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第90話 登校日②
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黒板に貼られていたのはオレが城島さんとホテルから出てきた所を写したものを大きくプリントアウトしたものだった。
横には『真島信 おホモだちとホテルから!あ~ん、イクイク~♥』とチョークで書かれていた。
灰谷が写真をはがし、丸めて叩きつけるようにゴミ箱に入れた。
中田が黒板に書かれた文字を黒板消しで消した。
「誰だこれ」
灰谷が静かに言った。
オレは振り返って教室内を見渡した。
好奇心丸出しのニヤニヤ笑い、無表情、関わり合いたくない等々の顔顔顔が並んでいる。
「誰だって聞いてんだよ!」
キレる灰谷とは反対にオレは自分でも驚くほど冷静だった。
どっからバレたんだろう。
まあ、せまい街だからしょうがないか。
見られてもしょうがないだろう。
んでも、こういうことやる根性が気に入らない。
「ホモじゃねえよ」
オレの言葉にクラスの視線が集まった。
「女も男もイケるから。ああ、でも突っこまれたいってヤツがいたら声かけてよ。
オレにも好みがあるから全員相手できるとは限らないけど。病気は持ってないし。
お望みなら、オレにケツに突っこまれてヒーヒー言ってるとこ写真に撮って、黒板に貼ってやるからさ」
教室が静まり返った。
オレはモーゼよろしく自分の席につく。
「やっ、やだなあ真島。オマエ、演技力スゴイから、みんな信じちゃうじゃん。冗談キツイわ~」
佐藤が顔を引きつらせながら、やたら大きな声で話しながら近づいてきた。
「あれ、親戚のお兄さんだろ。ラーメン屋探してたらホテル街に迷いこんじゃったんだよな。もう~ちゃんと説明してやれよ~」
「ワリぃ、佐藤、ウソついてた。あれがオレのセフレ」
佐藤の顔がさらに引きつった。
「ま、またまた~。結衣ちゃんと付き合ってるじゃ~ん」
「別れた」
「え?」
「とにかく、逃げも隠れもしねえよ。オレは女も男もイケる。相手は選ぶけど。黙ってて悪かったな」
佐藤の顔がクシャクシャになる。
「真島~。なんでそんなこと言うんだよ~。ウソだって言ってくれよ。オレ、そういうのどうしたらいいかわからねえよ~」
「別にどうもしなくていいよ佐藤。気持ち悪いと思ったら離れてくれていいし、関係ないと思ったらいつも通りにしてくれればいいし。好きにしてくれよ。オレはオマエのこと友達だと思ってるけど」
佐藤は本当に困った顔をして中田を見た。
「中田~。なんとか言ってくれよ~」
中田は顔色一つ変えずにこう言った。
「人のセクシュアリティにどうこう言う趣味はねえよ」
「セクシュアリ……何?」
「性的趣味。別に今時。オマエが巨乳好きなのと変わらねえよ」
「変わらないの?」
「オレがバックから突くのが好きなのと変わらねえよ」
「え?そういう事?違うんじゃね?……灰谷~」
佐藤はすがるような目で灰谷を見た。
灰谷は……あ、ヤバい。
「どういう目的でこんなことすんのかわかんねえけど。モテない野郎のヒガミだろ。女とも男ともヤれねえ童貞どもが!」
灰谷はオマエら全員ブチ殺すみたいな顔で吐き捨てるように言った。
灰谷が他人に対してこんなに悪い言葉を使うのを初めて聞いた。
佐藤がアワアワする。
「いや、オレも童貞なんだけど……」
バンッ!!
中田が黒板を叩いた。
「オマエら、今度オレの前でこんな下らねえ事やったら、オレの兄貴に頼んで地の果てまで追いこむからな!」
中田の声がバシリと響き、教室内が凍りついた。
中田の兄貴はこの辺りじゃ有名な、いわゆる伝説の不良ってやつで、ヤクザの幹部になってるという噂があるほどだ。
その噂のお陰もあってか、オレたちは今まで面倒なことになったことがない。
本当はすっかり更生して、気のいいただの板金工なんだけど。
噂の効力は今でもかなり有効なようだった。
♪キーンコーンカーンコーン。
本鈴が鳴って、担任が入ってきた。
「オマエら席つけ~」
中田と灰谷の言葉で、とりあえず収まった形にはなった。
でも実際のところ、オレはクラスのヤツらにどう思われようと、どうでもよかった。
ただ可哀想なのは佐藤だった。
ドがつくほどのノーマルな佐藤には、中々受け入れにくいだろう。
悪いことをした。
これもオレの行動が招いた結果だった。
本当に自分が蒔いた種ってのは自分で刈り取らなきゃならないんだと実感した。
横には『真島信 おホモだちとホテルから!あ~ん、イクイク~♥』とチョークで書かれていた。
灰谷が写真をはがし、丸めて叩きつけるようにゴミ箱に入れた。
中田が黒板に書かれた文字を黒板消しで消した。
「誰だこれ」
灰谷が静かに言った。
オレは振り返って教室内を見渡した。
好奇心丸出しのニヤニヤ笑い、無表情、関わり合いたくない等々の顔顔顔が並んでいる。
「誰だって聞いてんだよ!」
キレる灰谷とは反対にオレは自分でも驚くほど冷静だった。
どっからバレたんだろう。
まあ、せまい街だからしょうがないか。
見られてもしょうがないだろう。
んでも、こういうことやる根性が気に入らない。
「ホモじゃねえよ」
オレの言葉にクラスの視線が集まった。
「女も男もイケるから。ああ、でも突っこまれたいってヤツがいたら声かけてよ。
オレにも好みがあるから全員相手できるとは限らないけど。病気は持ってないし。
お望みなら、オレにケツに突っこまれてヒーヒー言ってるとこ写真に撮って、黒板に貼ってやるからさ」
教室が静まり返った。
オレはモーゼよろしく自分の席につく。
「やっ、やだなあ真島。オマエ、演技力スゴイから、みんな信じちゃうじゃん。冗談キツイわ~」
佐藤が顔を引きつらせながら、やたら大きな声で話しながら近づいてきた。
「あれ、親戚のお兄さんだろ。ラーメン屋探してたらホテル街に迷いこんじゃったんだよな。もう~ちゃんと説明してやれよ~」
「ワリぃ、佐藤、ウソついてた。あれがオレのセフレ」
佐藤の顔がさらに引きつった。
「ま、またまた~。結衣ちゃんと付き合ってるじゃ~ん」
「別れた」
「え?」
「とにかく、逃げも隠れもしねえよ。オレは女も男もイケる。相手は選ぶけど。黙ってて悪かったな」
佐藤の顔がクシャクシャになる。
「真島~。なんでそんなこと言うんだよ~。ウソだって言ってくれよ。オレ、そういうのどうしたらいいかわからねえよ~」
「別にどうもしなくていいよ佐藤。気持ち悪いと思ったら離れてくれていいし、関係ないと思ったらいつも通りにしてくれればいいし。好きにしてくれよ。オレはオマエのこと友達だと思ってるけど」
佐藤は本当に困った顔をして中田を見た。
「中田~。なんとか言ってくれよ~」
中田は顔色一つ変えずにこう言った。
「人のセクシュアリティにどうこう言う趣味はねえよ」
「セクシュアリ……何?」
「性的趣味。別に今時。オマエが巨乳好きなのと変わらねえよ」
「変わらないの?」
「オレがバックから突くのが好きなのと変わらねえよ」
「え?そういう事?違うんじゃね?……灰谷~」
佐藤はすがるような目で灰谷を見た。
灰谷は……あ、ヤバい。
「どういう目的でこんなことすんのかわかんねえけど。モテない野郎のヒガミだろ。女とも男ともヤれねえ童貞どもが!」
灰谷はオマエら全員ブチ殺すみたいな顔で吐き捨てるように言った。
灰谷が他人に対してこんなに悪い言葉を使うのを初めて聞いた。
佐藤がアワアワする。
「いや、オレも童貞なんだけど……」
バンッ!!
中田が黒板を叩いた。
「オマエら、今度オレの前でこんな下らねえ事やったら、オレの兄貴に頼んで地の果てまで追いこむからな!」
中田の声がバシリと響き、教室内が凍りついた。
中田の兄貴はこの辺りじゃ有名な、いわゆる伝説の不良ってやつで、ヤクザの幹部になってるという噂があるほどだ。
その噂のお陰もあってか、オレたちは今まで面倒なことになったことがない。
本当はすっかり更生して、気のいいただの板金工なんだけど。
噂の効力は今でもかなり有効なようだった。
♪キーンコーンカーンコーン。
本鈴が鳴って、担任が入ってきた。
「オマエら席つけ~」
中田と灰谷の言葉で、とりあえず収まった形にはなった。
でも実際のところ、オレはクラスのヤツらにどう思われようと、どうでもよかった。
ただ可哀想なのは佐藤だった。
ドがつくほどのノーマルな佐藤には、中々受け入れにくいだろう。
悪いことをした。
これもオレの行動が招いた結果だった。
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