異世界転移した男子高校生だけど、騎士団長と王子に溺愛されて板挟みになってます

彩月野生

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最終話この出逢いに感謝しています※(男性妊娠、出産描写注意)

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 ユリアムとの子がまだ一歳にも満たない内に、ブライアンと子作りする事になり、シンヤは不安に襲われていた。
 胎は無事に修復できたのだが、早く使わなければ、もたないという。

 ブライアンに抱きしめられて、無理をしないでと言われたが、シンヤは、ブライアンとの愛の証が欲しいと望む気持ちを抑え込めなかった。

 裸で寝台で睦み合い、覆いかぶさるブライアンの巨根を、腹の奥に埋める。

 ぐぶぶ……! ぶぢゅううっ!!

「あっあっついいっ」
「シンヤ、動くぞ」
「はひいんっ」 

 ――おっきいいよおっ!! 

 中でさんざん暴れたブライアン自身は、ほどなくして精液を放出し、シンヤの腹奥を満たした。

「あ……」
「シンヤ」
「ブライアンさまあっむちゅっ」

 熱い口づけを交わして、気持ちを確かめあった。

 熱がさめた頃、シンヤは目を覚ますと、手に指輪がはめられているのに気づいて、ブライアンに抱きついた。

「ブライアン様!」
「ああ。シンヤ、起きたのか」
「はい! 指輪ありがとうございます!」
「大切にしてくれるかい」
「はい!」
「ありがとうシンヤ」

 額にキスをされてくすぐったさに、笑う。

 ――ブライアン様との子供、早く逢いたいなあ。

 後日、無事にブライアンとの子を出産したシンヤは、城へと招かれた。

 玉座に腰掛ける王が、破顔して祝の言葉をかける。

「見事だ! お前は、わが国の王子の妃であり、騎士団長の妻でもある。異世界人で、男子たるお前が、二人の子を産んだ事実は、一つの希望となるだろう!」
「ありがとうございます!」

 ささやかな宴が開かれ、リードルフや、セレンもかけつけてくれた。

「なかなか面白い歴史が刻まれたな! 久しぶりに楽しい気分だ!」
「おめでとうございますシンヤ様」
「リードルフ、セレン、ありがとう」
「ありがとうございました、リードルフ様、セレン」
「感謝するぞ、リードルフ! セレン!」


 シンヤとブライアン、ユリアムは、揃って彼らに頭を下げて礼を述べる。
 リードルフは後で子供を見せろと笑った。

 宴に疲れたシンヤは、ブライアンとユリアムと共にバルコニーに出て、風に当たる。

 美しい景色を眺めて、シンヤは不思議な巡り合わせに感謝した。

「俺、幸せだなあ」
「私もだ」
「僕もだ」
「ふふ」

 シンヤは二人に抱きしめられながら、肩を揺する。

 ――いつまでもこんな幸せを味わえますように。

 しばらく抱きしめあって、温もりを感じる。

 中からブライアン父に「子供達が泣いているぞ」と呼ばれて、そっと身を離した。

 シンヤは、ブライアン、ユリアムに視線を巡らせて、それぞれの腕を掴み、声をかける。

「行きましょう」
「ああ、行こう。シンヤ」
「ああ。行くぞ、シンヤ」

 シンヤは二人と笑いあいながら、自分を待つ人達の元へと歩いて行った。
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みんなの感想(3件)

HALU
2022.07.22 HALU
ネタバレ含む
彩月野生
2022.07.24 彩月野生

HALUさんお読み頂きましてありがとうございます。
ご感想大変嬉しく思います(*´ω`*)
皆の事を的確に認識されていて素晴らしいです!!
確かにブライアンとシンヤ巻き込まれすぎですよね💦
でも、二人はこれからもラブラブで子供達も健やかに育ちますし、幸せに暮らしますのでご安心ください💐
こちらこそお時間をくださり本当にありがとうございました(。・ω・。)ノ♡

解除
yasu
2022.05.12 yasu
ネタバレ含む
彩月野生
2022.05.12 彩月野生

シンヤは傷ついたので、拗ねました笑
彼なりに考えながら二人と向きあっていきます。

解除
鹿の子🦌
2022.05.08 鹿の子🦌
ネタバレ含む
彩月野生
2022.05.08 彩月野生

鹿の子さん!! いつもお読みいただきまして本当にありがとうございます✨ こちらの作品にもご感想ありがとうございます☺
明るくて癒やしになるようなお話にしたいので、ぜひ、泰正達のお話とご一緒にお付き合いお願いいたします😄

解除

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