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マルタ島 シオンとリラダン総長

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マルタ島  リラダン総長の部屋で何故かまったり寛いでいた 
吟遊詩人の少年あるいは綺麗な姿の魔物のシオン

近くの窓辺から黒い蝶がやって来て、シオンの楽器、リュートに
次に時々、被っているふんわりとしたマフのような帽子
次にシオンが上げた指先に留まったのだった。
「そうなのヴィクトリアン 頑張ったね 有難う‥それから?」
独り言のように呟くシオン

「……」お茶を飲みながらシオンの様子を見ているリラダン総長

「グランドマスター リラダン総長様 ご命令通りですね‥くすくすっ」
黒い蝶はシオンの手の上でゆっくりと消え去る
「助かった 悪かったな」「いえ、可能な範囲でしたから この手の仕事もね」
リラダン総長の言葉に答えて、微笑しながらもそう返したシオン

「ところで‥」微笑みながらシオン 「何だ?」リラダン総長 グランドマスター
「お判りでしょう?」シオン

「・・・・このワインは故郷からの贈り物だ この焼き菓子も南欧の蜂蜜 
生憎、私の物だ!!」
きっぱりと言い放つリラダン総長 グランドマスターであった。

「・・・・」すねた子供のような顔をするシオン 本当に悲しそう

「代わりにこれをやろう それに金貨」
渡されたのはベリーを使った小さな焼き菓子にカリソン
「わあ カリソン! アーモンドペーストのお菓子 オレンジピールも」
無邪気な子供のような笑顔 数百歳の魔物シオン

「まったく」やれやれという表情のリラダン総長

「美味しい」本当に満足そうなシオン「良かったな 後で曲でも聞かせてくれ」
「はあい」明るい朗らかなシオンの一言

「あ、御礼に葡萄の葉で包んだスパイスが聞いたプラフなどいかがですか?」
「本当は暖かい方が美味しいですけどね」
シオンが差し出したのは‥
どう見てもアラブ、イスラムの食材 しかし、本当に美味しそうであった
「これは?」リラダン総長「御礼に頂きまして」シオン

「そういえば海賊でもあるウルグアリの船らしきものが 毎回逃げ王せているが?」
「え、そうなんですか?じゃあ、流行りの恋歌でも」リュートをつま弾きつつも
リラダン総長の問いかけには、しっかりと空とぼけるシオンだった。




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