41 / 42
終章<初めての恋と変わる想い>
生まれた愛おしい想い
しおりを挟むアルヌルフ様の舌は、冷たいのに気持ちいい。
「あふ、ふう」
舌を絡める濃厚なキスに、頭が甘く痺れてくる。
衣服に手をかけられゆっくりと剥ぎ取られていく。
グレゴールが、ずっとやめろって叫んでるのが聞こえる。
俺、グレゴールの前で神様にアルヌルフ様に抱かれるんだ……本当は拒絶しなきゃなのに。
でも、アルヌルフ様が俺を想う気持ちが肌に伝わってきて、すごく心地いい。
「ん……ふう……」
「ナオキ、いい子だ」
下顎をなめられて、そのまま首筋、胸元、肌の上を直接舌でなぞられて背筋が震える。
甘えるような声をあげて縋り付いてしまう。
愛されるって、こんなに気持ちいいのかと実感する。
それに、こんな高貴な人に抱かれるなんて。
気づけば、自ら足を開いておねだりしていた。
それくらい身体が火照り、アルヌルフ様が欲しくて仕方なかった。
アルヌルフ様は、慈しむような目で俺を見つめて、よく解してくれた後孔に自身をゆっくりと埋めてくれる。
奥まで埋まったアルヌルフ様をしめつけると、感じる場所を擦りあげられて、抱きしめ合う形でお互いに腰をくねらせた。
ベッドが動きにあわせて軋み続ける。
「あひゃあ♡ あぁあん♡」
「ナオキのなか……あたたかい」
「ああんっ♡ アルヌルフひゃまのおおっきいい♡」
アルヌルフ様のつめたい肉体が、火照った身体に密着して気持ちいい♡
あしょこずんずんされてきもちイイ~♡
「あはあんっ♡ いきゅう~♡ アルヌルフしゃまあイきましゅう♡」
「わたしも、だ、ナオキ……!」
アルヌルフしゃまのがおおきく膨らんで、俺の中にいっぱいせいえきを注ぐ。
精液はとっても熱くて、俺も同時に絶頂して精液を噴出した。
弄り合う中で記憶は曖昧になり、我に返った時には、アルヌルフ様に抱きしめられながらうとうとしていた。
アルヌルフ様の顔を覗き込むと、幸せそうな顔で眠っている。
俺も眠ってしまおう……。
「ナオキ」
低い声に恐怖心で身体が跳ねた。
恐る恐る上半身を起こして床を見た――グレゴールをすっかり忘れてしまっていた。
俺はアルヌルフ様の腕から抜け出すと、グレゴールを拘束している光の縄を取ろうと奮闘するが、無駄に終わる。
「ご、ごめん」
「おかげさまですっかり勃っちゃったよ、せめて口でぬいてくれないかなあ?」
「え!」
「……冗談だよ、疲れてるよね?」
俺は何も言えずに手を止めて無言になる。
だって、グレゴールは怒っていいはずなんだ。
戸惑う俺に対してグレゴールは優しい声で囁く。
「そんな顔しないで。ナオキをそんな感じやすくさせたのは、僕たちの責任なんだから」
「でも」
「そんな自分を責める必要はないよ? 僕たちが勝手にナオキを好きになっただけなんだから……とりあえずこいつ起きたら僕は容赦しないけどね」
「は、はは……誰が相手だろうと、グレゴールは遠慮しないな」
「ん? ナオキの事だからね」
「意外だなって思って。怒ってると思ったから」
「君をずっと見守ってきたんだよ? コグレの気持ちも通して君を愛する気持ちを育ててきたんだ……もうナオキを困らせたくないよ」
力なく微笑んだグレゴールに心臓が跳ねた。
床につっぷしてなんとも情けない姿のエルフに、俺は今、すごくときめいてしまっている。
あれ、俺……なんだこの気持ち。
瞳を閉じて寝息を立て始めたグレゴールの、美しい聖者の顔をいつまでも眺めていたいと思った。
しばらくそのかわいい寝顔を堪能した後、アルヌルフ様をたたき起こして、さっさとグレゴールの縄を取るようにと強めに伝えた。
それと、今日は大切な日だった事も話した。
「そうだったのかすまなかった」
「目の前でするなんて悪趣味ですよ!?」
「そうだったなすまない」
「もういいですから、とにかくグレゴールを解放してあげてください」
なんか俺いますっごく気分悪いぞ。
まさかアルヌルフ様相手にこんな気持ちを抱くなんて。
でも、まあこんな強引な真似をされた後だし、怒ったって仕方ないよな?
縄を解いてもらい、アルヌルフ様には撤退してもらう。俺はまだ裸のままでグレゴールに抱きついた。
「ごめん、グレゴール。デートの続きしよう」
「う、んナオキ?」
寝ぼけているその頬にキスをして、しばらく床に寝転がってじゃれついていた。
0
お気に入りに追加
796
あなたにおすすめの小説
王道学園のモブ
四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。
私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。
そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。
【再掲】男だけの異世界に転移しちゃった! 異世界人生は2択で進む「抱く」「抱かれる」さあ、どっち?
緒沢 利乃
BL
バスの事故で突然死んでしまった俺は、魂の審判所で福引仕様のくじで「異世界」「男だけの世界」に送られることになった。
……彼女いない歴年齢の童貞処女のノーマル男になんて罰ゲーム!
転移した異世界の森の中で悲嘆に暮れていると、目の前には「人生の2択」と書かれたスクリーンが映しだされて。
?? 「町に行きます」「森の奥に行きます」??
いや、人のいる所に行きたいです。
町に着けば、「冒険者ギルド」「商業ギルド」どちらに行く?
……冒険者ギルドかな?
転移者特典の知識の宝珠や魔法鞄を駆使しながら、この異世界で清らかな体を死守しつつ楽しむぞー! と決意したけど……、冒険者ギルドのサブマスがイケメンオネエで俺に迫ってくるし、助けてくれた凄腕冒険者はセクハラしてくるし……。
しかもその度に映し出されるスクリーンには究極の「人生の2択」。
「抱く」か「抱かれる」か。
え? それ以外の選択肢はないの?
究極すぎるよー! どっちか選ばなきゃダメですかーっ?
思いつきでタイトル回収まで書きました。
ゆるゆると楽しんでいただけたらと思います。
R18は保険です。
別名義で掲載していたものを、再掲載しました。
眠れぬ夜の召喚先は王子のベッドの中でした……抱き枕の俺は、今日も彼に愛されてます。
櫻坂 真紀
BL
眠れぬ夜、突然眩しい光に吸い込まれた俺。
次に目を開けたら、そこは誰かのベッドの上で……っていうか、男の腕の中!?
俺を抱き締めていた彼は、この国の王子だと名乗る。
そんな彼の願いは……俺に、夜の相手をして欲しい、というもので──?
【全10話で完結です。R18のお話には※を付けてます。】
性的に奔放なのが常識な異世界で
霧乃ふー 短編
BL
幼い頃、ふとした瞬間に日本人の男子学生であることを思い出した。ファンタジーな異世界に転生したらしい俺は充実感のある毎日を送っていた。
ある日、家族に成人を祝ってもらい幸せなまま眠りについた。
次の日、この異世界の常識を体で知ることになるとは知らずに幸せな眠りに微睡んでいた……
四人の関係
鳴神楓
BL
都内の豪邸で4人で暮らしている男達。
攻め3人(使用人)受け1人(主人)という関係が、あるきっかけで攻めのうち1人が受け属性に目覚めたことで新しい関係へと変わっていく。
■地雷要素が多いため、地雷避けしたい方は登場人物紹介の下の方をご確認下さい。重複投稿。
帝国の皇太子に目を付けられた貧国おバカ王子の末路
珈琲きの子
BL
天使と謳われる貧国の王子ラベライト。中身はただのおっぱい好きなおバカな転生者だった。
しかし皆を虜にするような愛らしい外見から帝国の皇太子に目を付けられ、政略結婚により帝国の皇太子妃に迎え入れられる。
おバカなラベライトはそんなことも露知らず、世界最先端の技術を持つ帝国に住めることを喜ぶのだが……
マッチョ皇太子×外見天使なおバカ王子のアホエロ物語。
※半分無理矢理の快楽堕ちです。
君がため
晦リリ
BL
幼い頃に患った病気のせいで見目の悪い穂摘はある日、大火傷を負ってしまう。
親に決められた許嫁は嫌がり、生死をさまよう中、山に捨てられた穂摘。
けれどそれを拾った者がいた。
彼に拾われ、献身的な看護を受けるうち、火傷のせいで姿も見えない彼に初恋を覚えた穂摘だが、その体には大きな秘密があった。
※ムーンライトノベルズでも掲載中(章ごとにわけられていません)
転生したらBLゲーの負け犬ライバルでしたが現代社会に疲れ果てた陰キャオタクの俺はこの際男相手でもいいからとにかくチヤホヤされたいっ!
スイセイ
BL
夜勤バイト明けに倒れ込んだベッドの上で、スマホ片手に過労死した俺こと煤ヶ谷鍮太郎は、気がつけばきらびやかな七人の騎士サマたちが居並ぶ広間で立ちすくんでいた。
どうやらここは、死ぬ直前にコラボ報酬目当てでダウンロードしたBL恋愛ソーシャルゲーム『宝石の騎士と七つの耀燈(ランプ)』の世界のようだ。俺の立ち位置はどうやら主人公に対する悪役ライバル、しかも不人気ゆえ途中でフェードアウトするキャラらしい。
だが、俺は知ってしまった。最初のチュートリアルバトルにて、イケメンに守られチヤホヤされて、優しい言葉をかけてもらえる喜びを。
こんなやさしい世界を目の前にして、前世みたいに隅っこで丸まってるだけのダンゴムシとして生きてくなんてできっこない。過去の陰縁焼き捨てて、コンプラ無視のキラキラ王子を傍らに、同じく転生者の廃課金主人公とバチバチしつつ、俺は俺だけが全力でチヤホヤされる世界を目指す!
※頭の悪いギャグ・ソシャゲあるあると・メタネタ多めです。
※逆ハー要素もありますがカップリングは固定です。
※R18は最後にあります。
※愛され→嫌われ→愛されの要素がちょっとだけ入ります。
※表紙の背景は祭屋暦様よりお借りしております。
https://www.pixiv.net/artworks/54224680
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる