43 / 109
第二章 天使時間の歯車
2-13 黒い魔法
しおりを挟む
「黒魔法?」
俺は馴染みのない言葉に耳を傾ける。
「うん……、あまり教えたくはない概念の魔法なんだけれどね。なんなら君以外のあの子たちにも教えてはいない」
立花は苦しそうに呟いた。
「……あいつらにも隠している魔法とか、俺に教えてもいいんですか?……というか、そこまでして俺に教える必要とかあります?」
「うーん。どうなんだろうね。僕はここまで行ってはいるけれど、実際に君に使ってもらいたいかどうかで言えば、確実に使ってもらいたくはない」
なんか、やばそうな雰囲気を感じる。立花がここまで言うということは、相当なものだと想像できるからだ。
「……そんなにヤバいんですか。その、黒魔法とかいうやつ」
「ああ、ヤバいよ。超やばい。世界が終わる可能性もあるかもしれないからね」
「──え」
俺は冗談のような言葉に疑問を抱くことしかできなかった。
「冗談だと思っているかもしれないけれど、これに関しては真実だ。教えたくないというのは、世界の改変性を持っているということもあるけれども、それ以上に捧げる代償が重すぎるから、本当に教えたくはない」
「……代償?」
「そう、代償」
立花は言葉を続ける。
「普通の魔法であるなら、当たり前だけれども血液を代償に捧げて非現実的事象を発動する。それは概念に触れる魔法使いの血液だからこそ、という話をしたのは覚えているかい?」
確かにそんな話を前に聞いたことがあるような気がする。
魔法使いの血液には、巻き戻る概念がいつだって作用している。だからこそ、その概念が非現実的事象を起こすことができるのだと、あの時立花は語っていた。
「でもね、黒魔法は違うんだよ。非現実的事象を行う上では概念に触れるようなものを使わなければいけない。だからこそ、概念に触れる性質のあるものを代償に捧げるんだ。
ここまで言えば、環くんにもわかるかな?」
「……いえ、全く」
想像も及ばない。どうでもいいという感情が先ほどからわだかまってはいるけれど、それでも適切な考えをしたうえで、きちんとわからない。
「それじゃあ、結論を言おうか」
立花は、また躊躇うようにため息を吐きながら、そうして言葉を紡いだ。
「──黒魔法に捧げる代償は、『精神』だよ」
◇
「非現実的事象を発動する上で、代償となるものには概念性のあるものに限られる。でも、その代償となるものはあまりにも現実には少ない。そもそも魔法使いしか魔法が使えない時点で察することはできるだろうけれども」
「まあ、はい」
俺は適当にうなずいた。
「前、君には魔法使いでなければ魔法が使えない、よっぽどの奇跡でもなければ、とは言ったけれども、その奇跡の答えは、この黒魔法だ。それがなぜだかわかるかな」
「……人間にも、精神は存在するから?」
「まさにその通りだ」
立花は言葉を続ける。
いつもだったら、魔法についてのことを話すときは嬉しそうにしているのに、今日に関しては特に大きなリアクションを取ることはなく、いたって真剣に話し続けている。
「人間にも精神は存在する。というか、あらゆるものには精神が宿ると言われている。日本の文化で表すならば『付喪神』と言われるようなものだね。でも、実際、そういった精神やら魂というのは人間と比べてあまりにも希薄すぎるが故に、代償には向かないだろう。
でも、人間の精神は違う。ただでさえ意志を明確に孕んでいて、そうして言葉で意志を示すことができる。そんなあからさまな精神をもつ人間だからこそ、意志的な生物であるからこそ、人間であろうとも黒魔法は発動できるんだ」
「……はあ、なるほど」
言っている意味がわかるような、わからないような。
「そもそも黒魔法というものは魔法使いの上でも禁忌の禁忌とされている。なぜかといえば、先ほど言った通りに世界を改変してしまう可能性さえ孕んでいるからだ。
魔法使いの血液の概念は巻き戻る性質、というだけにとどまるからこそ、そこそこに現実を上書きする魔法しか発動できない。
だが、精神についてはどうだ。そもそも概念的なものでしか存在しないものが代償であるからこそ、現実世界に対しての上書きの規模はあまりに違う。やりたいことがやれるようになるほどに、あり得ないレベルに世界を上書きする。それが、黒魔法だよ」
「……なんというか、本当にレベルが違うんですね」
そういうしかない。そもそもそこまで理解を示すことができないのだから仕方がない。
「……確かに、そこまで聞けばその魔法を使うのが危険なのはわかりますけれど、別にそれだけなのでは?
例えば誰かがその黒魔法とやらを使ったとして、またほかの誰かが修正するように黒魔法を使えば……」
「そんな簡単な風にはいかないんだよ。そもそも、代償が重すぎるから、世界を修正するために犠牲になる魔法使いなんていやしないさ」
……そこまで重い代償なのだろうか。
「君、そこまで代償が重くなさそうだとか思考したろ」
「うっす」
「……なんて例えればいいのかな。
そもそも精神なんて物を犠牲にするうえで、その人の人格は半分ほど削られて、使った当人に関しては廃人みたいになりえてしまうのが黒魔法なんだ。
魔法使いの場合はいくら血を出したところで貧血になるくらい、更に血を出してようやく死ぬくらいだけれども、精神を代償にする魔法に関して言えば『生きながら死ぬ』と言えるようなものだ。なんせ、人格が破綻してるだけで、身体は健在だからね」
「……つまり、精神を犠牲にするとイカれるってことですか?」
「端的に言えばそう。別に捧げる精神を調整すればいいだろうって思うかもしれないけれど、そんな簡単に調整できるものでもない。
例えば電子マネーとかクレジットカードとかで想像してみな。現金だったら、どれくらい所持しているかを把握することはできるけれど、そういった仮想的通貨を使うときは、使うまではどこまで使っているかわからないようなものだろう?精神なんて目にも見えないし、他人に客観視されて初めてわかるようなものだから、代償にする大きさとしても調整することはできないんだよ」
「……はあ」
……言いたいことは分かるけれども、そこまで言われれば使いたいという気持ちにはなりえない。俺でさえそうなのだから、アイツだってそうなるに決まっているだろう。
「それなら俺は使わないですよ。そこまでして生きていても仕方がないじゃないですか」
「うん、そうだろうね。でも、なんで君にだけ教えたのか、と言えばきちんと理由はある。
そもそもこの黒魔法は禁忌的な禁忌だからこそ、魔法使いの間であっても使い方を知らないのが大半ではある。だが、稀に奇跡で発動する人間もいるという。それで何度か世界も改変されたことがあると聞いたことがある。だから、もしかしたら元人間である君には黒魔法を使う適正なるものがあるのかもしれないって、そう思ったんだ」
……そうだろうか。
「……というか、そもそもそんな秘匿にされている魔法なのに、たかが一般人が発動できるんですか?」
「うーん。そこは僕も疑わしいところではあるよ。実際にその現場を目撃したことはないけれど、言い伝えられてはいる。言い伝えが嘘という可能性も十二分にあるけれど、僕の世代にまでそれが語られるということはある種の信ぴょう性があると思った方がいい」
「……なるほど?」
昔話に起源が存在するような話なんだろう。知らないけど。
「後は、何より君のその左手の紋章が一番の理由だ」
「紋章?」
俺はそうして左手にある紋章を見た。黒色の、刺す又みたいな形をした象徴。
「君の紋章は、前も言った通りほかの魔法使いとは異なって黒色だ。その黒色は、もしかしたら黒魔法の適性を証明するようなものではないかって、僕はそう思っているんだ」
俺は馴染みのない言葉に耳を傾ける。
「うん……、あまり教えたくはない概念の魔法なんだけれどね。なんなら君以外のあの子たちにも教えてはいない」
立花は苦しそうに呟いた。
「……あいつらにも隠している魔法とか、俺に教えてもいいんですか?……というか、そこまでして俺に教える必要とかあります?」
「うーん。どうなんだろうね。僕はここまで行ってはいるけれど、実際に君に使ってもらいたいかどうかで言えば、確実に使ってもらいたくはない」
なんか、やばそうな雰囲気を感じる。立花がここまで言うということは、相当なものだと想像できるからだ。
「……そんなにヤバいんですか。その、黒魔法とかいうやつ」
「ああ、ヤバいよ。超やばい。世界が終わる可能性もあるかもしれないからね」
「──え」
俺は冗談のような言葉に疑問を抱くことしかできなかった。
「冗談だと思っているかもしれないけれど、これに関しては真実だ。教えたくないというのは、世界の改変性を持っているということもあるけれども、それ以上に捧げる代償が重すぎるから、本当に教えたくはない」
「……代償?」
「そう、代償」
立花は言葉を続ける。
「普通の魔法であるなら、当たり前だけれども血液を代償に捧げて非現実的事象を発動する。それは概念に触れる魔法使いの血液だからこそ、という話をしたのは覚えているかい?」
確かにそんな話を前に聞いたことがあるような気がする。
魔法使いの血液には、巻き戻る概念がいつだって作用している。だからこそ、その概念が非現実的事象を起こすことができるのだと、あの時立花は語っていた。
「でもね、黒魔法は違うんだよ。非現実的事象を行う上では概念に触れるようなものを使わなければいけない。だからこそ、概念に触れる性質のあるものを代償に捧げるんだ。
ここまで言えば、環くんにもわかるかな?」
「……いえ、全く」
想像も及ばない。どうでもいいという感情が先ほどからわだかまってはいるけれど、それでも適切な考えをしたうえで、きちんとわからない。
「それじゃあ、結論を言おうか」
立花は、また躊躇うようにため息を吐きながら、そうして言葉を紡いだ。
「──黒魔法に捧げる代償は、『精神』だよ」
◇
「非現実的事象を発動する上で、代償となるものには概念性のあるものに限られる。でも、その代償となるものはあまりにも現実には少ない。そもそも魔法使いしか魔法が使えない時点で察することはできるだろうけれども」
「まあ、はい」
俺は適当にうなずいた。
「前、君には魔法使いでなければ魔法が使えない、よっぽどの奇跡でもなければ、とは言ったけれども、その奇跡の答えは、この黒魔法だ。それがなぜだかわかるかな」
「……人間にも、精神は存在するから?」
「まさにその通りだ」
立花は言葉を続ける。
いつもだったら、魔法についてのことを話すときは嬉しそうにしているのに、今日に関しては特に大きなリアクションを取ることはなく、いたって真剣に話し続けている。
「人間にも精神は存在する。というか、あらゆるものには精神が宿ると言われている。日本の文化で表すならば『付喪神』と言われるようなものだね。でも、実際、そういった精神やら魂というのは人間と比べてあまりにも希薄すぎるが故に、代償には向かないだろう。
でも、人間の精神は違う。ただでさえ意志を明確に孕んでいて、そうして言葉で意志を示すことができる。そんなあからさまな精神をもつ人間だからこそ、意志的な生物であるからこそ、人間であろうとも黒魔法は発動できるんだ」
「……はあ、なるほど」
言っている意味がわかるような、わからないような。
「そもそも黒魔法というものは魔法使いの上でも禁忌の禁忌とされている。なぜかといえば、先ほど言った通りに世界を改変してしまう可能性さえ孕んでいるからだ。
魔法使いの血液の概念は巻き戻る性質、というだけにとどまるからこそ、そこそこに現実を上書きする魔法しか発動できない。
だが、精神についてはどうだ。そもそも概念的なものでしか存在しないものが代償であるからこそ、現実世界に対しての上書きの規模はあまりに違う。やりたいことがやれるようになるほどに、あり得ないレベルに世界を上書きする。それが、黒魔法だよ」
「……なんというか、本当にレベルが違うんですね」
そういうしかない。そもそもそこまで理解を示すことができないのだから仕方がない。
「……確かに、そこまで聞けばその魔法を使うのが危険なのはわかりますけれど、別にそれだけなのでは?
例えば誰かがその黒魔法とやらを使ったとして、またほかの誰かが修正するように黒魔法を使えば……」
「そんな簡単な風にはいかないんだよ。そもそも、代償が重すぎるから、世界を修正するために犠牲になる魔法使いなんていやしないさ」
……そこまで重い代償なのだろうか。
「君、そこまで代償が重くなさそうだとか思考したろ」
「うっす」
「……なんて例えればいいのかな。
そもそも精神なんて物を犠牲にするうえで、その人の人格は半分ほど削られて、使った当人に関しては廃人みたいになりえてしまうのが黒魔法なんだ。
魔法使いの場合はいくら血を出したところで貧血になるくらい、更に血を出してようやく死ぬくらいだけれども、精神を代償にする魔法に関して言えば『生きながら死ぬ』と言えるようなものだ。なんせ、人格が破綻してるだけで、身体は健在だからね」
「……つまり、精神を犠牲にするとイカれるってことですか?」
「端的に言えばそう。別に捧げる精神を調整すればいいだろうって思うかもしれないけれど、そんな簡単に調整できるものでもない。
例えば電子マネーとかクレジットカードとかで想像してみな。現金だったら、どれくらい所持しているかを把握することはできるけれど、そういった仮想的通貨を使うときは、使うまではどこまで使っているかわからないようなものだろう?精神なんて目にも見えないし、他人に客観視されて初めてわかるようなものだから、代償にする大きさとしても調整することはできないんだよ」
「……はあ」
……言いたいことは分かるけれども、そこまで言われれば使いたいという気持ちにはなりえない。俺でさえそうなのだから、アイツだってそうなるに決まっているだろう。
「それなら俺は使わないですよ。そこまでして生きていても仕方がないじゃないですか」
「うん、そうだろうね。でも、なんで君にだけ教えたのか、と言えばきちんと理由はある。
そもそもこの黒魔法は禁忌的な禁忌だからこそ、魔法使いの間であっても使い方を知らないのが大半ではある。だが、稀に奇跡で発動する人間もいるという。それで何度か世界も改変されたことがあると聞いたことがある。だから、もしかしたら元人間である君には黒魔法を使う適正なるものがあるのかもしれないって、そう思ったんだ」
……そうだろうか。
「……というか、そもそもそんな秘匿にされている魔法なのに、たかが一般人が発動できるんですか?」
「うーん。そこは僕も疑わしいところではあるよ。実際にその現場を目撃したことはないけれど、言い伝えられてはいる。言い伝えが嘘という可能性も十二分にあるけれど、僕の世代にまでそれが語られるということはある種の信ぴょう性があると思った方がいい」
「……なるほど?」
昔話に起源が存在するような話なんだろう。知らないけど。
「後は、何より君のその左手の紋章が一番の理由だ」
「紋章?」
俺はそうして左手にある紋章を見た。黒色の、刺す又みたいな形をした象徴。
「君の紋章は、前も言った通りほかの魔法使いとは異なって黒色だ。その黒色は、もしかしたら黒魔法の適性を証明するようなものではないかって、僕はそう思っているんだ」
0
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる