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再びトプカプ宮殿で

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トプカプ宮殿、緑と花々がある中庭で噴水が水音を 小さな音を立て
そこでは小さなサンクチュアリのように緑の中で可愛い小鳥たちが可愛いさえずりを聞かせていた。

幾何学模様の美しいモザイクに 丸いドームの屋根 シンメトリーの建物の中、中庭に解放された屋根付きの長い廊下を歩み行く

「うふふっ、間もなく絶食月《ラマダン》ラマダンね」
それはヴェールを被った美しい姫 まだ若い姫君
「はい、そうですね」傍にいたヴェネチア人の大使が微笑む
姫の瞳、トルコ系だが瞳は淡い青みを帯びたモスグリーン 淡い色合いの髪
それは綺麗な花々が咲いていた 
薔薇にジャスミン 甘い花の香りが鼻孔をくすぐっている

護衛兵士として見守るイエニッチエリの青年、いやまだ少年が恋する視線を投げかける。その恋が己自身の悲劇へ導くとは知らないままに・・

当然ながらイスラム教徒の彼らの住む豪奢な宮殿は
西洋諸国ならある石造などはない、偶像崇拝を排除されているから
だが、此処は
過去の時代、東西に分裂した東ローマ帝国と呼ばれる巨大な帝国の都
カトリックと並び立つ 
やや、語弊はあるがギリシャ正教会の総本部だったのだ

大聖堂アヤ・ソフイアだった場所には
征服される前のマリア像のモザイク等がなどは存在したのだ
この時代にはモスクとして改修されていた

オスマン帝国の始祖達が‥まだアナトリア(小アジア)にいた頃は
トルコ系(テユルク系)遊牧民族
部族の一部が西へと移動、イスラム教(スンニ派) 

やがてはオスマン家、オスマン帝国がモンゴル帝国など勢力の嵐にも耐え抜き
東ローマ帝国を滅ぼして、ペルシャに
更には東欧にギリシャなどの諸国、小アジア 古代の地
エジプト、シリアなどの北アフリカを含んだ巨大な帝国の盟主、覇者となる

帝国内は東西の様々な人種が集う イスラム側のトルコ語、アラブ御、ペルシャ語だけでなく、他民族国家らしく 他のギリシャ語に欧州の言葉さえ‥混血も繰り返されていた また支配地だけでなく、欧州の商人、友好国からの客人もいる 
例えばヴェネチア人、フランス人  
少なくともシズヤという税金を払えば宗教の自由がある

改宗した元奴隷、時に異国からの追放者
身分に関わらず高い位に登用されるチャンスなども多かった


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