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貴方の幸せを願う
しおりを挟むシルヴィオの計らいにより、側近に返り咲いたアダルは、多忙な毎日を送っていた。
勤めの内容に、王の性欲処理が追加されたのは秘め事である。
その他にも、カルバス達兵士の慰め役も担っている為、疲弊していた。
今夜もカルバスに呼ばれ、兵士が使っている大部屋に足を運ぶ。
「さあ、アダル様」
「さっさと前をあけて下さいよ」
「……くっ」
複数の兵士に囲まれ、からかわれる。
いつもこうだ。
自慰を強いられる事も多いのだが、今夜はどんな行為を求められるのか想像したくない。
自分のような歳を食ったましてや男の性器など見て、何が面白いのだろうか。
「早くして下さいよ、陛下の秘密をばらしちゃいますよ?」
焦れたカルバスがアダルを急かす。
「わ、わかっている!」
――しかたあるまい……。
躊躇っても、結局する事は一緒なのだから、早く終わらせてしまおう。
ズボンの、用を足すために開ける箇所を広げて、下着から晒した。
流石に萎えているが、ぴくぴく震えていて、わずかに反応しているのが恥ずかしい。
「意外とデカイですよねえ」
まじまじと観察されると居たたまれなくなる。
顔を背けて声を張り上げた。
「もういい、どうにでもしろ!」
「ほう。潔くなりましたね」
「早く終わらせてくれ……」
「いいですよ。じゃあ、さっそく」
兵士の一人が背後にまわり、アダルを羽交い締めにした。
「何をっ」
「そのまま力を抜いてください」
晒されたペニスにカルバスが口を寄せる。
「ま、まて!」
ちろりと覗く赤い舌は一瞬で見えなくなり、口の中いっぱいに含まれてしまった。
舌のねっとりとした感触と熱さに、ゾクゾクと背中が震えて腰を揺らしてしまう。
「はぁあああうっ♡」
舌を突きだして甲高い声を止められない。
羽交い締めにしてくる兵士が、笑いながら耳たぶを噛んで嘗めてくる。
「はひぃいっ、や、やめっ耳ぃっ
♡」
耳の中に直接響く粘着質な音、ペニスを、舌と口の肉壁になぶられる感触――アダルは容赦なく快感においつめられる。
じゅぶっじゅぶぶっじゅぶううっ
「むおおおっ♡ も、もおっやめてくられえっこ、こしがあっとまらんっ」
「お、イくか?」
「ひいんっひいっひいいっ♡」
耳元で話されると余計にゾクゾクする。
――ああっ、こ、こしにいくるううっ♡
ずりゅうううっ
「んあぁあっあぁあっ♡」
さらに強く吸われて、ペニスの先端から頭の天辺まで快感が突き抜けていく。
「あぉおおおっ♡」
ぐぽっ
「ぶはっ」
アダルが射精した時、カルバスが口を離したので、精液が床をめがけて盛大に飛び散る。
びちゃびちゃびしゃあっ♡
「くひぃいいっ♡」
「おうおう、オレたちの部屋を汚したなあ」
「もっと虐めてやらないとなあ?」
「や、やめ」
今度は胸元を剣先で切られ、2つの突起が現になる。
すでに先が尖っており、爪で弾かれたり、つままれたりして、痛いくらいの甘い痺れに視界が霞む。
「……腰がずっと揺れてますよ?」
「そ、んなはずは、ない」
カルバスの意地の悪い言葉に、アダルは反射的に否定するが、じりじりと快楽を与えられ、あそこがうずきっぱなしで腰を動かしているのは認識していた。
――私の淫乱さを思い知らされる。
唇と瞳をきつく閉じると、口笛を吹かれ嗤われた。
「恥ずかしいんですかあ?」
「今さら!?」
――ぐっ……。
また、このまま好きなようになぶられるのか。
そう覚悟をした時だった、大部屋の扉が開かれたのは。
「な、陛下!」
兵士の一人が口にした言葉に、アダルは目を見開く。
「そいつを返せ」
「待って下さいよ、まだ本番が……」
「返せ」
シルヴィオの鋭い目付きに、カルバスは明らかに怯んでいた。
アダルは兵士たちから解放され、シルヴィオに連れていかれる。
寝室に運び込まれ、尻を突き上げる形で寝台の上に乗せられた。
「準備はしてあるな?」
「は、はい」
言われた通り、アダルはいつ肉体を使われてもいいように、性交の準備を整えていた。
――毎夜のようになぶられ、私はすっかり淫乱になってしまったな。
尻孔に極太のペニスを突っ込まれ、がくがくと四肢が揺さぶられる最中、アダルは喘ぎ声をもらしながら己の浅ましさに悲しみを覚える。
――わたし、には、もう、側近の……資格、は……。
「出すぞ! 受けとれ!」
「おぼっ♡」
ドクドクッとシルヴィオの欲望を受け止めて、アダルも絶頂する。
「おうほおおおっ♡」
「汚い喘ぎ声だな」
「ふ、ほお、もおしわけ、ありま……」
ドズンッ
「あぎっ?」
「フンッ!」
ドズッドズッゴリュリュッ!!
「あぁおお~っ♡」
「まだまだ夜は長いぞ?」
「あひゃああああっ♡ お、おゆるしをぉおおっ♡」
シルヴィオの激しい攻めに翻弄され、最後は口づけをされる。
いつもの流れだ。
シルヴィオは無言でアダルを抱き締めて、共に眠る。
――シルヴィオ様。
愛しい陛下の腕の中で、アダルはある決心をした。
翌日の昼頃、月に一度開かれる会議にて、アダルは集まっている神官含む臣下達にある考えを提示した。
内容は――。
「陛下に妃を?」
「はい、私なりにどう償えば良いのか考えました」
「しかし、踊り子になっていたのは操られていたからであろう?」
「アダル殿を操っていた者が、アダル殿に化けていたらしいが、アダル殿自らの手で葬ったと聞いておるが」
シルヴィオがそのように皆に説明をしたのは聞いていたので、動揺はしない。
「操られていたとはいえ、陛下を惑わし、国を混乱に陥れたのは事実。陛下には、心の支えとなる伴侶が必要なのだと強く想うのです」
「と、いうのは?」
「今後また、別の形で陛下を誘惑しようとする輩がでてくるかわからないですし」
「確かに陛下には、そろそろそのような者が必要かも知れませんな」
「どうでしょうか、陛下」
臣下達はシルヴィオの顔色を伺っている。
対してシルヴィオは表情を変えずに、真顔で皆を一瞥すると一言告げた。
「いいだろう。アダル、話があるから残れ」
「はっ」
陛下の言葉に臣下達はほっと胸を撫で下ろす。
アダルは俯いた。
――これで良い。
そう自分に言い聞かせて、拳を握り締めた。
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