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■第2章 冒険者の町の冒険者ギルド!
103 ギルドでの取引(4)
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「どうか、この通りだ。なにもかも、この老いぼれのせいなんだよ。年老いたこの眼が悪くなっちまったせいで、いつもは性根の正しいナラの気が迷っちまったんだ。でも説得したら、ちゃんとナラもわかってくれた。ジルドが、すべての芽を刈り取ってはならない。生きようとしているどんな芽にも、太陽が降り注ぐ限り可能性がある、そう言ってね……」
美怜は呆然とムナの話を聞いた。そのあとすぐジルドが左右に首を振り、家族を連れて部屋を出て行った。ジルドが最後に言ったのが「その金は受け取れない」ということのだったようだったと理解できたのは、ドアが閉じて足音のが遠のいていくころだった。手の平の硬貨の上には、いつの間にか銀河の眼鏡が乗っていた。多分、ネルが渡してくれたように思った。壁際には、銀河の鞄がそっと置かれている。
突如、肩に重くぬくもりがかかってきて、ハッと見上げると、マルコが静かな目をしている。
「いずれにしろ、関係なかったように思うがな。彼らがポーションを飲ませたあと、エクスポーション三本も使った。わかっていることはただ、彼らが飲ませてくれたことで確実に延命できたということだ」
「はい……」
そう答えたものの、美怜の頭の中は霧がかかったように呆然とし、なにをどう考えていいのか、自分がどうしたいのか、どうすべきなのかが全くまとまらない。振り返って、目を閉ざす銀河の横顔を見る。今はただ、銀河が早く目覚めてくれれば、それしか考えられないのだった。
――翌朝、美怜は眠る銀河と同じ部屋で目が覚めた。昨日コリーナが用意してくれた毛布にくるまり、銀河が見える所で壁にもたれたまま一晩を過ごした。足元にはカクラが丸くなってまだ眠っている。カクラに毛布を掛けて、美怜は銀河の様子を見にそばへ寄る。
(銀ちゃん……)
ただただ眠っているようにしか見えない銀河の周りには、今モンスター除けの結界がある。さらに、MPを強制的に吸い込む合成魔石なるものが銀河の胸の上と周りに置かれている。魔石はどうやらモンスターを倒して手に入れるだけでなく、手に入れた魔石を精錬したり合成したりして、特別な特性を持たせることができるらしい。それを平たく言うと合成魔石と呼んでいるそうだ。この魔石が完全にMPを吸い込み終われば、治療は終わるという。
(早く起きてぇ……、銀ちゃん……)
美怜は呆然とムナの話を聞いた。そのあとすぐジルドが左右に首を振り、家族を連れて部屋を出て行った。ジルドが最後に言ったのが「その金は受け取れない」ということのだったようだったと理解できたのは、ドアが閉じて足音のが遠のいていくころだった。手の平の硬貨の上には、いつの間にか銀河の眼鏡が乗っていた。多分、ネルが渡してくれたように思った。壁際には、銀河の鞄がそっと置かれている。
突如、肩に重くぬくもりがかかってきて、ハッと見上げると、マルコが静かな目をしている。
「いずれにしろ、関係なかったように思うがな。彼らがポーションを飲ませたあと、エクスポーション三本も使った。わかっていることはただ、彼らが飲ませてくれたことで確実に延命できたということだ」
「はい……」
そう答えたものの、美怜の頭の中は霧がかかったように呆然とし、なにをどう考えていいのか、自分がどうしたいのか、どうすべきなのかが全くまとまらない。振り返って、目を閉ざす銀河の横顔を見る。今はただ、銀河が早く目覚めてくれれば、それしか考えられないのだった。
――翌朝、美怜は眠る銀河と同じ部屋で目が覚めた。昨日コリーナが用意してくれた毛布にくるまり、銀河が見える所で壁にもたれたまま一晩を過ごした。足元にはカクラが丸くなってまだ眠っている。カクラに毛布を掛けて、美怜は銀河の様子を見にそばへ寄る。
(銀ちゃん……)
ただただ眠っているようにしか見えない銀河の周りには、今モンスター除けの結界がある。さらに、MPを強制的に吸い込む合成魔石なるものが銀河の胸の上と周りに置かれている。魔石はどうやらモンスターを倒して手に入れるだけでなく、手に入れた魔石を精錬したり合成したりして、特別な特性を持たせることができるらしい。それを平たく言うと合成魔石と呼んでいるそうだ。この魔石が完全にMPを吸い込み終われば、治療は終わるという。
(早く起きてぇ……、銀ちゃん……)
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