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会えて嬉しいのに

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宴から解放された翌朝、俺はダラスに怒っていた。

「だってオークだぞ!? いちゃもんつけてきた客はただの人間だからまだマシだったけど、オークのあんなモノが腹に入ってたかと思うと、どんな気持ちになるかお前はわかるか!?」
「それにしては気持ちよさそうに喘いでいたなあ?」
「そ! そんな!」

こと……ないって断言できないのがもどかしい。
自分がどんな風に乱れて悦がっていたか、思い出すと体が熱くなる。

「また味わいたくないか?」
「また?」
「俺のものになるなら、毎日複数の男と快楽をあたえてやるぞ? 今さら一人の男だけでは満足するまい」
「ゼルフォン様のことか」
「あの騎士は嫉妬深そうだから、お前が複数の男と寝るのは許さないだろう?」

ダラスの言うとおりだ。
あの聖騎士様は以外と嫉妬深い。
だから、きっと他の奴とするのは許してくれないだろうな。

――って、何かんがえてるんだ!

「旦那、準備できましたぜ!」
「はっ」
「ああ、行くぞ」

ダラスに腕を引っ張られ、テントから出され、裏側に回るとそこにはご馳走が待ち受けていた。
百人分はあるんじゃないか!?

「ラハン様、どうぞお座りください」
「え、あ、はい」

ダラスに仕える金髪の美少年に促され、素直に椅子に座ると酒が振る舞われた。

なんか、俺を囲むようにみなさん座ってるが、これは一体。
ダラスに視線を向けると柔らかく笑う。
こんな笑顔は初めて見た。
少しどきっとする。

「お前のおかげで商品が高値で売れたからな、今日は一日飲んで食べてたっぷり楽しめ!」
「え、まさかあれが?」

昨日の淫具が売れたのか?
あのオークが……?
ダラスはにやつくだけで何も言わない。
まあ想像はつくけど。

戸惑う俺にやつらが近づいてきて、酒を飲めと煽られた。

「今夜はやらないからな!」

と釘を指して杯に注がれた酒を一気に飲み干す。
飲んでから気づいたけど、ダラスに媚薬を盛られたのだから警戒すべきだったのだ。

しばらく楽しく飲み食いしていた俺だが、案の定、体が火照りはじめて、ダラスと二人組に酒宴から連れ出されて狼狽える。

もう日が傾いていた。
みんな店じまいする頃だな。
今日、俺なんも商売しなかったなあ、馬鹿。

「ひとまず風呂にいけ」
「え」

有無を言わせない雰囲気に、俺は仕方なく従う。
風呂は好きだからいいんだけど、何をするつもりなんだか。

体の火照りと、酒に酔った頭でふらふらしながら入ったら、早く出るように急かされた。
入れ違いで次々にダラスと二人組、他の連中も風呂場にやってきた。
もしかしたら、ただのお風呂の時間だったのか?

「ラハン、用意した服に着替えたか?」
「わっ」

音もなく入って来られて、慌てる。
まだ途中だっての!
睨むと付いてくるように促された。
隣の部屋に客人がいるという。

「え!」

中に入って驚く。
銀髪の騎士が椅子に腰かけて待っていたのだ。

「ゼルフォン様、なんで!?」
「噂を聞いてね」
「噂?」

駆け寄ろうとした俺の腕を、ダラスがひっつかんで邪魔をする。
うざいぞお前!

「先ほど地下の部屋をくまなく確認して頂いたかとおもいますが、あやしい所などなかったのでは?」
「表向きはな、しかし問題がないとは言い切れない……いい加減その手を離してくれないか」
「あ……」

ダラスがやたら俺の体をベタベタ触るのが気になった。
ゼルフォン様の顔つきがどんどんこわくなる。

「それは、できませんなあ」
「何故だ?」
「今からこやつがどれだけ淫乱なのか、見てもらいますので」
「はあっ!?」

何を言い出すんだこいつは!?
ダラスの手が、俺の股間を服の上からまさぐりはじめる。

「や、やめろ!」

俺は下半身の疼きを無視して、ダラスから逃れようともがいた。

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