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パリ 上流階級への憧れ・・ジョゼフィーヌとデユバリ―夫人と‥ラ・モット伯爵夫人

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パリの美しい屋敷の一角

「そう、発音はそれでいいわ完璧ね その仕草もそう、作法の通り」
デユ・バリ―夫人は微笑んでジョゼフィーヌを見る。
「感謝致しますわ 私はカリブ海の遠い離れた島育ちですから」
にこやかに微笑してジョゼフィーヌは答えた。

「うふふ、エキゾチックで美貌の完璧な貴婦人が今の貴女よ」
人の良い世話好きな・・
前国王の元公式愛妾デユバリ―夫人は
やや下がり気味の大きな青い瞳を細めてほほ笑んだ。

「では、明日のサロンにはお伺いいたしますわ どうぞ宜しくお願い致します」
ジョゼフィーヌ
「ええ、お待ちしているわ ボアルネ子爵夫人《ジョゼフィーヌの事》
身分の高い貴婦人達にお金持ちの貴公子も沢山お見えになるから 
貴女にとっても良い事だと思うの」デユ・バリ―夫人

デユバリ―夫人の屋敷を出て、ジョゼフィーヌは
「今晩のサロン用に店に頼んでおいた靴と小物を取りにいかないと
それに可愛い私の子供たち オルタンス達のものも‥」

「上流階級の仲間入り・・夫と別れて一人になったけど 新しい世界が待っているわ
二人の子供たちの為にもこれからの事を考えないとね」
ジョゼフィーヌはそんなことを呟きながら
デュバリー夫人が呼んでくれた辻馬車に乗り込もうとしていると・・

「あら、ボアルネ子爵夫人」彼女を呼び止める声
「ラ・モット伯爵夫人」ジョゼフィーヌ

「お久しぶりね 
もしかしてこれからパリのモンマルトルの近くの店に行かれるの?」
「ええ そうですわラ・モット伯爵夫人」

「まあ、奇遇だこと 私もなの よかったら一緒に乗せていただけないかしら
御礼に何かおごるわ」
「ええ、どうぞ ラ・モット伯爵夫人」
「ねえ、もしよかったらですけどね
あの富豪でもある国王と親しかったデユバリ―夫人と何を話していたか興味あるの」
ラ・モット伯爵夫人は下重に話し出す
「え、あの方は‥」ジョゼフィーヌ

ジャンヌ・ド・ラ・モット伯爵夫人 首飾り事件の主犯
彼女もまた、上流階級の仲間入りの為に黒い糸を張り巡らせていたのだった。
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