68 / 104
第七階層 幻想生物画(陸)-13
しおりを挟む「……ぅ゛、……、」
「あー…、久々に笑ったー」
きっとドラキアはフェロモンを自由自在に操れている。そしてその操作性は酷く巧みだ。だからこそ境目が曖昧になる。フェロモンのせいなのか、それとも本当に自分が痛みでも感じられるような変態になってしまっているのか。グレイは分からなくなる。
もう、むりだ。だめだ。
このままじゃ、身体だけでなく心までめちゃくちゃにされる。
逃げたい。助けてほしい。
ボロボロととめどなく溢れる涙が机を汚す。
オークルはまだ第七階層には入れない。今日はドラキアがグレイを呼んでいるという理由で、グレイだけ特別にこの場に来れている状況だ。あまり長時間第七階層から出ないようだと誰がが異変を察知してくれるかもしれないが、それじゃあいつになるか分からない。
自分でどうにかするしかない。
快楽に散る思考の中、必死で生き延びるための案を探ってやっと浮かんだのは、いつかのカガリの台詞だった。
『──次は尻たぶ広げながら「カガリのおち〇ぽをこの淫乱な濡れ濡れメスま〇こに奥までズポズホして下さい」って』
……酷い記憶だが、
『人間の願いは聞かない』と明言していたドラキアに、もしもグレイがこれを言ったとしたら──。
ヘロヘロの頭にしては上出来の案に、グレイは早速両手を自身の臀部へと伸ばす。
羞恥心は捨てろ。命がかかってる。
震える指を食い込ませて、汗だくの尻たぶをぐに、と左右に引っ張った。
クパクパと物欲しげな開閉を繰り返し、その度にむわりと中の熱い粘膜が覗く卑猥な穴がドラキアの前に晒される。途中、どろぉっ、と中を満たす白濁がだらしなく溢れ出してくる感覚にグレイは堪らずビクついたが、あられもない声で喘いでしまうことは避けられた。
……っはやく、こえを、ととのえて、
「………っ、ドラキアさっ、んのぉ、おち〇ぽっ、い、いんらんメスま〇こに、はぅ……っ、いちばんっ奥まで、……っぅ、ず、ずぼずぼ、してください……っ」
しん、と沈黙がその場を支配する。
グレイは作戦の成功を期待して、僅かに心を明るくした。
よ、よしこの隙に………隙に、も何も足腰まともに動かないんだった!と、とりあえず床にしゃがみ込んでから這って出口まで──、
そこまで考えていたあたりで、後ろから無言で両脚を持ち上げられる。先程まで申し訳程度に床に引っ付いていたグレイの脚だ。そのまま円卓の上へと乗り上げさせられて、同時に今までずっとうつ伏せだった身体も正面を向く体勢に変えられる。
両手で膝を引き離された。股がM字にパッカリと大きく開く。
「……ぁ、の、おれ、お、ぉ、おち◯んぽっ、中に……っ、」
無意識にずり上がる腰を机の端の方まで引き戻された。ぐっ、とグレイの太ももが腹へ押しつけられ、雄を挿入するための性器が丸見えになる。
じわりと更に視界がぼやけて、喉が痛みと共に激しくヒクつき出した。
「はぁーっ!はぁーっ!ひっ、ゃ、やめっ、……はっ、い、ぃいいちっばん、お、おくっ、おぐ……っ、はぁっ!はぁっ!はぁっ!」
グレイの尻に、円卓の縁に立つドラキアの腰がピッタリ触れる。同時に、火傷しそうな程に熱い剛直がずしり、とグレイの縮こまった陰茎の上に乗せられた。次いで、ずり……、ずりぃ……、とブツだけの重さでグレイの物をすり潰すように、それは何度か同じ場所を往復する。
グレイの胸は忙しなく上下して、カチカチカチと細かく歯が鳴っていた。
必死で言葉を繰り返す。
しかし心の何処かで、もうそれではドラキアを止められないと分かっていた。
激しい収縮が続くグレイの入り口に、灼熱の切っ先がぐっ、と決して逸れないようあてがわれる。
グレイは、ぐしゃりと眉の下がりきった顔で言った。
「……ぃ、い゛れで、ほじぃ……っ!」
瞬間、ごぷっ、と一気に溢れ出てきた白濁を奥に押し戻すように、ドラキアはグレイを貫いた。
「──お゛ッッ…!?っあ゛ーーー!!!」
「……ムカつくなあ……ッ!!」
「~~~ッッ!!」
ばちゅん!ばちゅん!ごちゅごちゅごちゅっ!!
押し潰すように覆い被さられて、散々中出しされた精液が泡立つくらい激しく揺さぶられる。変に反抗しようとしたのが癇に障ったのか、ドラキアは苛立った風に今度はグレイの首の横に噛み付いた。
頸動脈に掠るそれに目の前が真っ赤になって、激しい痛みと恐怖の中、クラクラする蜜の匂いに全身を痺れさせて絶頂する。既に快感の容量限界を超過している身体は無意識に自身を守ろうと激しく暴れるが、ドラキアの胴体にのしかかられているため逃げ場はなく、羽をもがれた虫の如くもがくだけだ。
ぺろっと彼自身の唇に付いた鮮血を舐めとったドラキアは、その源泉であるグレイの傷口を更にみぢっ、と噛んで新しく溢れ出た血液を啜る。繰り返されるそれはまるで吸血鬼の食事風景のようだった。
絵画は外界の物質を取り込むと劣化する。それはグレイ達清掃スタッフにとっての常識で、当然どの階層でも気を遣ってきた。しかしドラキアは寧ろ積極的にそれを取り込もうとさえしている。
もうグレイには彼が何を考えているのか本気で分からなかった。
「ぁ゛、……ぅ゛ーーっ、ぅ゛ーー、」
「……ッ、ほらもっとイッとけ」
パチっと青白い電気をペニスに添えられそうになって、グレイは植え付けられた恐怖でガクガクと体を揺らす。
「……っ!?はぁっ、やっ、ごめんなさい、ごめ、なさいっ、ひっ、…ごえっ、ごえ、な゛ざいっ……!それやっ…です……っぃ、やだっ、」
「ン~??」
震えるグレイに、ドラキアの表情は何だか一気に楽しそうなものへと変わった。バチッ!バチッ!と、何度も何度も近くで電気を弾けさせて、その度にひっ!ひっ!とビクつくグレイで遊んでいるようにも見える。
嫌がるのは逆効果だ。どうせならこれも「して欲しい」と言った方が止めて貰える確率が上がる気がする。しかしそれを頭では理解していても、今のグレイが嘘でも電気を浴びせて欲しい、だなんて懇願を出来る筈がなかった。意味のある言葉を発すことが出来るとするならばごめんなさい、とやめてください、がか細く口から漏れるくらいである。
一回でもあれでバチッとされたら、次の瞬間には狂おしい程の強制的な絶頂が待っている。そしてそれは絶対に一回では終わらず、ドラキアが飽きるまで何度も、何度も繰り返されるのだ。漸く飽きられた頃にはきっとグレイは失神してしまっているだろうし、……いや、もはや失神出来た方がマシだったと思えるくらいにボロボロに壊れてしまっているかもしれない。
廃人のようになりながら一生電気を流され続けて絶頂する自分の姿を想像して、グレイは芯から戦慄した。
したいって言わなきゃ。でも怖い。言えない。電気嫌だ。辛い。苦しい。怖い。こわい……っ!
恐怖心がピークに達したその時、
──バチッ
目の前で一際大きな電気が弾けた。
50
お気に入りに追加
1,044
あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?



俺が総受けって何かの間違いですよね?
彩ノ華
BL
生まれた時から体が弱く病院生活を送っていた俺。
17歳で死んだ俺だが女神様のおかげで男同志が恋愛をするのが普通だという世界に転生した。
ここで俺は青春と愛情を感じてみたい!
ひっそりと平和な日常を送ります。
待って!俺ってモブだよね…??
女神様が言ってた話では…
このゲームってヒロインが総受けにされるんでしょっ!?
俺ヒロインじゃないから!ヒロインあっちだよ!俺モブだから…!!
平和に日常を過ごさせて〜〜〜!!!(泣)
女神様…俺が総受けって何かの間違いですよね?
モブ(無自覚ヒロイン)がみんなから総愛されるお話です。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる