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ジョゼフィーヌ パリの屋敷

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パリ近郊 まだ二十歳前後の若い元ボアルネ子爵夫人  
それがジョゼフィーヌ
彼女は二人の幼い子供を連れて 最初の頃は友達の裕福だが身分の低い貴族の妻
彼女の世話になっていた

「ローズ(ジョゼフィーヌの別名)
あの美しい島では大変お世話になったわ 不自由して大変だったわね 可哀そうに」ジョゼフィーヌより少々、年上の貴婦人は心配そうに労りの言葉を重ねる

「有難うございます 御迷惑をおかけしますわ
子供達もまだ 幼くって、離婚した夫からの養育費が間もなく来ますから
それに島の家族からも‥」微笑むジョゼフィーヌ

「ほほっ、まったく私は余裕があるの 何時か何かの時は‥ね
子供達の為に必要なもの 乳母にお洋服に小物に 手配は任せて
それにパリ社交界の殿方からの恋文も‥新しいドレスに髪飾り、靴も必要ね」

「そうそう、とある後期な貴婦人が貴方に興味があるようね
素敵な話が聞けるかも?」

「え?」ジョゼフィーヌ 
「前の国王様の公認された愛妾‥ふふっ 気さくな方よ」

「それから‥ロアン枢機卿さまにヴァロワ伯爵夫人、ラ・モット伯爵に
今度お会いする予定があるの 一緒にどうかしら?」


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