1 / 1
ベネデクト・・幸運の星という船 少女と少年
しおりを挟む
100年以上前
アフリカ・今のチュジニア近く
暑い南国の海の港の船に
少女の悲鳴それは嘆きの声
「いやぁー!マルコ!マルコ!」
船縁から身を乗り出し
少年の名前を泣き叫びながら呼ぶ
泣きじゃくる少女を神父を
抱きしめ、優しく背中をなぜる
「いつか・・マルコは
我々の元に戻る・・だからアンジェラ嘆くのはおやめ・・」
大きなその船は嘆く少女を
乗せて・・故郷へ
戻る・・
ベネフック(幸運の星)号
救われた者達・・。
海賊達に襲われ、生き延びた幸運な人々
海賊達に金を支払い
故郷に戻れる幸運な人々
戻る事の出来ない人々
海賊に拐われ 売られて
奴隷となった人々
ターバンを巻き少年は
少女を乗せた船を見送る
マルコは黙って・・ただ
その船を見送る・・・。
「イヴァン」何度も呼ばれ
やっと それが自分の名前なのだと思い出す・・
マルコは イヴァンと名前を変えられて この地に残ったのだ・・。
黒い瞳の中年の男が
優しい懐かし気な眼差しで見つめてる
「はい」と答えて 彼を見る。
売られた奴隷としては
運は良かった・・
ガレー船で 鎖に繋がられ
船を漕ぐ必要もなく
農園や石切り場でムチ打たれながら働く事も
最前線で闘う奴隷兵士や
イエネッチエリの軍団に入れられる事もなく
優しい大商人に 亡き息子の身代わりとして 買われたのだから・・
少女を 天使のような
彼女を無事に故郷に返したい・・
非道な者達に傷など
付けられないように
ただ その事を祈ってた・・
商人は彼の望みを叶えた・・・。
そして それは彼女との別れ・・
彼女は故郷への船に乗り
少年は この暑い砂漠の地上に残された・・。
祈りの言葉を心の中で
つむぐ・・
少女の幸せ・・
そして叶うなら 再び出会う事を・・
FIN
アフリカ・今のチュジニア近く
暑い南国の海の港の船に
少女の悲鳴それは嘆きの声
「いやぁー!マルコ!マルコ!」
船縁から身を乗り出し
少年の名前を泣き叫びながら呼ぶ
泣きじゃくる少女を神父を
抱きしめ、優しく背中をなぜる
「いつか・・マルコは
我々の元に戻る・・だからアンジェラ嘆くのはおやめ・・」
大きなその船は嘆く少女を
乗せて・・故郷へ
戻る・・
ベネフック(幸運の星)号
救われた者達・・。
海賊達に襲われ、生き延びた幸運な人々
海賊達に金を支払い
故郷に戻れる幸運な人々
戻る事の出来ない人々
海賊に拐われ 売られて
奴隷となった人々
ターバンを巻き少年は
少女を乗せた船を見送る
マルコは黙って・・ただ
その船を見送る・・・。
「イヴァン」何度も呼ばれ
やっと それが自分の名前なのだと思い出す・・
マルコは イヴァンと名前を変えられて この地に残ったのだ・・。
黒い瞳の中年の男が
優しい懐かし気な眼差しで見つめてる
「はい」と答えて 彼を見る。
売られた奴隷としては
運は良かった・・
ガレー船で 鎖に繋がられ
船を漕ぐ必要もなく
農園や石切り場でムチ打たれながら働く事も
最前線で闘う奴隷兵士や
イエネッチエリの軍団に入れられる事もなく
優しい大商人に 亡き息子の身代わりとして 買われたのだから・・
少女を 天使のような
彼女を無事に故郷に返したい・・
非道な者達に傷など
付けられないように
ただ その事を祈ってた・・
商人は彼の望みを叶えた・・・。
そして それは彼女との別れ・・
彼女は故郷への船に乗り
少年は この暑い砂漠の地上に残された・・。
祈りの言葉を心の中で
つむぐ・・
少女の幸せ・・
そして叶うなら 再び出会う事を・・
FIN
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
返歌 ~酒井抱一(さかいほういつ)、その光芒~
四谷軒
歴史・時代
【あらすじ】
江戸後期。姫路藩藩主の叔父、酒井抱一(さかいほういつ)は画に熱中していた。
憧れの尾形光琳(おがたこうりん)の風神雷神図屏風を目指し、それを越える画を描くために。
そこへ訪れた姫路藩重役・河合寸翁(かわいすんおう)は、抱一に、風神雷神図屏風が一橋家にあると告げた。
その屏風は、無感動な一橋家当主、徳川斉礼(とくがわなりのり)により、厄除け、魔除けとしてぞんざいに置かれている――と。
そして寸翁は、ある目論見のために、斉礼を感動させる画を描いて欲しいと抱一に依頼する。
抱一は、名画をぞんざいに扱う無感動な男を、感動させられるのか。
のちに江戸琳派の祖として名をはせる絵師――酒井抱一、その筆が走る!
【表紙画像】
「ぐったりにゃんこのホームページ」様より
彩~いろどり~
すーたん
歴史・時代
これは歴史に残ることのなかった将軍家の姫と農民の少年との物語。
農民の少年。一彦(いちひこ)は幼い頃から体が弱く力仕事が出来なかった。母親と妹の二人で農作業をし、一彦は家事などしか出来なくて、貧しい暮らしをしていた。医者に診てもらう金もなく一彦の体はどんどん弱くなっていく。
将軍家の姫。一宮椿(いちみやつばき)は幼い頃に母を亡くし、父 春彦(はるひこ)に大事に育てられた。母を亡くしてすぐに剣を握り武力を鍛えいつしか軍の中で一番強い剣士となる。
金鰲幻想譚
鶏林書笈
歴史・時代
韓国版「剪灯新話(〝牡丹燈籠〟が収録されている中国の古典怪談物語集)」と言われている韓国(朝鮮)の古典物語「金鰲新話」をアレンジしました。幽霊と人間が繰り広げるラブストーリー集です。
つわもの -長連龍-
夢酔藤山
歴史・時代
能登の戦国時代は遅くに訪れた。守護大名・畠山氏が最後まで踏み止まり、戦国大名を生まぬ独特の風土が、遅まきの戦乱に晒された。古くから能登に根を張る長一族にとって、この戦乱は幸でもあり不幸でもあった。
裏切り、また裏切り。
大国である越後上杉謙信が迫る。長続連は織田信長の可能性に早くから着目していた。出家させていた次男・孝恩寺宗顒に、急ぎ信長へ救援を求めるよう諭す。
それが、修羅となる孝恩寺宗顒の第一歩だった。
流浪の太刀
石崎楢
歴史・時代
戦国、安土桃山時代を主君を変えながら生き残った一人の侍、高師直の末裔を自称する高師影。高屋又兵衛と名を変えて晩年、油問屋の御隠居となり孫たちに昔話を語る毎日。その口から語られる戦国の世の物語です。
紅花の煙
戸沢一平
歴史・時代
江戸期、紅花の商いで大儲けした、実在の紅花商人の豪快な逸話を元にした物語である。
出羽尾花沢で「島田屋」の看板を掲げて紅花商をしている鈴木七右衛門は、地元で紅花を仕入れて江戸や京で売り利益を得ていた。七右衛門には心を寄せる女がいた。吉原の遊女で、高尾太夫を襲名したたかである。
花を仕入れて江戸に来た七右衛門は、競を行ったが問屋は一人も来なかった。
七右衛門が吉原で遊ぶことを快く思わない問屋達が嫌がらせをして、示し合わせて行かなかったのだ。
事情を知った七右衛門は怒り、持って来た紅花を品川の海岸で燃やすと宣言する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる