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イスラム勢の船への襲撃

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ドオオーンン、ドゴオオンン 
美しい南の海で大砲の音が撃つ鳴らせれていたのだった

海賊たち あるいはイスラムの商船への攻撃 
それはマルタ島を本拠地とした騎士団の大きな任務となっていた
以前、昔のロドス島での出来事の同様に

船ごと体当たりしてイスラムの船に乗り込む 
他にも小舟が大砲で一部が吹き飛んだ船 その横の大き穴から突入する

「撃て」命令と共に撃ち込まれる大砲に接近戦
敵の船に乗り込んでの火縄銃、剣や斧での応戦に剣がかち合う音に 
鈍い銃声の音と再びの叫び声 
甲板は血で染まり、命を奪われて、死体となった者達が

「ぎやああ」「うわああ」悲鳴と銃の音が響き轟く

半円剣を持った武装した敵兵の身体が貫かれた弾丸で血飛沫を上げて崩れ落ちた
束の間の沈黙 
騎士団の者達の会話 海戦にあたる騎士にはイタリア系が多い
「他の敵兵は‥」「いません」
数か国語を母国語のように使う ヴァレッタ隊長が居合わせて 指示を与えている
「おや、死んだ者にあの時の‥」
「ええ、こやつはプレイザの海戦の時に敵として戦った者 
騎士団を始め連合軍に大きな損害に‥捕虜に惨殺行為をを与えてくれました」

「あの時の海戦では手痛いものだったが‥」
「海戦の時にはリラダン総長はとても激しくお怒りだった 
この報告を聞けば喜ばれるだろう」
ヴァレッタ隊長は口元に軽く笑みを浮かべての一言

「今はリラダン総長は?」イタリアの騎士が問いかけた
「徴兵募集と寄付金の軍資金集めだ 丁度、スペイン、カステイリア辺りか」
その問いかけにヴァレッタ隊長は答える。

やがては次の海戦 

今、この船では
ガレー船の責務から奴隷 あるいは奴隷市場で売られる為に攫われた者達
解放されて歓声を上げる者、突然の事に唖然としている者達
囚われた者達にはガタガタと震える船のコックなどの者達も
時には金持ちの商人達もいるが‥

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