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淫靡なる世界の始まり
しおりを挟む処刑場は、卑猥な宴の場へとすっかり様変わりしていた。
シザーに持ち掛けられた話を、反芻する。
"王を調教して言う事を聞くようにしてやればいい。
そして、お前たち騎士団の命を助けてやろう、その代わり、騎士団の者達の身体を性欲処理に使わせてもらうぞ〟
私は、国を守るためには、王からも我々騎士団からも完全に理性を失う事だけは避けたいと伝えた。
シザーはある条件を飲めば、要望に答えてやると約束してくれた……。
その約束はシザーに堕ちてしまった今の私からしてみれば、ごく自然な話だったので、特に驚く事もなく承諾した。
騎士団の主要戦力の五名は、シザー率いる軍団の主力戦士達の手によって、淫紋を施され、それぞれのオーク相手に悦がり狂っている。
特に副団長のリュークはすっかりオークの戦士の虜となり、巨体にしがみついて自ら腰をふって肉棒を尻の中にくわえこんで、獣のように喘いで叫んでいた。
他の四名も皆一様に、オークの戦士達に身体の奥をイチモツで貫かれ、揺さぶられては、すさまじい腰使いにすっかり夢中になっている。
彼らは皆、整った顔立ちと美しい肉体を持っており、童顔で細身、筋肉質で強靱な肉体など、それぞれ体躯にも能力にも違いがあるが、快楽に浸る姿は愛らしい。
中でも栗毛髪の童顔で細身のフランシスは、三体のオークを同時に相手にさせられて、尻に巨根を突き入れられ、口と舌で二本の肉棒に奉仕をさせられて失神しそうな様子だった。
それでも差し出される左右の肉槍を手で掴み、舌で必死にべろべろとなめてしゃぶっている。
その小さなペニスが滑稽にぷるんぷるん揺れていた。
べちゃ……ぶちゃっ……♡ ぶちゅうっぶちゅるっ♡
「あぶえっ♡ あへえっ♡ うぶぷうっ♡」
「もっとちゃんと舌使え!」
「しゃぶれもっとオラ!」
「ケツんなか掘られるとたまらねえだろお?」
「あぶうううんっ♡」
ごりゅりゅりゅっ♡ どちゅどちゅっ♡
尻の中に埋められたイチモツを、しめつけるように肉体を上下に揺さぶって腰を動かしている。
「んぶおおっ♡ くるっひゃう~♡ くるっひゃうう~♡」
びちゃびちゃびしゃあっ!!
三体同時に濃厚なザーメンを口の中や全身におみまいされて、フランシスは「はひはあああんっ♡ おいぴいいいっ♡」と心底嬉しそうな声を上げて絶頂し、可愛らしいぺニスからザーメンを噴出させて、びくびく震えて気絶した。
私はさらに周りを見回し、拘束されて待機していた仲間達の元へ歩み寄る。
皆、目を白黒させて混乱の最中、といった顔をしていた。
騎士団長として、きちんと説明を行わなければならない。
「団長!」
「アレクセイ様!」
「皆、聞いてくれ」
私は包み隠さず全てを伝えた。
愕然とする者や、顔を赤らめるもの、激高するもの、様々な反応を示した。
想定内なので冷静に答えていくと、彼らはだんだんと落ち着いてくれたのでひとまずは安心だろう。
皆の拘束を解いてやると、シザーの元へ向かった。
シザーは、陛下と兵士と共に王の間にいるはずだ。
私は城の中に向かうと王の間に向かい、開かれたままの扉から足を踏み入れた。
そこには複数の兵士、それとシザーが、玉座に座る陛下を取り囲んでいる。
陛下は唇を噛み締め、私を睨み付けた。
「アレクセイ、なぜ、敵対しているオークがここにいるのだ!?」
「……そんなの、決まってます」
私はシザーに身を寄せると、腰に太い腕を回されてうっとりと宣言する。
「私は、シザーの物ですから」
オークの首領に身も心も捧げた事実を告げると、陛下は口をあんぐりとあけた。
すぐに険しい顔つきになり、その整った顔を歪ませる。
髭もはやしていないせいか、貫禄は感じられず、拳を握りわなわな震わせる様は、いっそ憐れにさえ感じた。
「よしよし。お前は素直でかわいいなアレクセイ」
「シザー……」
オークの醜悪な筈の姿は、私には魅力的に見えて、今この場で犯して欲しくてたまらない。
軽く腰を揺らしつつ、陛下にさらに語りかける。
「陛下、貴方の心を覗かせて頂きます」
「な、なに?」
「シザー」
「いいだろう、使え」
シザーのごつごつした手の中に握られている丸い鏡を受け取ると、陛下の胸に押しつけた。
「な、なにを」
戸惑うのも無理はない。鏡は胸の中に吸い込まれて、やがて胸から一筋の光が出現し壁にある光景が投影される。
それは、若かりし頃の陛下だ。
この鏡は、人が一番強く想う存在を映し出す。
大抵は恋人や家族なのだが、冷酷な王も例外ではなかったようだ。
上半身裸で微笑みかける、金髪の青年には見覚えがあった。
隣国の王セレドニオ様だ。
「セ、セレドニオ」
陛下が彼の名前を囁く。
この光景はおそらく、まぐわっていた時の思い出だろう。
名前を呼び合い、お互いを求め合う。
だが、セレドニオ様は陛下に背を向けて去ってしまった。
「隣国の王、セレドニオ様ですね」
「あ、あうあぁ」
「愛し合っていた筈なのに……セレドニオ様は、貴方を捨てて妃を迎えた」
「そ、そうだ……やつは、私を、捨てた……!」
実は、この話は有名だった。
私が騎士団長の座についた時に、噂話が流れていたのだ。
陛下は、最愛の人間に裏切られてから血を求めるような冷酷さを持つようになってしまったと。
陛下は男ではあるが、子を宿す術ならばいくつか方法はある。
セレドニオ様も、陛下と結婚されれば国同士の結びつきが強くなるので、不利な点はないはず。
陛下もきっと、セレドニオ様と結婚できる筈だと想っていたに違いない。
それなのに。
「セレドニオはぁ! わ、わたしの心をお! 弄び、挙げ句捨てた!!」
涙をポロポロ流しながら、叫ぶ陛下は、拳を握りしめて身体をぶるぶると震わせた。
やがて無言で項垂れる。
「……何が、目的だ?」
「皆、貴方を慰めたいだけです」
「慰めだと?」
「陛下は美しい」
陛下の頬をなぞるように指を這わせた。
同時に兵士達も、それぞれ陛下に手を伸ばして息を荒げている。
私の言葉は決して世辞ではない――。
陛下は深い赤褐色の癖のある髪を肩ほどの長さでそろえ、少し跳ねたくせっ毛でも、髪質は柔らかいようで気にならない。
目は切れ長の黒い瞳。
私は特に陛下に欲情を覚えた事はないし、今もないが、兵士達は違うと以前から知っていた。
兵士達は陛下の横柄で冷酷な所に不安と怒りを感じながらも、そのよく手入れがされた四肢と、容姿にあらぬ妄想を抱いているのだと……。
「皆が、陛下を慰めて愛してくれますよ」
「……わたし、を? 信じられるか」
「そんな事はないです、今から証明してあげますよ」
私の言葉が合図となり、兵士達は一斉に陛下に襲いかかった。
陛下の胸から鏡が浮かび上がり、床に音を立てて転がった。
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