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私のユニコーン(5)

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 さらに半年後。

 我が領は、多大な銀を産出し、一気に名を上げることになった。

 資産と影響力、そしてもともと備えていた家格とが揃って、もはや古参名家とともに名を連ねるまでに。

 お兄様にもついに春が……!

 由緒あるロッセリーニ家からアウローラ侯爵令嬢を迎えた。

 お式のティアラはもちろん、ニコロさんの渾身の作。

 星屑が舞い降りて来るかのように煌びやかで、これが本当に美しいの……!

 このころから、プレモロジータ家の状況は一気に好転。

 私のユニコーンは今、幸運のユニコーンと呼ばれるている。

 私はコーディリアと名付けたのに……。私のほかに誰もそう呼んでくれない。

 コーディリアはもう泣きそうな顔をしていない。毎日ピカピカに磨かれて、とっても誇らしげ。

 ユニコーン邸。

 いつの間にか、私たちの屋敷はそう呼ばれるようになった。
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