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第2部 成り代わりなんてありえなくない!? 泣く泣く送り出した親友じゃなくて真正のご令嬢は、私のほうでした
ご令嬢はいつでも笑みを心に太陽を
しおりを挟むあれから三年後。
アーロン様にいろいろと教えてもらったおかげで、わたしにもこのセントライト王国のことがわかるようになってきた。
王国にはもともと、絶対王と呼ばれる王家とそれを支える五大伯爵家が存在していたそう。
ウィズダム家は、智慧を持って王を支えるという、とても大切な役割を担っていたというの。
けれど、国家騒乱に折にほとんどの伯爵家が国外に逃れてしまった。
そのせいで、ウィズダム伯爵家の領地だけではなく、国内各地で子どもたちが親を失ったり、家や仕事を失った家族や親族がバラバラになってしまったらしいの。
わたしたちは、その離れ離れになってしまった家族をまたひとつにできるように、智慧を絞って力を尽くしているわ。
そして……。
十六歳になったわたしは、アーロン様と結婚式を挙げたわ。
式には孤児院のみんなを全員招待したの。
そればかりか、領地内のすべての孤児院の子どもたちを呼ぶことができたのよ。
それは盛大でにぎやかな式になったわ!
この三年の間、わたしとアーロン様は各地の孤児院を回って、食料と衣服と教育を支援してきたの。
親が子どもを手放さなくて済むように、住みやすい町をつくったり、街道を整備したり。
村人たちに暦を配布して、種まきや収穫の時期を誰もがわかるようにして、治水にも取り組んでいるわ。
アーロン様は生きた智慧は貧困にも病にも打ち勝つとよく言っているけれど、本当にそう。
子どもたちはまえよりずっと元気で、それぞれに希望に目を輝かせているの。
その姿を見ていると、わたし本当にうれしくって、胸がぽかぽかと温かくなるのよ。
アーロン様にそう話すと、アーロン様は決まって優しくほほ笑むの。
その笑顔を見ていると……。
つられてわたしも、いつも笑ってしまうのよ……!
ご愛読ありがとうございました!
エミルと一緒に瞼の裏の孤児院を走り回ってくださった読者の皆様に心から感謝申し上げます。お手間でなければ、10いいね(各話10回押せます)、感想、お気に入り、エール(動画再生3回できます)、シェアで、応援ぜひよろしくお願いします! 読者様からの反応があると、執筆活動の励みになります!
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