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甘美なる罪
しおりを挟む魔王の襲撃を受けた兵士達は、リアムを担いでユーディア城へと戻っていた。
二人きりにしろと国王から命令された兵士達は、言われた通りにリアムを王の元へ残し、一人残らず立ち去った。
クロヴィスと二人っきりにされたリアムはいたたまれず、顔を背けて腕をさする。
向けられる感情には、明らかに憎悪や殺意まで含まれているのを感じられたからだ。
心の奥底までは分からないが、クロヴィスの感情をなんとなく判断する事くらいはできるようになっていた。
沈黙の時間が流れていく。
やがてクロヴィスが歩み寄って来て腰を抱かれて引き寄せられる。
耳元で囁かれた。
「俺が許可しない奴と、あの野郎と……おしおきが必要だな」
「や、やっぱり、見てたんだよね」
一部始終を見られていた。
途中でクロヴィスの存在を意識できないくらい、魔王との行為に夢中になってしまった事実に項垂れる。
以前に感じた不穏な雰囲気を感じて、クロヴィスを見やると、その体が紫の光に包まれ、牙が剥き出しになり、肉体も普段より屈強に変化する。
力が溢れて調整できないというように見えた。
「……あ」
リアムは直感的に後ずさる。
その判断は正しかった。
凄まじい勢いで腕をふりあげ、クロヴィスはリアムを捕まえようと暴れだしたのだ。
「うわっ」
「ぐうぅ」
クロヴィスが地に拳を叩いた衝撃でひび割れてしまい、リアムの足元がぐらつき体が傾いだ。
その時、床が割れて穴があき、リアムは落下する――と思った瞬間、足首を掴まれた。
「ひっ?」
クロヴィスがリアムの足を掴み、唸り声をあげている。
「……つか、まえ、たぞ……リアムぅ」
「あ、ああっ」
あまりの恐怖にリアムは気を失った。
冷たい風が身体を撫でている。
「ん」
それに浮遊感に気づき、リアムは目を覚ました。
視界が揺れていて身体中が痛い。
「え?」
自分はどうなっているのだろうかと確かめたくても、自由がきかなかった。
ようやく縄で縛られ、天井から吊るされているのだと気づく。
晒された裸体に直に巻き付けられている為、肌に食い込んで痛みが走る。
仰向けで吊るされたリアムを、クロヴィスが覗き込む。
彼は上半身だけ晒し、その姿はいつも通りに戻っていて安堵した。
「クロヴィス、良かった」
「良かっただあ? お前いまの状況分かってんのか?」
グイッと縄を引っ張られて痛みだけではない感覚が走り、肌が疼いた。
「あぁう?」
「おっ勃てやがって」
「はあぁうっ♡」
下半身側に回ったクロヴィスに性器を弄られて頭を振り乱す。
先端から睾丸まで執拗にしごかれてしまい、喘ぎ声を我慢できない。
身体の火照りを癒したくて腰が揺れる。
それを見たクロヴィスが鼻で嗤う。
「とんだ淫乱野郎だな、誰に突っ込まれても悦がりまくる雌豚野郎が!」
両足を持ち上げられて尻を思い切り叩かれた。
パアンッという軽快な音が鳴り響く。
驚きと痛みでリアムは目を見開き叫び声を上げる。
「ひいっいったあああっ!?」
「やらしいケツは痛めつけてやらねえとなあっ」
バシンッと何度も叩かれて折檻された。
幼い頃に尻を叩かれてしかられた事などなかったのに、まさか成人してから受けるなんて屈辱でもなんでもない。
「あっひいっご、ごめんなさっ」
叩かれまくっている内に妙な感覚に陥る。
尻が腫れて痛いというのに、リアムのペニスは反応していたのだ。
「オラッ」
「はああっ♡」
びくびくとリアムは身体を震わせると、ペニスから白濁をまき散らす。
まさか絶頂してしまうなんて――リアムは恥ずかしくて目を閉じた。
「ケツ叩かれてイきやがったか」
「もおっ許してえ」
「黙れ、テメエは気絶するまで俺の相手をするんだよ!」
ズブウッとイチモツを尻孔に奥まで挿入される。
圧迫感にリアムは目と口を開いて浅い呼吸を繰り返した。
「うおおおおおっ♡」
「ああ、こっちも虐めてやらねえとなあ」
「くひいっ♡」
胸の両方の突起を指できつく摘ままれてこねくりまわされる。
今、そんな事をされればどうなるのか知っているのだ。
リアムは胸の中心から広がる甘い快楽と、身体の奥を愛しい男に貫かれる快楽に、その身を蠢かせて悦びの声を叫ぶ。
「おほおおおおおっ♡」
「魔王にナニをされたのか言え!」
乱暴に奥を突き上げて来る腰使いにリアムは翻弄されながら答えを叫んだ。
「おかしゃれてぇはらまされましたあぁああっあひぃいっ♡」
熱い迸りを叩きつけられると同時にリアムも果てて、胸の突起からは乳白色の甘い汁を噴出させる。
その汁を乳首に吸い付かれて啜られた。
「ほひっ♡ ほひいっ♡」
奥に射精をされながら乳を吸われる快楽に浸る最中、リアムは胸に顔を擦り寄せてくるクロヴィスを抱き締めたくて切なくなる。
クロヴィスが、嫉妬してくれるのが嬉しかった。
同時に罪悪感に苛まれて胸が苦しい。
――ごめんなさい。
喉奥にイチモツを押し込められ、精液を胃まで流し込められながら心中で謝り続けた。
「おぶっ♡ おぶぅ♡」
「あの野郎よりもたくさん飲ませてやる」
「ほぶぅううっ♡」
苦くて熱い欲望を飲み干し、リアムは呼吸を整え咳こんだ。
声がかすれてまとに話せず、ただクロヴィスに視線を向ける。
彼は、瞳を細め、快感に酔っているように見えた。
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