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888字でミステリ
# 怪盗 WINDY
しおりを挟む3年2組が飼っていたうさぎが消えた!
飼育ゲージの中から、昨日までいたはずのうさぎがいない。
「予告は本当だったんだ!」
「先生ぇ! ぴょん吉がさらわれちゃったよぅ!」
3年2組には奇妙な予告が届いていた。
「3年2組諸君に告ぐ。
3日後、ぴょん吉を誘拐する。
怪盗ウィンディ」
保護者会で大問題となり、児童の遊びだろうと高をくくっていた教員達は対応に追われた。
担任の風間は、対策を講じなかったことを強く咎められた。
予告の時点で校長らに報告していたのに、風間だけが責められるのは理不尽だった。
「警察には届けましたが、うさぎは戻って来るかどうか……。
風間先生、子供達の心のケアをお願いします」
「はい、校長……」
それから3日。
3年2組にまた誘拐予告が届いた。
「3年2組諸君に告ぐ。
沢井正人の表彰状を誘拐する。
怪盗ウィンディ」
表彰状とは、児童の沢井正人が書いた絵が県展で表彰を受けた時の物だ。
児童達が張り出されていた掲示板を見に行った時には、もう表彰状は消えていた。
誘拐予告はそれからも度々届き、3年2組に関わる物が次々になくなっていく。
山科茜の雑巾。
掃除箱の箒。
中田雅の答案用紙。
教室の時計の電池。
怪盗ウィンディについて、児童達も教員達も心当たりが全くなく、また動機も不明で、有効な対策もない。
それでも子供達や教職員、保護者にも責められ、風間は疲れ果てていた。
ついに、恐れていたことが起こる。
「3年2組諸君に告ぐ。
担任の風間もとかを誘拐する。
怪盗ウィンディ」
いよいよターゲットが人になったのだ。
「し……しかし、子供じゃなくてまだよかった。
風間先生、まさかとは思いますが、万が一ということもあるので、今日から自宅で待機して下さい」
「は、はい……」
子供達と教員達は、風間が青い顔をして帰っていくのを見送った。
それが、風間を見た最後となった……。
数週間後、新しい担任がやってきた。
前担任の風間については勿論聞いている。
彼には風間が誘拐された理由がすぐにわかった。
風間が残した申送りノートに刻まれた、筆記の跡。
鉛筆でこすると、現れたのは誘拐予告だった。
誘拐されたのではなく、風間は自ら失踪したのである……。
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