運命の麗しき皇妃たち・皇帝に愛された妃~薔薇のような美貌の皇妃 エーメとジョゼフーヌ~~【フランス皇帝ナポレオンとオスマン帝国の帝の妻】

のの(まゆたん)

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トプカプ宮殿 金の鳥かご(カフェス)

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宮殿の奥深くに足を踏み入れたエーメ
「あら、此処は何処かしら?」呟くようにエーメ(ナクシデイル)が言う。

「おや、どこの娘だい?」年老いた老婆が話しかけた。
「私はあちらの方から来ました」そう言って後宮《ハーレム》の一角を指さすエーメ

しばしの間、エーメが指さした方
老婆は懐かしそうに後宮《ハーレム》の方を見つめるのだった。

「ああ、迷い込んだか
此処は金の鳥かご|《カフェス》だ 
皇帝になれなかった者達が閉じ込められている場所だよ」

「え?」戸惑うエーメに老婆は暗い目をして話し出す。

「昔は皇帝の弟たちなどは 皆、残らず殺されたが
中には命は助かり、でもこうして大抵は‥」
「此処、奥深くに軟禁されていたのさ」

「殺されたのですか?それとも軟禁?」エーメの言葉に
「ああ、生涯さ 気が狂った者達も多かった」と言う老婆

「哀れなものだよ 皇帝は一人だけだから だから残りは‥」老婆

「娘さん 此処には来ない方がいいよ 
さあ、お帰り それに此処は哀れな幽霊が出るよ」

ほんの少し、戸惑い老婆から視線を外して
次に再び老婆の方を見ると 其処には誰もいない‥まるで何かの暗示か幻のように


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