異界にて・・

のの(まゆたん)

文字の大きさ
上 下
4 / 35
新たな出会いと救出劇・・

新たな出会いと救出劇・・二人の魔法の王と分身たち

しおりを挟む
「アリサちゃんを受け取る医療チームに
僕の友達がいて・・知らせて来た

アリサちゃんの子宮の片方を取り出して 永遠に卵子を取り・・

アシャルさんから 採取した細胞に手を加えて 精子の代わりの物を創り
一つは人口子宮で・・一つはアリサちゃんを妊娠させる・・
奇形の可能性のDNAを除去して・・」

「アシャルさんのクローン体も既に作られてる 三体だ・・
予定生体兵器として既に登録してる・・・。
多分 脳に手を加える・・感情を削り 命令に従う装置を埋め込む」

「三年後にアリサちゃんを解剖する予定だ・・・。」

「・・・・連邦のベープルの仕業だな 
ひとまず 砂漠の人工オアシスに逃げるか・・」

・・・子供以外の家族にアリサもいて・・皆 蒼白になってる・・。

「・・・ファリ・・時間稼ぎに私と副長は警察署に行く・・でないと
犯罪者を庇い 逃亡を助けた罪で 皆が囚われる・・。」

「・・・・アリサちゃんはファリ達と逃げなさい
私たちは牢獄に繋がれる程度で済むが・・彼らは君を実験用動物扱いだ・・
すぐに子宮も取られる・・脳も弄られかねない・・。」

「・・いや・・駄目だ 親父殿・・牢獄の中で毒殺か謀殺される可能性が高い
仮の首相のザラムはそれぐらいやりかねん・・。
・・俺たちの部族の者・・全て危ない・・皆に知らせ 各自逃げるようにしないと」

「・・今 暗号メールを送信したよ・・あ、もう返事が・・皆 了解したって
持ち歩き用PCもあるし 
 各地を経由してやり取りする事も連絡した・・場所を特定されないように
いざと言う時に落ちあう場所は・・いつもの場所だね・・。」

「首相も牢獄から助けよう・・彼も危険だ・・。」

「家族もだ ファリ・・」

「そうだな 親父殿」

「家族も見張りがワンサカいるな・・牢獄からどうやって助けるか・・」

「あの・・私がお手伝いします!! 魔法で飛びます」アリサ

「しかし 君が捕まったら大変な事になるよアリサちゃん」 レーヴ

「そうだアリサちゃん・・」ファリと長


「・・いえ 危険は承知です・・でも魔法で飛び方が楽に逃げられます
・・近距離でも 数度繰り返せば 遠くまで飛べますから」

「お爺ちゃん お父さん 僕らもお手伝いするよ」

「レム・・・お前たち」

「うふっ」 


「・・・わかった 確かに一度使えば 次に使う時に その事を考慮に入れられる
二班に分かれて 救出しよう」 

「一番小さい二人は リリーシュ達と行動しろ
・・・リリーシュ母さん達を護ってくれ」

「レムとレーヴの長男だけでいいから・・」


「リリーシュとナギ達は 先に荷物を持って逃げろ
もうすぐ 副長とその家族たちも来るから 一緒に・・」

「ああ 追跡装置も忘れずに持っていってくれ
魔法の王達が来た時に 彼らがこのパルスの信号を追うか・・魔法で知るだろう・・。」

「俺たちがいた部族の村近くの人工オアシス・・
ますは そこに・・俺たちが首相と家族を助け合流したら
別の人工オアシスに移動する・・・洞窟のあるあの人工オアシスがいいだろうな」

「わかった ファリ」
「わかったわ ファリ兄ちゃん!」

それから 作戦は開始された・・。

アリサとファリとレーヴは首相を助けに行き
長と子供たちは家族を助けに向かった

・・無事に作戦は両方とも成功して
洞窟のある 人工オアシスでしばらく住む事にした

ファリ達が洞窟を住みやすく改造してる最中
アリサがそっと 洞窟を出て 夜の砂漠を眺めてた・・。

「・・アリサちゃん・・」ファリとレーヴが心配してやって来た

「・・・ファリさんレーヴさん・・私たちの為に大変なご迷惑をかけて
御免なさい・・高い地位にお仕事・・住む場所も・・・部族の方達も・・」

「なんて 謝っていいのか・・。」涙ぐむアリサ

「そんな事ないよアリサちゃん
アシャルさんはこの世界を救ってくれたのに

・・ギリギリの間際に 自分一人なら逃れられるのに
僕らや600人もの兵士達まで助けてくれた

礼とお詫びを言わなければいけないのは僕らの方だよ!」

「その通りだ・・アシャルは言った
・・アリサちゃんが大事で 俺たちに護ってくれと・・
それだけが望みだと・・・」

「・・・私・・最初にこの砂漠に落ちてきて・・
前世の事以外は何も覚えてなくって・・・化け物から兄ちゃんが助けてくれて
・・・一緒に人工オアシスで一夜を過ごしたんです・・・」

「食事にお菓子に・・毛布や敷布団も魔法で出してくれて・・焚火も・・
・・・・ずごく優しかった・・ファリさんの家で出した魔法の御菓子・・美味しかった」

「・・・兄ちゃん!」泣き出したアリサをファリ達が抱きしめる

やがて泣き疲れ 眠ってしまったアリサをファリが抱えて
寝床に寝かせる・・・。

「ファリ」

「首相」

「役に立てずにすまない・・・それに牢獄からも家族たちも
救ってくれて感謝してる有難う」

「いえ・・こちらこそ ご迷惑をおかけしました
・・・・必ず 状況を打破して また元の地位に復帰して頂きます」

「ファリは幾度も奇跡を呼んだ・・
そして時に自らの力でそれを成した事も数知れない

天空船に最初に遭遇したのも・・その後の混乱も戦いも全て君たちがいなければ
成しえなかった・・・」

「そして再び 奇跡を起こした・・。
あの異界の天空人・・・彼らに出会ったのも君らだ・・。」

「彼アシャル君・・アーシュ殿が 
あの忌まわしい傭兵崩れの数千もの軍団を一人で倒して 更に化け物達を倒し 
亀裂を塞ぎ
君らだけでなく 六〇〇人もの兵士を救ってくれた・・・」

「彼の事が心配だ・・それに生体兵器として創られたクローンも
クローンとはいえ 人間だ・・・なのに・・・」

「・・・首相・・・」

「・・・・今はどうする事も出来ない また明日話し合おう
なんとか 味方になってそうな軍の上層部が残っていればいいが・・・」

「・・・お休みファリ・・。」

・・・・朝・・話し合いが始まり PCの暗号メールも使い
全ての者達と協議する・・・。

軍の上層部は味方になりそうな者達に協力を仰ぎ

あの戦いの時の六〇〇人の兵士達が仲間に加わり 

一週間後 首相官邸と連邦の本部を襲う事が決まった・・。 


作戦開始の二日前の事だった・・。

・・・朝・・子供たちが突然 逃げようと騒ぎだした
・・・・それから数分後 突然 子供たちはアリサも含め 突然倒れた
慌てるファリ達・・5分後・・・

「動くな!!」 敵の兵達に取り囲まれるファリ達・・・

「・・・はい、首相・・反乱者達の指導者どもは 家族も含め捕らえました
・・・残りの部族の者達にも 他の者達が逮捕の為に向かってます・・。
例の異界の娘も捕まえてます・・・では・・・」

携帯を終え 男がファリの顔を掴む・・・
「・・・英雄の最後だな・・哀れなものだ・・逆らうなよ 子供らが可愛いだろう」

「・・レーヴ・・博士には一生監視付きで植物研究所で寝泊りをして
暮らしてもらう・・可愛い奥方も子供たちも同じくだ・・祖母も一緒だ」

「少なくとも生きられる・・・他の者達とは此処でお別れだ。」

「ファリの子には魔法の力がある・・与えられた事も分かってるぞ
・・・生まれる子も同様だ・・・・実験体に決まったぞ・・。」

「ある程度成長して遺伝子を確保したのち 切り刻まれる・・。」

「美しい奥方は子を産んだ後で・・兵士達の世話をしてもらう・・夜の世話だ
兵士達はさぞや喜ぶだろう」

「ファリを始め部族の者達は囚われる・・
若い女と子供たちは全て 未開の惑星に追放される
・・・名目は追放だが 奴隷にされる・・。」

「・・・一族は博士の子らを除き絶える事になる」

真っ青になるナギとファリ・・レーヴ達も他の者達も蒼白になる

「それに我らには切り札がある・・くくっ
何故 居場所がわかり 能力者が倒れたかわかるだろう・・見るがいい!!」

三人の7,8歳の子供達・・黒髪で肩少し上あたりで切り添えられてる
瞳は片方が赤い宝石 片方が黄金色・・・額の左上あたりに鉄の装置が付いてる

・・・長い耳・・その顔はアシャル・・アーシュそのまま・・。
皆 無表情で人形の様に立ってる

「・・・黒い翼もあるぞ・・装置と手術で感情を取り除き 主が命じるまま動く」

・・アリサも子供たちも目を覚ます・・すぐに状況を把握する・・
レムは事態を知り 真っ青になる・・。

・・・声が心の中に直接聞こえた・・子供たちとアリサとナギに・・

「・・・2人は奴らの人形だけど・・僕は違う・・
僕を手術したのは レーヴの友達・・・」

「彼は泣きながら 僕らの入った装置を見ながら言ったよ・・
三人のうち二人は助けられないけど・・一人は助ける・・手術したふりをするって」

「・・残り二人は 別の人がそれぞれ手術する事になってるから 
どうする事も出来ないと・・」

「・・・僕ら三人は装置から出される三日前から心が生まれた・・
オリジナルの記憶も少しあった
三人とも双子の兄弟のような気持だった・・・」

「僕らは約束した
助かる一人は必ず 君らを助け 残り二人・・・道具になった二人を・・・」

「・・・・・少しだけ手を貸す・・今は皆全てを助けられない・・。
ナギはお腹の子が魔法の力を貸すから 出産するまで魔法が少し使える・・・。」

「一時的にオリジナルの封印した魔法の力を解放する・・。」

「・・更に魔力を上げ Aクラスから特Aクラス前後まで一時的だけど 上げる」

「奴らの車の一つを爆発させるから 炎の魔法や氷の攻撃魔法で
二人や兵士達を攻撃して すぐに逃げて・・・
他の部族の人たちにこの状況を知らせてね・・。」

「反乱計画や軍の関係者はまだ知られてないけど 時間の問題・・
押収したPCですぐに知る そちらも知らせて・・」

「ああ、手を抜いて 僕にも攻撃魔法を一つ頼むよ・・。」

「僕は 真ん中に立ってる・・」

・・・口元だけ にっと笑う・・・。

次の瞬間 車が爆発した!!

次にナギが一番に始めた! ナギが叫ぶ 
「炎の柱!!」 兵士達が炎に包まれる 悲鳴が上がる

ファリ達は驚き、ナギを見る

にこりと笑うナギ

「・・そうか・・お腹の子の力・・。」レーヴが呟く

ナギがすぐそばにいた祖母のアリアとリリーシュの手を握る
「逃げるから!!」 フツと三人の姿が消える

「な・・魔法を・・」

次に子供たちやアリサが始めた

クローン達に 攻撃魔法!
「風の矢!」 「炎の大蛇!!」 「氷の槍!!」 「風のかまいたち!!」

繰り出される攻撃魔法を魔法の盾で防ぐ クローン達・・。

幾つかが交わしきれずに 当たり 二人が軽い火傷や傷を負う
真ん中の一人は 少しだけ火傷・・。

「・・逃げるよアリサ姉ちゃん!!」 「うん!!」

「叔母さんたちも子供たちも僕らの手を握って!!逃げる!!」

・・二人のクローンが同時に動き アリサを引き戻し捕まえる!!

・・真ん中の一人は黙ったまま じっとしてる

「御姉ちゃん!!!」  「いいから逃げてええ!!」 「わかった!!」

子供たちと他の家族たちは残らずに逃げた・・

戻って来た二人のクローンに真ん中の一人が癒しの呪文をかけて
傷を癒す・・。


「・・・・まさか 子供たち全員魔法が使えるとは・・それにあの女も・・
捕まえたら 皆 実験体になる・・・・ふふっ・・・」

「・・博士 残念だったな・・これで全ての血は絶える・・・。」

「・・・まあ 博士の奥方は若い・・また作ればいい」

「・・アリサちゃん・・」

「・・・・ファリさん・・」そおと気がつかれぬように
ファリのズボンのポッケに赤い水晶の欠片を押し込む

「・・これは?」 小声で聞くファリ

「・・これは 魔法の道具の様な物・・兄ちゃんが言ってくれました

三人の犠牲で生まれた物です・・
違う世界のアーシュ様と妹のテイ様の命と血と魔力を奪い吸い取り
・・・アシャル兄ちゃんの血を吸収して生まれた魔法の結晶です・・。」

「違う世界のアーシュ様を八年この水晶は貫き続けました・・。
そのアーシュを助ける為にテイ様は 身代わりの呪文を唱え 水晶に貫かれました」

「アシャル兄ちゃんの方は呪われた神との戦いの時に
両眼を潰された時の血を吸い取りました・・。」

「だから・・私の場合は力を強化して 
魔法資質のない者は これを使うと 少しだけ魔法が使えます・・。
・・役立てください・・。」

「それから 今 車を爆破して ナギさんが魔法を使える事を教えてくれたのは
真ん中のクローンの子です・・・」

「・・・三人は それぞれ別の医師が出術しました・・」

「医師の一人はレーヴさんのお友達・・わざと手術したふりをしてしなかった・・。
三日前から三人とも心が生まれたそうです・・アシャル兄ちゃんの記憶も少し・・。」

「・・・・二人は可哀そうに・・。」

「・・・ええ・・・」

「・・・・彼の指示で、それぞれ子ども達やナギさんは 
部族の方達に事態を知らせ逃げるように言われました・・。」

「それから 一時的にオリジナル・・アシャル兄ちゃんの封印を解くと・・
更に一時的に魔力も増大させました
だから炎や水に風の攻撃魔法を子供たちが使えたんです・・。」

「・・・・少しオリジナルの記憶があるとはいえ、大した判断力だ・・。」

「お前たち行くぞ!!」 「きゃあ!!」 「アリサちゃん!!」

それぞれ車で連れ去られる・・アリサは研究所へ レーヴは仕事場である植物研究所・・
長と副長と首相とファリは牢獄へ・・


「くうう・・いてて・・」ファリ

「大丈夫かファリ・・・」長

「ん・・なんとか・・・お互い痣だらけだな
・・・いきなり拷問とは・・しかも手加減が無い
・・親父殿は大丈夫か?」

「・・・・右足の感覚が無い・・しかも動かん・・・先ほどまでは激痛だったが
ファリの方は?」

「左腕がおかしい・・かなり痛む・・吐き気も少々・・・。」

「首相と副長は大丈夫か?」

「我々は厳しい尋問だけでした・・今の処・・。」

「多分 拷問を俺たちに続けて それで殺す気だな・・
それから・・副長たちだ・・・。」

「夜中だというのに 部族達の者は一人も来ない・・
俺たちに味方した軍の関係者たちも・・
無事に逃げたようだ・・・。」

「ついでに奴らは 水も食べ物もくれないが・・」

「・・・さて 親父殿 
まずは先程 話した可愛いアリサちゃんがくれた赤い水晶を使うとするか・・
・・・上手く癒せたら これを使って皆で とりあえず逃げるぞ

・・ああ ついでに取り上げられたレーザー剣や銃もこれで取り返しておこう」

「・・・逃げる前に魔法で水と少しでいい食べ物を頼むファリ」

「・・了解!!」

赤い水晶の欠片を手にしたファリは
そのまま 父の身体の右足にあてる

ポウッと淡く金色に光る

「・・・おおっ!! 足が癒えた!!
痛みもなく 自在に動く・・・すまんファリ」

「腰も頼む・・少し年齢を重ね 腰痛が少し・・」

「・・はいはい親父殿」(汗)
口元を一瞬歪めた後で 腰にあてる

「おお!!よく効く!」

「・・じゃあ 痣の方だ・・良かったな親父殿」

「ああ!!アリサちゃんに礼を言わないとな!!」

「そうだな・・」

長を治癒した後で 自分の治癒を終え
パン数個とスープと果実を少々に水を出して 皆 それを食べる
もちろん 武器も取り返す・・使い終わった皿やカップの類は魔法で消す

「はあ~生き返った 有難うございます」 副長

「上手かった 有難うファリ」 首相

「うん・・うまい」 長

「では食事も済んだし そろそろ行こうか」

赤い水晶の欠片で 扉を開けようとした瞬間だった

ドオオーン!! ドカン!! 幾度か大きな爆発音
更には 多数の断末魔の悲鳴・・。

「・・部族の者達か? 助けに来たのか?
それとも味方の兵士達か?」

ドアが吹っ飛ぶ

そして現れたのは 美しい二人の女性・・
・・二人は地球の古代ローマかギリシャ時代を少しアレンジした感じの衣装を纏ってる

一人は長い流れるような黒髪・・
耳元あたりで 耳下少し長めに横を両方少し切り添えてる
長い耳にピアスや耳飾り・・・大きく少し吊りった瞳は青・・
耳の形状は間違いなくアーシュ・・アシャルと同じ物

もう一人はウエーブのかかった長い黄金の髪に 耳は少し猫に似てる・・
瞳はオッドアイ・・・天空の青と琥珀の瞳・・
彼女の方は片方の腕に美しい文様と宝石入りの腕輪をしてる

二人はとても綺麗だった

「・・・・アシャルと同じ魔法の王か? 片方は白の者・・もう一人は黒の者だ・・。
黒はアシャル・・アーシュと同じ人種・・。」

「彼は先に二人来ると言った・・」

「後で他の魔法の王も来ると・・・どちらが水の女王?」

「私が水の女王よ・・アル・・アルテイシア」

「アシャル・・アーシュ様は私の主・・・我らリュース家が使え護りし
最後の黒の王・・私はあの方の友人白の宗主リアン様の妻の一人・・。」

「僕はエイル・・エルトニア・・白の王族でアーシュとは幼馴染で
結婚して最初の妻になった・・と言っても 違う世界の方のアーシュの妻!!

君たちが知ってるアーシュの方じゃないよ!うふ」

「ごめんね・・・かなり遅くなったね・・反対側の大陸に落ちて
二人とも大怪我して・・しばらく身動きが取れなかったの・・・
一時拘束されて大騒ぎになって 逃げるのに手間とってしまったの・・」

「ああ・・未開の辺境の国で 電話もない場所だから・・
まだ・・悪い奴らは知らないはずだよ・・」 

「アーシュ様は 他に誰が来ると言ったの?ファリ?」

「心が視えるのか・・アシャルと同じだな・・」

「暗黒の力の持ち主が二人に 違う世界のアーシュ・・片眼の黄金の王・・。」

「・・・・片眼の黄金の王? 父王のアージェント様? 
いいえ違う!どちらの彼らは決して来ない
・・とすると先読みの子フィンね・・・違う世界かこちら側かは分からないけど・・」

「・・・・道案内のフィンに二人の暗黒の王と女王・・それにアーシュ様
彼らなら 3,4日で来れるのに・・少し遅いわ・・」

「・・・・この時空のゆがみは酷いから 手間取ってるのね・・」

「・・・!!アリサちゃんにアーシュ様・・それにクローン・・
なんて事・・・追跡装置は2つとも此処にあるのに・・」

「・・すいません それとは知らずに 取り出してしまったです
・・戻すつもりでしたが 生憎 埋め込む際に何か措置が必要らしく 

それをしないと信号・・パルスが発信出来ない・・。」

「そうなの・・わかったわ まず近い場所のレーヴさんを助けて
研究所のアリサちゃんと味方のクローンの子をを助けるわ・・」

「私のアーシュ様の行方は内通者を探し出すか 気配を捜す・・。」

「・・・どうする・・ついて来る? 仲間たちの処に魔法で飛ばすのも簡単よ」

「俺は行きます!! 親父殿は?」

「私も行こう・・副長と首相は危険だから 送って頂きたい・・
異界の麗しき女神よ・・・。」

「・・あら・・長たら・・くすくす・・はいはい了解よ・・」

「ます御二人・・飛ばすわよ・・」

「あ・・はい・・」

スッと二人の姿が消える・・


そして 僅かの時間でレーヴを助け出す・・レーヴも共に行くという

「・・・・ふう・・次はアリサちゃんと一人のクローンね・・
すぐに見分けがつくといいけど・・・」

「・・・・アーシュ様は最終世代・・本来なら一番強い火焔の王であり黄金の竜の王・・
クローン二人にどこまで私が対抗できるか・・私には火の属性がない・・・・。」

「・・最大の黄金と火焔の力にどこまで対抗できるか・・わからないわ
いざとなれば 私は盾になるから 

違う世界のエイル・・三人とアリサちゃんとクローンの子をお願いね・・・」

「そんな アル・・。」

「えっ?・・そう言えば アシャルさん 黒の炎の魔法も使ってたよ?
あれも火の属性?・・・待てよ・・

あの時 魔法の呪文の言葉に暗黒の王と女王の名を借り受けるとも言ってた・・。」

「なっ!!なんですって!! それは本当なのレーヴ?」
蒼白になるエイルとアルテイシア・・・二人とも震えだす

「・・・どうしたんですか?女神アルテイシア様?」 心配そうに長が尋ねる

「・・魔法の王を超える絶大な暗黒の力は 三人しか持ち合わせてないの!!
・・・・違う世界の暗黒の女王アシャアシャと私たちが育てた暗黒の王アラシャ・・」

「そして アラシャの叔母になる・・
五歳で死んで今は眠ってる私たち側の暗黒の女王アシャのみ・・」

「・・・・多分 アーシュ様はアラシャから暗黒の力をいつの間にか吸収したのね
長い間・・アラシャは・・・」

「?・・・どういう意味です?女神?」

「アラシャはアーシュ様を愛してるの・・アーシュ様は本来ノーマルだから・・」

「本当に嫌がってるけど・・アラシャは・・アラシャの力は 
もう人の違う世界のアシャの力より
少し強い・・誰一人 あの子を止められない・・どんなに乱暴に扱っても・・

小言を言う程度しか私たちには出来なかった・・・・。」


「・・・・つまり・・二人は長い間・・夜を共に?」三人とも少し赤くなる

「・・・ええ・・それにずっとアラシャは
魔法でアーシュ様の身体の癒しもしていたから・・。」

「・・アル!!駄目だよ とても勝てない 二人もいるよ!!」

「今日はあきらめて 僕のアーシュやアシャやアラシャが来るのを待った方が良い!!
自殺行為も同然だよ!!」

「いいえ ダメ・・一刻も早くアリサちゃんともう一人のクローンの子を助けないと・・」

「・・・アリサちゃんの子宮の一つが取り出される・・アーシュ様の子を受胎してしまう」

「クローンの子も今は上手に隠してるけど いつ見つかるかわからない・・危険よ
その子まで 二人と同じ手術をされるし レーヴのお友達も大変な事になる・・。」

「それに アーシュ様も敵に捕まって長い時が過ぎた・・時間が無いの・・。」

「・・・もしアーシュ様が死んで 魂を確保出来なければ」 

「あの狂気の神・・化け物の呪いが発動して また呪われた無残な転生を繰り返す・・。
今回 偶然発見出来たのは 本当に幸運だった・・。」

「・・眠ってる五歳の暗黒の女王アシャ以外にあの方を探し出せない
視つけられない・・・それにこの異界に転生する可能性が高い・・・」

「あの姿で生まれて辺境の国だったら 異形の者として即座に殺されかねない・・」

「・・それともアーシュ様の戦いぶりを知ってる者達の近くで生まれたら・・
実験体と生体兵器・・あるいは愛玩用に・・また汚されてしまう!!」

「・・・あのアシャでも視つけられない 遠い・・
しかもここの時空のゆがみは酷くてよく視えないはず・・・」

「・・・・・わかった アル」

「・・我らは魔法の力はなく無力ですが 
多少は武器にも強く長い間 戦ってきました

この惑星は少し前まで 天空船が再来するまで 

・・科学進化は遅れ・・政府もなく無秩序で 
僅かな水の為に血みどろの戦いをしていました
しかも砂漠には 化け物たちが無数にいる・・。

ファリも私も幼い子供の頃から戦ってました・・。
クローンの相手は無理ですが 兵士達には負けませんよ・・

それにクローンの子が助けてくれる可能性が高いです」

「・・アル・・普通の人くらいなら僕も大丈夫・・
少しは攻撃魔法も使えるから・・癒しの魔法のフォローを任せてね」

「・・・・有難う長 それに違う世界のエイル・・」

「・・長・・私たちも長い間 人生の多くの時間は戦いに捧げたわ・・同じね・・ふふ
頼りにしてるわ・・さあ行きましょう!!飛ぶわ!!」

・・そして研究所・・・兵士達の多くをファリ達が率先して 次々に倒してゆく

「・・・強いわね・・ファリと長・・かなりの手練れね・・しかもファリの身軽な事
アーシュ様みたい・・・もう百人以上 あの三人が倒したわ・・。」

「こちらの世界でにやんこの軍の兵士達に剣技や体術を教えて欲しいくらい
あのレーザー剣欲しいわ・・」

「あ・・氷の槍!! 行く手を阻む者は許さない!!」

「本当だね・・レーヴの銃の腕もなかなかだよ・・と・
風の矢!!」

「あ!!アリサちゃん発見!!」嬉しそうにエイルが叫ぶ

「え!!」 「あっちの部屋で寝かせてるよ!!透視した!!」

ドアが吹っ飛ぶ

「アリサちゃん!!」 皆が駆け寄る

・・・眠りながら泣いてるアリサ・・・
手をかざすエイルとアル・・

「・・・・・遅かった・・・もう子宮の一つが摘出されてる・・
それに・・受胎も」

「・・人工子宮はまだ準備中・・・」受精卵の入った容器を破壊するアルテイシア

「降ろすかどうかはアリサちゃんの気持ち次第ね・・
アリサちゃんは お兄ちゃん子だから・・産むと言うかも知れない・・。」

「アジェンダ様が幽体だから 以前から直系の者達の精子を使って
人工子宮で子どもを作る予定ではあったけど・・」

「ある程度育ったら アリサちゃんの気持ちと体調次第で
人工子宮に移しても大丈夫ね・・・。」

「アシャルとの約束を破ってしまった・・すまんアリサちゃん」
ファリ

「御免ね アリサちゃん・・」レーヴ
「すまぬ 許してくれ アリサちゃん・・」長

「よくもこの研究所を破壊したな・・その身体で償ってもらう
魔法の王が二体とは・・奴の仲間だな  一体は同じ種だ 」

「ん?生体センサーが故障してるのか・ 生体反応が無い・・これでは死人か?」

「そうよ 私たちはすでに千年以上前に死んだ者・・・」

「細胞の欠片も採取出来ないわ・・お生憎様・・・。」

「現世で生きてる魔法の王は二人・・お前たちが捕らえたアーシュ様とアラシャのみ・・
・・・それと此処には来ない者が二人・・この二人は役割があるから来ない・・」

「・・くくつ・・ではアラシャと言う者は生きてるのか・・それに後二人」

「・・・・・アラシャの力は 全ての魔法の王を超える力・・
それに体の弱ったアーシュ様と違うし
アーシュ様や可愛がってる養女のアリサちゃんにこれだけの事をした以上 
怒り狂うわよ・・。

・・・・・二人の方は神達に選ばれた異界の現世の世界の守護者・・此処には来ないわ
違う世界のにゃんこ族の黄金の瞳の少年と火焔の瞳の少女・・

・・・アラシャは最初はアリサちゃんを自分の妻にする気だったから・・・
どれだけ怒り狂うかしらね・・・。」

「え?そうなの?」レーヴがエイルの方を見る

「うん・・そう・・だってアリサちゃん 愛するアーシュに似てるから
アリサちゃんも可愛いし
それに 子供が生まれたら・・より強い魔法の王が誕生する可能性が高いからね」

「なるほど・・結構 合理的な人物だね」

「・・だって二百年も王様の仕事もしてるから・・」

「・・・・・納得です・・エイル様・・。」レーヴ

「・・・・まあ死者でも 実験体にはなるだろう・・
それにそのアラシャという者を捕らえるエサにもなる・・
・・・・人質という餌があれば その二人も来るはずだ」

「・・やれ・・お前たち・・相手は強そうだ・・くくつ・・」
表情が硬くなるアルテイシア 他の皆も

三人の子供達が入って来た 七歳前後・・。
みな無表情で人形の様だった

「・・・髪型は違うけれど・・やはりクローンだけあってそっくり・・」
ぽつりとつぶやくエイル

左端の子以外の二人が左手をかざす・・
「・・・暗黒の炎!!」

手に黒い炎が現れた・・。
それを投げつける

「く・・水の盾!!」 「聖なる光の盾!!」アルテイシアとエイルの防御魔法

黒い炎の直撃は逃れたものの 前にいたアルテイシアが腕に火傷を負う

「・・つうう・・」痛そうな表情をするアルテイシア
「大丈夫ですか!女神様」長 

「アル様」レーヴ 
「アルテイシア様 」ファリ

「アル!!」エイル

「・・ほう・・火傷を負い 痛覚もある・・これは実験が楽しみだ」

・・その時だった 左端の子の手に魔法の剣が出現して
まず隣の同じクローンの子の胸を刺し 次にもう一人のクローンの子の首筋を切る

「・・・約束を果たしたよ・・僕の兄弟・・
無実の人を殺すのも 道具になるのも嫌だと思った 三人とも同じ気持ちだった
その時は 残った一人が殺すと約束した・・・」
微笑み・・そして涙を流す

「な・・馬鹿な 感情が 自意識がある!!」

「・・これね?」 この額の装置は皮膚に張り付けてるだけ
顔をしかめて 無理やりはがす・・少し血が滲んでる・

「脳にまで繋がってるはずなのに!!」

「僕を施術したの・・レーヴさんの友達で人道主義者だもの・・」

「・・あ・・だからか・・あの手術前 三人とも手術をすると言って
なかなか引き下がらなかったのか!!」

「そう・・装置の前で泣いて僕らに謝ってた・・いい人だね
すでに自意識は目覚め オリジナルの記憶も少しあった・・。
僕らは約束した・・僕は約束を果たした・・・」

にいいと恐ろしい笑みを浮かべる

「・・・魔法の王達が来るのを待ってた
時が来るのを・・アリサちゃんを助けられなかったけど
もう 魔法の王の人形はいない・・しかも此処に二人 怒る魔法の王がいる」

「・・・・知ってる・・敵・・傭兵崩れの軍団と内通してた・・。
僕が他の者の声をまねて 基地に皆集まるように指示した 一網打尽・・」

「オリジナルもいる まだ何とか生きてる
少し急がないと それにあちらにもクローン体数体がいるけど・・まだ装置で眠ってる
・・すでに装置の取り付けと手術は済んでるから・・殺すしかない・・。」

「・・一つ幸運がある・・クローン体の身体のパーツ 
内臓に翼 眼球 オリジナルに適合する・・
兄弟たちも含めて死体は冷凍保管して 大きさは調整出来るはず
ただ残念ながら 眼球を除き 他のパーツは長期間は持たない 
それでも少し長き出来るよ・・」

「一人か二人・・僕の分が欲しい・・この分だと僕も三〇前後で死ぬ・・
・・一五歳前後で成長も止まる・・・。」

「・・奴の証拠をすでに連邦にも送信した・・終わりだね
市民権剥奪くらいじゃすまない 生涯は牢獄の中で死ぬ事になる・・あるいは処刑かな」

「アル・・水の女王のアルテイシア・・魔法の王として彼に何の罰を与えるの?」

「ふふっ・・なんて素晴らしい賢い子なのかしら・・貴方の恨みの分も
ちゃんと与えるわよ・・」
不気味な恐ろしい笑みを浮かべる

・・・エイルは冷たい表情で敵を見据えてる
ファリにレーヴ 長も怒りに満ちた顔で睨んでいた。

「・・・ひっ・・・」尻もちを付き 後ずさる

「・・・異界の女神の怒りは恐ろしいわよ・・くくつ
私は戦神でもある・・・。」

「・・そう・・幻覚だけど・・これはどう?」

片眼がたちまち凍りつき砕け散る 

「ぎ・・ぎやあああっ!! い・・痛い」
「・・う・・さ・・寒い・・ひ・・ひもじい・・何故こんなに腹が
まるで何日も食べてない・・喉も乾く・・・。」

「・・・今度は熱い・・焼かれる・・熱いいい!!」

「・・・・ひっ!! 黒い影達が私を舐めまわしてる!!うあわああっ 
み・・耳が噛み千切られて・・ひいい!!痛い 痛いいい!
ああ・・今度が両手の指が全て・・あ・・足が私の足が・・・!!」

「・・・・幻覚はいづれ現実になるわ

そして・・毎夜 その夢に苦しむ・・発狂するまで・・」

「・・十数年もし まだ生きてたら・・正気なら・・可哀そうな事になる!!
こうなるの・・あはははっ!!」
白い光に包まれて ゆっくりと焼かれてゆく
「ぎゃあああ!!」
「・・灰になるまで 焼かれる・・・。
片眼が凍り付き 砕け散った後で・・それが始まりの合図・・。」
 
「その待つ時間は一日かも知れない
二日か三日・・一週間後? それとも数分後? あるいは一時間後かしら・・ふふ
・・・自殺は出来ない・・身体が麻痺して動かないから・・くすくすっ・・」

「・・それは転生しても繰り返す・・貧しい貧民として生まれ 疎まれる
・・・・両親は早死にする者か 捨てる親が選ばれる・・。
お前は頼る者もなく 悪夢に苦しみ やがて発狂する・・。」

「・・・違う世界のアーシュ様達も同じ呪いをかけてた・・
大勢が私のアーシュ様を汚して苦しめたから・・・。
・・・見世物にもされた・・数人一度に襲われた事も・・実の父や異母兄達・・
長年 転生の生涯の数々死ぬまで・・死ぬ瞬間まで苦しんだ・・。」

「違う世界のアーシュ様は 罪人を条件付きで許した・・。
温情をかけた者 命令され仕方なく抱いた者 愛情を持って抱いた者・・。
特別な事情があった者・・・。」

「・・・どの条件も当てはまらないわね・・・」

「そして呪いは転生の三度目まで続く・・四度目には許される」

「・・・・私にとってアーシュ様は大事な初恋で 代々守り続けてきた黒の王家の王・・。
私はあの方の女騎士で守護者でもある・・・。」

「これは 救世主である黒の女王であり火焔の女王ヴァルジニテ様から託された
代々の我が実家リュース公の役目・・白と黒の血が入り混じった特殊な家系」

「私は最後のリュース公・・・。」

「・・三度では許さない・・・五回は苦しんでもらう・・くく・・
六度目でやっと許されるが・・人としての力をその頃には使い果たしてるでしょうね」

「・・以降は実験用モルモットか この惑星の怪物になるがいい!!」

「あ・・・ああ・・・た・・頼む ゆ・・許してくれ・・」

「・・今・・お前の記憶を全て視たわ・・」
「・・・・他の惑星でも多くの重い罪を犯した 
どれだけの人々が密貿易の奴隷の商品として苦しんだと思ってる!!」

「・・あの傭兵崩れの軍団達のせいで壊滅した惑星も多い・・
それに手を貸した・・アリサちゃんの卵子も一部奴らに渡したわね・・」

「アーシュ様もあいつらに苦しめられてる・・また汚された・・」
「決して許さない!!!」

「・・・・今世か次の転生で・・まだ人のうちに少しでも善行を成して
この地の神たちに願うといい・・・多分叶えてはもらえない・・・。」

「大勢を苦しめて殺し 異界の神をここまで怒らせた事を後悔しても遅いわ・・」

「あら・・・やっと お前の迎えが来たわ・・牢獄へ連れてゆく者達が・・・。」
「家族がいなくて 残念だったわね・・お前の非情さと強欲が彼らを失う原因となった

家族を彼らが神に願い 善行を成せば 少しは温情があったかも・・」

「ふふ・・家族は無実の者・・彼らには関係ない・・もっとも助かるなら
お前は家族も平気で見捨てる・・・。」

「あ・・あの・・・連邦に派遣された者達ですが 貴方は?」

「・・・私は異界の者よ・・」

「あの戦いで傭兵崩れの軍団を一人で殲滅して 多数の化け物を退治して
あの亀裂を塞いだ方に仕える者・・同じ種族・・。」

「あの御方を迎えに来た・・助けねば・・・
・・アリサちゃんとこの子を頼むわね・・保護して・・」

「・・それから・・この憎い犯罪者も・・。」

「それから あの子・・・言わば双子の兄弟たちの遺体だけど・・
移植手術に使うから・・必ず冷凍保管して」  

「女の子・・アリサちゃんの取り出された子宮も・・」

「・・・それから 私たちは先に行くけど 基地の攻撃の応援を頼むわ・・。」

「はい!!」
「・・僕は戦力になりますから 一緒に行きます
オリジナルを助けたい・・。
・・アリサちゃんの事がすごく心配だけど・・。」

「・・・ん・・わかったわ・・有難う」
頭をなでなでするアルとエイル・・

「・・他にお願い事ある?」

「・・少しあります・・
兄弟たちの遺体は埋められないけど 墓か神殿とかに名を刻んで祈ってほしい
・・あの月のクローンも・・」

「それと あの・・アラシャ王・・彼が僕 怖い・・。
何故かわからない・・。」

・・皆・・ピンと来る・・口元が歪む

「・・・アリサちゃんは大好きだし オリジナルも・・記憶にある魔法の王達も・・
貴方たちもとても愛しく思います・・。」

「時々は そちらに行きたいし 長期滞在したいけど
出来れば この砂漠の惑星で生涯を終えたいと思います・・・。」

「・・それにもし 互いの時空が遠く離れたら 
亀裂を修復するのは魔法の王か僅かにいる者だけ
僕なら なんとか修復も化け物退治も出来ます・・」

「一五歳で成長が止まり 長生き出来ない僕でも好きになってくれる女の子がいたら
結婚して子孫を残し・・彼らが此処を修復するでしょう・・。」
アルテイシアが抱きしめる

「なんて賢くて優しいの・・やはり貴方はアーシュ様と同じよ」 

「・・我らが彼を引き取る・・私の子にするか ファリの養子になるといい」

「有難うございます!!」

「あの・・名前をください・・今の僕の名は生体兵器AQW-1012です
人としての名が欲しいです・・兄弟たちも・・一人は1011 もう一人は1013」

・・皆 なんともいえない表情になる

「・・ファリアスはどうだ? 彼は私の先祖で 部族の基礎を作り 最初に来た天空人を
迎え助け続けた・・天空人の妻を迎え 
天空人の言語を伝え再来を信じて我ら子孫に希望を与えた

・・我らの英雄の名だ・・。」長

「・・親父殿・・それは暗黙の禁止だぞ・・大丈夫か」

「ファリ・・誰が文句を言うと思う・・
部族の者は皆残らず あの凄まじい戦神ごときの戦いと無数の化け物退治と
不可能な修復を見た あるいは知ってる

そして自分の身が倒れ 危ういと言うのに・・我が身を犠牲にして
お前たちと六〇〇人の兵士達を救った・・。」

「この子は いわばその偉大な異界の神の子・・喜んで迎え入れる・・誰より相応しい
もし 文句を言えば 私が怒鳴りつける・・。」長

「・・ならいいか・・で・・それでいいか?ファリアス?」ファリ

「はい!有難うございます」

「ん~兄弟たちの名は・・前のアーシュの転生の名はアジェス・・
それから 僕のアーシュの方だけど・・
街とかに民に紛れる時に火竜王(サラマンデイア)だから
サラって名乗った時もあったよ・・。」エイル

「・・・11の方をアジェス・・13の方をサラにしましょうか?
どうかしら ファリアス?」アル

「はい!!有難うござます」

「月の方は後で決めましょう・・行くわよ・・」アル 
その場から皆の姿が消えた・・。

「・・き・・消えた・・」残されて頼み事をされた者達は腰をぬかす

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

処理中です...