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2. 近付く彼女
一時の別れ
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「それじゃあ、ここで」
「はい。次はブレア領で……ですか。ここで会えないのは寂しいですね」
「仕方ないわ。何もかも同じではいられないもの」
マリアは弱く微笑んだ。かつてオルディス家の執事だったアランが、ルーファスの従者に外套を渡し、従者が彼に着せかける。
マリアの足元で、ナァーゴが「ナァー、ナァァー」と名残惜しそうに鳴く。ルーファスが外套の袖を通しながら、恨みがましい目で下を向いた。
「ナァーゴとは気が合いそうだったのに、最後に邪魔をしてくるとはしてやられましたね」
「ナァーゴは私を守ってくれたのよ」
「マリアさん、頰が赤いですよ?」
「もう、早く行って」
つい先ほどのことが生々しく頭の中で再生されたのに、気付かれたらしい。居たたまれなくて、視線を逸らす。ルーファスがふっと笑う気配がする。
「マリアさんも、もうすぐ出立するんですよね。次はブレア領に連絡します」
「……待ってる」
──さっきはついあんなこと言っちゃったけど。
これまでのように頻繁に会えるわけじゃない。マリアの方から訪ねて行ける相手でもない。ルーファスなら気にせずに王宮に通してくれるだろうけれど、王子が平民の娘を特別の理由もなく王宮に引き入れるだなんて、外聞が良くない。
──結局、私にできることといえば待つことだけ。
さっきだって、さんざん乱されたのは自分だけだ。ルーファスは涼しげな表情を崩しもしない。
ちくりと胸に針が刺さる。マリアはそれに意識を向けないようにして笑った。
「私がいないからって、ダンスの練習を怠けたらだめよ」
「マリアがいないと練習できませんから、すぐに会いに行きますね」
「もう、一人でもやりなさいって言ってんの」
軽く睨むと、ルーファスが柔らかく目を細める。その目が不意に、ほんのわずかに鋭くなった。「マリア」と呼ぶ声からもおどけたところが消える。
「一人での外出は控えてください。外出をするときも、なるべく大通りを歩いてください。今みたいに日が暮れた後は特に、外に出ないようにしてください」
「なぁに、それ」
「見知らぬ人にはふらふらと付いて行かないように。マリアをどこかへ連れ出そうとする言葉には決して乗らないように。人の言葉の裏を良く見極めてください」
「どうしたの、急に。子供じゃあるまいし」
唐突なお説教に、マリアは苦笑する。
「いいから、約束してください」
「何なのよ、大丈夫よ心配しなくても」
本当に、急にどうしたというのだろう。心配されているらしいのは何やらくすぐったいのだが、それにしてもあんまり自分が頼りないみたいではないか。
「マリアは目を離すと何をしでかすかわかりませんから」
「私が何をしたって言うのよ」
「はあ、本当に心配です……特に僕以外の男には気を付けてくださいね」
「あら、それじゃお父様やアランにも気を付けなくちゃならなくなるわ」
笑いながら返したところで、ひゅっと笑いが引っ込んだ。ルーファスが真顔で怖い。
「わかった、外では気を付ける」
「はい、良くできました」
へらりと笑ったルーファスが、彼の従者とアランに後ろを向くように指示する。ルーファスが一歩踏み出した。マリアは首を傾げる。
「どうしたの?」
肩を掴まれたと思ったら、唇が重ねられる。でもそれは一瞬のことで、すぐにまた唇も手も離れていった。
「ではまた。マリア」
ルーファスが背を向けて、小さく声を掛ける。すたすたと歩み去る彼に合わせてすかさずアランが玄関ホールのドアを開け、マリアは呆然とルーファスを見送った。
全く、迎えの来るタイミングは最悪だった。
今度こそマリアと行き着くところまで行けるかと思ったところだったのに、猫も猫だし、従者も従者だ。
猫はまだ仕方がない。ナァーゴはマリアの友人? 友猫である。ライバルの内の一人ならぬ一匹ではあるが、今のところナァーゴにお目見えさせてもらったのは自分だけみたいだから、まだ許せる。しかし、従者は──あれは駄目だろう。あんなタイミングでオルディス家を訪れるとは、教育がなってない。
ルーファスは王太子の執務室をノックしながら、さっきの光景を思い出して舌打ちした。
マリアは猫みたいな存在だ。今度こそ、今度こそ、と思う度にすり抜ける。頑固なくせに妙になついてくるから始末が悪い。気が付けば振り回されている気がする。それが嫌なわけでは決してなくて、むしろどちらかというと楽しいとすら思うのだが。
──あともう一歩だったのに。
「エドモンド兄上、お呼びだと伺いましたが」
「遅かったな。寄り道にしては長かったんじゃないか」
「そうですか? 迎えが早すぎて、用事が済みませんでした。もう一度行かなければならないです」
「ほう、未婚の女性の家に通いつめるとはあまり外聞が良くないな。第三王子として節度ある行動をしてもらいたいものだが」
やはりお見通しだったか。
執務机で顔も上げずに書類に署名を続ける兄を横目に、ルーファスは大股に部屋を横切った。奥のソファセットに腰かける。用件はおそらくあれだろう。
このこともまた、ルーファスはマリアに言いそびれてしまった。「何も見せてくれない」と詰め寄る彼女に、打ち明けようと思ったのだが。
「また使者殿でも来られましたか?」
「わかっているなら早く返事をしろ」
「返事なら何度もしているんですが、パメラ殿は字がお読みになれないのでしょうか?」
「ルーファス、失礼だぞ。相手はトゥーリスの女王だ」
エドモンドがいさめたが、これまでも何度も受け流してきた視線だ。ルーファスは腕を組んだ。
トゥーリスはここ、ヴェスティリアよりも東の大国だ。かの国を統べる女王の本名はエルミラ・パメルド・アンリアージュという。
パメラというのは偽名だ。
もう何度も同じやり取りをしているのだが、一向に懲りる気配がないので、厄介な相手である。
「返事は一つしか認めない、ということだな。特に最近は、向こうの政情もきな臭い。早く決めて国内を安定させたいというところか」
「わかっていますよ……」
「どちらにしろ、このままでは埒があかない。一度膝を突き合わせて話をしろ」
「こっちの話を聞いてくれる気はあるんでしょうかね……」
思わず遠い目をしてしまった。
最初に使者が来たときから三年、のらりくらりとかわしてきた。やんわりと拒否も伝えている。それでももう退路はじりじりと狭まっている気はする。
長い間放っておいたくせに。顔を見に来たこともないくせに。今更じゃないか? それともそう思う自分が子供なだけなのか。
とはいえ、実は離宮からマリアの家へ向かう途中で考えてはいた。マリアの元からここへ帰るまでも。
──このままにしておくことはできない。
「一体何が気に入らないんだ?」
「僕の性には合わないって、兄上ならわかるでしょう」
「合う合わないじゃないだろう。私も仕方がないから果たしているだけだ」
「兄上でもそうお考えなのですか。てっきり兄上は喜んでおられるのかと」
「これが喜んでいるように見えるか? 私はお前と違って、最初から決まっていたことだからな。覚悟ができているだけだ」
「兄上、わかってくださるなら代わってくださいよ。僕はひっそりと生きていたいんですよ」
阿呆が、とエドモンドが吐き捨ててどさりとルーファスの向かいに腰を下ろした。歳の割に、眉間には深い皺が刻まれている。
「お前が日の目を見るチャンスだろ」
「もう二十年ですよ。覚えてもいませんし」
「けど相手はトゥーリスだ。ここよりも大国じゃないか」
だからこそだ。自分に御せるような代物ではない。ここはやはり直接拒否を伝えに行くしかないな、と考えたところでひたと自分を見据える視線とぶつかった。
「お前……、マリア嬢とはどういう関係だ?」
「はい。次はブレア領で……ですか。ここで会えないのは寂しいですね」
「仕方ないわ。何もかも同じではいられないもの」
マリアは弱く微笑んだ。かつてオルディス家の執事だったアランが、ルーファスの従者に外套を渡し、従者が彼に着せかける。
マリアの足元で、ナァーゴが「ナァー、ナァァー」と名残惜しそうに鳴く。ルーファスが外套の袖を通しながら、恨みがましい目で下を向いた。
「ナァーゴとは気が合いそうだったのに、最後に邪魔をしてくるとはしてやられましたね」
「ナァーゴは私を守ってくれたのよ」
「マリアさん、頰が赤いですよ?」
「もう、早く行って」
つい先ほどのことが生々しく頭の中で再生されたのに、気付かれたらしい。居たたまれなくて、視線を逸らす。ルーファスがふっと笑う気配がする。
「マリアさんも、もうすぐ出立するんですよね。次はブレア領に連絡します」
「……待ってる」
──さっきはついあんなこと言っちゃったけど。
これまでのように頻繁に会えるわけじゃない。マリアの方から訪ねて行ける相手でもない。ルーファスなら気にせずに王宮に通してくれるだろうけれど、王子が平民の娘を特別の理由もなく王宮に引き入れるだなんて、外聞が良くない。
──結局、私にできることといえば待つことだけ。
さっきだって、さんざん乱されたのは自分だけだ。ルーファスは涼しげな表情を崩しもしない。
ちくりと胸に針が刺さる。マリアはそれに意識を向けないようにして笑った。
「私がいないからって、ダンスの練習を怠けたらだめよ」
「マリアがいないと練習できませんから、すぐに会いに行きますね」
「もう、一人でもやりなさいって言ってんの」
軽く睨むと、ルーファスが柔らかく目を細める。その目が不意に、ほんのわずかに鋭くなった。「マリア」と呼ぶ声からもおどけたところが消える。
「一人での外出は控えてください。外出をするときも、なるべく大通りを歩いてください。今みたいに日が暮れた後は特に、外に出ないようにしてください」
「なぁに、それ」
「見知らぬ人にはふらふらと付いて行かないように。マリアをどこかへ連れ出そうとする言葉には決して乗らないように。人の言葉の裏を良く見極めてください」
「どうしたの、急に。子供じゃあるまいし」
唐突なお説教に、マリアは苦笑する。
「いいから、約束してください」
「何なのよ、大丈夫よ心配しなくても」
本当に、急にどうしたというのだろう。心配されているらしいのは何やらくすぐったいのだが、それにしてもあんまり自分が頼りないみたいではないか。
「マリアは目を離すと何をしでかすかわかりませんから」
「私が何をしたって言うのよ」
「はあ、本当に心配です……特に僕以外の男には気を付けてくださいね」
「あら、それじゃお父様やアランにも気を付けなくちゃならなくなるわ」
笑いながら返したところで、ひゅっと笑いが引っ込んだ。ルーファスが真顔で怖い。
「わかった、外では気を付ける」
「はい、良くできました」
へらりと笑ったルーファスが、彼の従者とアランに後ろを向くように指示する。ルーファスが一歩踏み出した。マリアは首を傾げる。
「どうしたの?」
肩を掴まれたと思ったら、唇が重ねられる。でもそれは一瞬のことで、すぐにまた唇も手も離れていった。
「ではまた。マリア」
ルーファスが背を向けて、小さく声を掛ける。すたすたと歩み去る彼に合わせてすかさずアランが玄関ホールのドアを開け、マリアは呆然とルーファスを見送った。
全く、迎えの来るタイミングは最悪だった。
今度こそマリアと行き着くところまで行けるかと思ったところだったのに、猫も猫だし、従者も従者だ。
猫はまだ仕方がない。ナァーゴはマリアの友人? 友猫である。ライバルの内の一人ならぬ一匹ではあるが、今のところナァーゴにお目見えさせてもらったのは自分だけみたいだから、まだ許せる。しかし、従者は──あれは駄目だろう。あんなタイミングでオルディス家を訪れるとは、教育がなってない。
ルーファスは王太子の執務室をノックしながら、さっきの光景を思い出して舌打ちした。
マリアは猫みたいな存在だ。今度こそ、今度こそ、と思う度にすり抜ける。頑固なくせに妙になついてくるから始末が悪い。気が付けば振り回されている気がする。それが嫌なわけでは決してなくて、むしろどちらかというと楽しいとすら思うのだが。
──あともう一歩だったのに。
「エドモンド兄上、お呼びだと伺いましたが」
「遅かったな。寄り道にしては長かったんじゃないか」
「そうですか? 迎えが早すぎて、用事が済みませんでした。もう一度行かなければならないです」
「ほう、未婚の女性の家に通いつめるとはあまり外聞が良くないな。第三王子として節度ある行動をしてもらいたいものだが」
やはりお見通しだったか。
執務机で顔も上げずに書類に署名を続ける兄を横目に、ルーファスは大股に部屋を横切った。奥のソファセットに腰かける。用件はおそらくあれだろう。
このこともまた、ルーファスはマリアに言いそびれてしまった。「何も見せてくれない」と詰め寄る彼女に、打ち明けようと思ったのだが。
「また使者殿でも来られましたか?」
「わかっているなら早く返事をしろ」
「返事なら何度もしているんですが、パメラ殿は字がお読みになれないのでしょうか?」
「ルーファス、失礼だぞ。相手はトゥーリスの女王だ」
エドモンドがいさめたが、これまでも何度も受け流してきた視線だ。ルーファスは腕を組んだ。
トゥーリスはここ、ヴェスティリアよりも東の大国だ。かの国を統べる女王の本名はエルミラ・パメルド・アンリアージュという。
パメラというのは偽名だ。
もう何度も同じやり取りをしているのだが、一向に懲りる気配がないので、厄介な相手である。
「返事は一つしか認めない、ということだな。特に最近は、向こうの政情もきな臭い。早く決めて国内を安定させたいというところか」
「わかっていますよ……」
「どちらにしろ、このままでは埒があかない。一度膝を突き合わせて話をしろ」
「こっちの話を聞いてくれる気はあるんでしょうかね……」
思わず遠い目をしてしまった。
最初に使者が来たときから三年、のらりくらりとかわしてきた。やんわりと拒否も伝えている。それでももう退路はじりじりと狭まっている気はする。
長い間放っておいたくせに。顔を見に来たこともないくせに。今更じゃないか? それともそう思う自分が子供なだけなのか。
とはいえ、実は離宮からマリアの家へ向かう途中で考えてはいた。マリアの元からここへ帰るまでも。
──このままにしておくことはできない。
「一体何が気に入らないんだ?」
「僕の性には合わないって、兄上ならわかるでしょう」
「合う合わないじゃないだろう。私も仕方がないから果たしているだけだ」
「兄上でもそうお考えなのですか。てっきり兄上は喜んでおられるのかと」
「これが喜んでいるように見えるか? 私はお前と違って、最初から決まっていたことだからな。覚悟ができているだけだ」
「兄上、わかってくださるなら代わってくださいよ。僕はひっそりと生きていたいんですよ」
阿呆が、とエドモンドが吐き捨ててどさりとルーファスの向かいに腰を下ろした。歳の割に、眉間には深い皺が刻まれている。
「お前が日の目を見るチャンスだろ」
「もう二十年ですよ。覚えてもいませんし」
「けど相手はトゥーリスだ。ここよりも大国じゃないか」
だからこそだ。自分に御せるような代物ではない。ここはやはり直接拒否を伝えに行くしかないな、と考えたところでひたと自分を見据える視線とぶつかった。
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