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出逢いからの恋
side 未優
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20XX年、世界的に同性同士の婚姻が認められるようになり、日本もその仲間入りをして十分な時間が流れていた。
春の麗らかな日差しの中、短い春休みが終わり久しぶりの友達との再会に、笑顔が溢れる人たちの輪の側で校舎の一画に人だかりが出来ていた。
少し山手にあるその聖高峰学園(せいたかみねがくえん)は小中高とエスカレーター式の学校で、中学からは男子校になる学園である。僕、橘 未優(たちばな みすぐ)はここに小学生の頃から通っていた。
持病の喘息のせいで入退院を繰り返していたから小学生の頃はそれほど通うことは出来なかったけれど、年が10才離れた従兄弟の乾 将希(いぬい しょうき)のお陰で勉強が好きになり、無事に中学生になることが出来た。そして将希くんもこの学園の卒業生で、今ではこの学園で数学教師をしている。僕の心強い味方でもある。
そして、そんな僕も皆んなと同じようにクラス分けが貼り出された掲示板の前に中学からの親友の森末 真紀(もりすえ まき)と立っていた。
そして自分の名前を確認した後、僕はある人物の名前を探した。
「嘘っ、あった…」
「ん?未優、何か言った?」
「っ!なんでもないよ」
ぽつりと出た言葉は、真紀にまで声が届くほど声が出ていたみたいだ。それでも僕の瞳はただ一点、ある1人の人物の名前を見つめていた。
その人物は二重の切れ長の瞳で鼻筋が通っていて男女関係なく人を惹きつけてやまない人で、運動神経抜群、身長は180センチを軽く超え、168センチ少々しかない僕には見えない世界がきっと見えているはずだ。
そして僕の片思いの相手だ。まさか同じクラスにいるなれるなんて、胸は高鳴り頬が火照ってくるのが自分でも分かる程だった。それでも、斜め前にいる真紀が振り返る気配がした僕は短く深呼吸をした。
「未優、何組?」
「あ、4組だよ」
「残念、僕3組だ~。一緒のクラスになりたかったよ~って未優、顔が赤いけど大丈夫?」
「全然大丈夫だよ!」
胸の前で両手を振って否定をした。真紀はこれまでも散々目の前で発作を起こしているせいか僕の顔色や、体調にいつも気を使ってくれている。
心から感謝しても仕切れない。
「じゃあ、それぞれのクラスに行こうか?未優」
「そだね、行こう」
クラスに行けば彼がいる。
うっ、緊張してきた。
どんどん胸が苦しくなってきたかも。
心呼吸しなきゃ
「ふぅ~」
「未優?発作出そう?」
「うん、ちょっとだけね」
「じゃあ、行き先変更。保健室に行こう」
「ごめんね、真紀」
2階の教室に向けての足を1階の保健室に向かって歩き出した。
春の麗らかな日差しの中、短い春休みが終わり久しぶりの友達との再会に、笑顔が溢れる人たちの輪の側で校舎の一画に人だかりが出来ていた。
少し山手にあるその聖高峰学園(せいたかみねがくえん)は小中高とエスカレーター式の学校で、中学からは男子校になる学園である。僕、橘 未優(たちばな みすぐ)はここに小学生の頃から通っていた。
持病の喘息のせいで入退院を繰り返していたから小学生の頃はそれほど通うことは出来なかったけれど、年が10才離れた従兄弟の乾 将希(いぬい しょうき)のお陰で勉強が好きになり、無事に中学生になることが出来た。そして将希くんもこの学園の卒業生で、今ではこの学園で数学教師をしている。僕の心強い味方でもある。
そして、そんな僕も皆んなと同じようにクラス分けが貼り出された掲示板の前に中学からの親友の森末 真紀(もりすえ まき)と立っていた。
そして自分の名前を確認した後、僕はある人物の名前を探した。
「嘘っ、あった…」
「ん?未優、何か言った?」
「っ!なんでもないよ」
ぽつりと出た言葉は、真紀にまで声が届くほど声が出ていたみたいだ。それでも僕の瞳はただ一点、ある1人の人物の名前を見つめていた。
その人物は二重の切れ長の瞳で鼻筋が通っていて男女関係なく人を惹きつけてやまない人で、運動神経抜群、身長は180センチを軽く超え、168センチ少々しかない僕には見えない世界がきっと見えているはずだ。
そして僕の片思いの相手だ。まさか同じクラスにいるなれるなんて、胸は高鳴り頬が火照ってくるのが自分でも分かる程だった。それでも、斜め前にいる真紀が振り返る気配がした僕は短く深呼吸をした。
「未優、何組?」
「あ、4組だよ」
「残念、僕3組だ~。一緒のクラスになりたかったよ~って未優、顔が赤いけど大丈夫?」
「全然大丈夫だよ!」
胸の前で両手を振って否定をした。真紀はこれまでも散々目の前で発作を起こしているせいか僕の顔色や、体調にいつも気を使ってくれている。
心から感謝しても仕切れない。
「じゃあ、それぞれのクラスに行こうか?未優」
「そだね、行こう」
クラスに行けば彼がいる。
うっ、緊張してきた。
どんどん胸が苦しくなってきたかも。
心呼吸しなきゃ
「ふぅ~」
「未優?発作出そう?」
「うん、ちょっとだけね」
「じゃあ、行き先変更。保健室に行こう」
「ごめんね、真紀」
2階の教室に向けての足を1階の保健室に向かって歩き出した。
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