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トプカプ宮殿 エーメの戸惑い

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エーメは戸惑っていた‥。
自分はトプカプ宮殿に連れて来られた 攫われた奴隷
生き延びる為にも 皇帝の夜伽をして 子供を産む。
金の髪と青い瞳は庭園を眺めながら ふと思うのだった。

例えフランス貴族だろうと
この時代には普通は恋愛結婚は許されない場合も多い

家や財産の為にどんな相手が運命の相手となるか‥

街でのコーランの詠唱が響き渡って その後で
一日、五回のイスラム式礼拝の後での事。
皆で楽しむ庭園での東屋 そこでのちょっとした茶会

「蜂蜜入りの薔薇水を飲む?お菓子のロクムもある それともコーヒーかチャイも」「はい、皇子さま 薔薇水を頂いてもいいですか?ありがとうございます」
優しい青年、異国の若い青年でもある。
エーメの相手はやや年が離れていた そう‥

控え目な性格のエーメには 抗う事などは‥
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