフェル……私の、腕の中へ……」
「し、しかし……」
「私は、傲慢さから妻にも子にも見捨てられた……気付いたのだ、お前を愛していたのだと」
「……っ!」
セレドニオ様は熱い吐息を繰り返しながら、陛下を抱きしめると、その場に押し倒す。
シザーに目配せをすると、王間の奥の部屋からある物を持ってきて貰うように伝えた。
シザーが寝台を持って二人の前に置くと、セレドニオ様は陛下を誘うように手を差し伸べる。
陛下はおずおずとその手を握ると、セレドニオ様に身を寄せた。
二人の四肢に触手が巻き付き、陛下がセレドニオ様に押し倒される形で、弄り合う。
陛下はすすり泣きながらセレドニオ様に抱きつくと、二人は唇を重ねて舌を絡める激しい口づけを交わす。
「あ、ふ……」
「ストフェルぅ」
「セレドニオ」
セレドニオ様のイチモツを尻の奥で受け止めながら、喘ぎ乱れる陛下はとても美しい。
観衆も二人の交わりに魅入られているように、静まり返っていた。
「あい、している、ストフェル」
「ひ、ふひぃ……っ! セレドニオおお」
ぐちゅぐちゅと卑猥な音と熱い吐息が空気を震わせ、二人の王は同時に四肢を跳ねさせて果てた。
無事に愛を確認できた二人は、穏やかに抱きしめあい、しばらくの間静かに瞳を閉じていた。
落ち着きを取り戻した後、私はある望みを陛下にお話しする。
「オークを我が国に迎え入れろというのか?」
「はい。我々騎士団にシザー達を迎え入れて、共に生きていきたいのです」
「正気か?」
セレドニオ様が眠っている傍で、陛下はローブを身に纏い、私の目をまっすぐに見据える。
隣に佇むシザーが、私の腰を引き寄せて抱き込む。
陛下が瞳を細めると口元を緩めた。
「本当に、愛し合っているのだな」
「愛、とはなんだ?」
シザーが小さな声で囁く。
「……陛下、私はシザーの物です。それだけは信じて下さい」
「……」
陛下は口ごもると――やがて口を開き、ある命令を下した。
「ならば、証拠を見せろ」
「証拠とは?」
「この場で愛し合え」
シザーと愛し合う。
その言葉に戸惑いを覚える。
私のこの感情は、シザーの支配から始まったものであり、一つの愛の形だとは思ってはいるが……果たしてシザーはどう認識しているのだろうか。
シザーの腕に力が加わり、わずかに震えているのを知って、頬を胸元にすり寄せた
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