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サラに襲われて

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「い、いや 優しくして お願い乱暴にしないで それに僕、干物になりそう…」
シオンが苦しそうに話す
「ら・・乱暴に噛んじゃいやだってば!」涙目であるシオン
がぶっ!遠慮なく噛みつくサラである ずずずっ…大量の血を吸われるシオン

仲間のサラに噛まれた傷口も大変、痛そうであった 大きな傷口 
血が噴き出している

窮地の仲間で魔物のサラを助けたものの、恩を大仇で返されて、ああ、可哀そう
サラに襲われて干物になりそう
指先がサラサラと音を立て灰となっている‥身体も少し透けているシオン

当然ながら、驚きのあまり、蒼白になった甲板の人質の皆様に
騎士団の者達は唖然と絶句して見てるだけであった。

「ああ‥美味しかった うん、シオンちゃんの血美味しいわ」非道なサラの一言
それに本当に幸せそう ご満悦 

ようやく解放されたシオンの方は

はあ、はあと息を吐くシオンの方は
数か所、肩に首近くに大きな穴があいて血がドクドクと噴き出す 
それは悲惨な有様であった。
「あら、シオンちゃん大変、指先がちょっと灰になってるわ なんて可哀そう」
サラの一言

「…・」「どうしたのシオンちゃん?」
「シャラ・・じゃないサラ、怪我は?」怪我の痛みに苦しい息を吐きながらシオン

「うん、大丈夫 倒れた時ちょっと擦りむいたの」そう言いながら見せた指先には
ほんの少しのかすり傷
何故か近くにいたマーニヤが震えながら、そっと自分のハンカチをサラの指先に巻く

それから、何故かマーニヤは盛大に吸ったシオンの血、サラの口元を他のハンカチで拭いているのだった。
「まあ、有難うマーニヤ」震えながらサラの言葉に頷くサラである。

「シオンちゃん、干物にならなくてよかった うふふ」
「……」無邪気なサラの言葉に黙っているシオン、涙が浮かんでいた。

「あ、ご馳走してくれそうな人がいる船を発見 行こうねシオンちゃん」

「抱えてあげるね 男の子だから頑張って うふふ」サラ
歩み行く二人の姿が薄くなって消え去った。

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