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終章<初めての恋と変わる想い>

生まれた愛おしい想い

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アルヌルフ様の舌は、冷たいのに気持ちいい。

「あふ、ふう」

舌を絡める濃厚なキスに、頭が甘く痺れてくる。
衣服に手をかけられゆっくりと剥ぎ取られていく。
グレゴールが、ずっとやめろって叫んでるのが聞こえる。

俺、グレゴールの前で神様にアルヌルフ様に抱かれるんだ……本当は拒絶しなきゃなのに。
でも、アルヌルフ様が俺を想う気持ちが肌に伝わってきて、すごく心地いい。

「ん……ふう……」
「ナオキ、いい子だ」

下顎をなめられて、そのまま首筋、胸元、肌の上を直接舌でなぞられて背筋が震える。
甘えるような声をあげて縋り付いてしまう。

愛されるって、こんなに気持ちいいのかと実感する。

それに、こんな高貴な人に抱かれるなんて。
気づけば、自ら足を開いておねだりしていた。
それくらい身体が火照り、アルヌルフ様が欲しくて仕方なかった。

アルヌルフ様は、慈しむような目で俺を見つめて、よく解してくれた後孔に自身をゆっくりと埋めてくれる。
奥まで埋まったアルヌルフ様をしめつけると、感じる場所を擦りあげられて、抱きしめ合う形でお互いに腰をくねらせた。

ベッドが動きにあわせて軋み続ける。

「あひゃあ♡ あぁあん♡」
「ナオキのなか……あたたかい」
「ああんっ♡ アルヌルフひゃまのおおっきいい♡」

アルヌルフ様のつめたい肉体が、火照った身体に密着して気持ちいい♡
あしょこずんずんされてきもちイイ~♡

「あはあんっ♡ いきゅう~♡ アルヌルフしゃまあイきましゅう♡」
「わたしも、だ、ナオキ……!」

アルヌルフしゃまのがおおきく膨らんで、俺の中にいっぱいせいえきを注ぐ。

精液はとっても熱くて、俺も同時に絶頂して精液を噴出した。

弄り合う中で記憶は曖昧になり、我に返った時には、アルヌルフ様に抱きしめられながらうとうとしていた。
アルヌルフ様の顔を覗き込むと、幸せそうな顔で眠っている。

俺も眠ってしまおう……。

「ナオキ」

低い声に恐怖心で身体が跳ねた。

恐る恐る上半身を起こして床を見た――グレゴールをすっかり忘れてしまっていた。

俺はアルヌルフ様の腕から抜け出すと、グレゴールを拘束している光の縄を取ろうと奮闘するが、無駄に終わる。

「ご、ごめん」
「おかげさまですっかり勃っちゃったよ、せめて口でぬいてくれないかなあ?」
「え!」
「……冗談だよ、疲れてるよね?」

俺は何も言えずに手を止めて無言になる。
だって、グレゴールは怒っていいはずなんだ。
戸惑う俺に対してグレゴールは優しい声で囁く。

「そんな顔しないで。ナオキをそんな感じやすくさせたのは、僕たちの責任なんだから」
「でも」
「そんな自分を責める必要はないよ? 僕たちが勝手にナオキを好きになっただけなんだから……とりあえずこいつ起きたら僕は容赦しないけどね」
「は、はは……誰が相手だろうと、グレゴールは遠慮しないな」
「ん? ナオキの事だからね」
「意外だなって思って。怒ってると思ったから」
「君をずっと見守ってきたんだよ? コグレの気持ちも通して君を愛する気持ちを育ててきたんだ……もうナオキを困らせたくないよ」

力なく微笑んだグレゴールに心臓が跳ねた。
床につっぷしてなんとも情けない姿のエルフに、俺は今、すごくときめいてしまっている。

あれ、俺……なんだこの気持ち。
瞳を閉じて寝息を立て始めたグレゴールの、美しい聖者の顔をいつまでも眺めていたいと思った。

しばらくそのかわいい寝顔を堪能した後、アルヌルフ様をたたき起こして、さっさとグレゴールの縄を取るようにと強めに伝えた。
それと、今日は大切な日だった事も話した。

「そうだったのかすまなかった」
「目の前でするなんて悪趣味ですよ!?」
「そうだったなすまない」
「もういいですから、とにかくグレゴールを解放してあげてください」

なんか俺いますっごく気分悪いぞ。
まさかアルヌルフ様相手にこんな気持ちを抱くなんて。
でも、まあこんな強引な真似をされた後だし、怒ったって仕方ないよな?

縄を解いてもらい、アルヌルフ様には撤退してもらう。俺はまだ裸のままでグレゴールに抱きついた。

「ごめん、グレゴール。デートの続きしよう」
「う、んナオキ?」

寝ぼけているその頬にキスをして、しばらく床に寝転がってじゃれついていた。
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