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888字でコワイ話
# 屋根裏部屋
しおりを挟むトントントン。
屋根裏部屋につづく天井を叩くと
トントントン
とへんじが返ってきました。
「めいぐるみのくまちゃんもいいですか?」
「いいですよサッサ」
これから月夜のおはなし会。
参加者は、揺りイスのギーギさんと
羽根のもげたはく製のワシさんと
使い古されたほうきのスカスカさん。
それから、この家の中のこどもナオと
ぬいぐるみの親友くまちゃんです。
「話題はなにかなギーギー」
ギーギさんが揺れています。
「もっかの問題についてぎろんすべきだグワッ」
ワシさんの目がぎろんと光ります。
「ぎろん、てなにサッサ?」
スカスカさんの声は空気みたい。
「話しあいのことだよ」
さすがナオ、人間にしてはかしこいと
仲間たちがいっせいにほめました。
ナオもまんざらではありません。
「屋根裏部屋におそうじという危機が
おとずれようといているグワッ」
「ああ怖い、今度こそ僕はおはらい箱だギーギー!」
「うれしいわ、おそうじ大好きなんだものサッサ」
「ホコリをおいてけぼりにするスカスカが
役にたつのかいギーギ」
「じゃあ、わたしもおはらい箱サッサ?」
「とうぜんグワッ」
「ぼくもおそうじ、やだな。
もしこの中のひとりでも欠けてしまったら
かなしくなっちゃう」
そのことばに、みんなしんみり。
くまちゃんが手を上げました。
「ぼくのおなかの中に
屋根裏部屋のカギをかくすのはどうクマ?」
なんという名案でしょう!
カギが見つからなければ
おそうじもできません。
早速、くまちゃんのおなかの糸をほどいて
カギをかくしました。
「これで心配ないグワッ」
「よかったギーギ」
「うれしいサッサ」
「くまちゃん、君あたまがいいね」
「きみの親友だからクマ」
そのあとのおはなし会は
いつも以上にたのしくすごしました。
そのせいでうっかりしてしまったのです。
ベッドに戻るとき
ナオはくまちゃんを屋根裏部屋に
おいてけぼりにしてしまいました。
翌日、ママが屋根裏部屋の
おそうじにやってきました。
「あら、ナオのくまちゃんがこんなところに。
おなかがほつれてるわ。
いらなくなってここへ放りなげたのね」
ママは屋根裏部屋をすっかり
おそうじしてしまいました。
ナオは二度と
屋根裏部屋に行くことは
ありませんでした。
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