ヴァーミリオンの絵画館

椿

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第六階層 天使・悪魔画-9

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 お、終わった……。

 余韻にヒクヒクと収縮する穴を自覚しつつも、グレイは責め苦の終わりへの安堵感に汗だくの身体から力を抜いた。
 ……しかし、また間を置かない内に身体は反転させられ、

「んじゃ、次はまた俺ちゃんね~。…もー、待ちくたびれちゃったよご主人様♡」
「ぇ、」

 ずぶぶぶ…っ!!ずちゅ、ぬぶっ!ズンッズンッズンッ!!パンッパンッパンッパンッ!!!

 まだ閉じ切らない後孔に、デビッドの硬くて熱い雄勃起が我が物顔で差し込まれる。ぎゅんぎゅんとキツく締め付ける肉を全部押し退けて一瞬で奥までみっちり埋まった肉棒は、もうその場所での暴れ方を知っているみたいに即座に高速ピストンで中を抉った。

 好き勝手揺さぶられて、その度にグレイは暴力的な絶頂感に抗う術もなく喘ぐ。すでに射精の感覚はなかった。いやもしかすると出てすらいなかったのかもしれない。ただ脳を犯す大きな快感が絶え間なく身体を痙攣させて、グレイをずっとイかせてくる。終わらない快感が怖くて仕方が無かった。

 もう最初からずっと地面に敷かれている薄い布は、ビクンビクン跳ねる足先で何度も掻き集めて、痙攣と共にぎゅーっと力の入る指で掴んで、引っ張って、皺くちゃになって、そして卑猥な液体と滲む汗を全部吸い込んでグレイに纏わりつく。

 ぁ゛ー…っ、はひゅ、と息も絶え絶えに唸りながら、溺れるような快楽の狭間で何でこんなことになってるんだっけ?と当然の疑問が浮かんだ。

 ああそうだ。何でしゃぶりつきたくなるのか、聞くつもりだった。

 ほんの一欠片だけ残った理性を掻き集めて、グレイは意味のある言葉を絞り出す。

「なっ、でっ、ぁっ!……ッ、しゃっぶ、しゃ、あ゛っ!あっ、あひぃっ!」
「ん~~?うんうん、気持ち良いねぇ…っ」
「ちがっ、ひあっ、アッ、あ゛っ!~~っ、んん゛っっ!?」
「……はぁっ、ご主人…っ、もう一度舐めてくれ」
「~~~~ッッ、」

 ズバンッズバンッズバンッ!!どちゅどちゅどちゅどちゅ!!グリッグリッぐりゅうっ!!
 じゅぶっ!じゅぶっ!じゅぼっ!じゅっぱん…っ!!

 意思は伝わらないままに、アインセルの肉棒が無理やり口に捩じ込まれてもうやり直しもきかなくなる。
 上下から激しく責められてもみくちゃにされる中で、グレイの意識は段々遠のいていった。






「……戻りが遅いから、まさかと思って来てみれば…っ!!」

「…っ、はっ、はっ、ご主人っ」
「…ぁ゛ーッ、…あっ、あ゛っ…、」
「あ!オークルくーん!混ざるぅ~??4P大歓迎~!」

 当たって欲しく無かった予感の的中に顔を引き攣らせるのは、グレイの様子を見に来たオークルだった。
 眼前に広がるのは、オークルが絵に入ってきたにも関わらず、まるでそれに気付いていないかのように夢中でピストンを続ける天使。そして彼に組み敷かれ、ぐったりと律動に合わせて揺さぶられているだけの後輩。最後に、愉快そうにこちらを手招く半裸の悪魔。

「今っ、すぐにっ、…っ止めろーーーッッ!!」
「あははっ!声デカっ!」




 ~~掻き出しタイム~~

「……あっ、ひっ、ぅゔっ、すみませ…っ、ぜん゛ばい゛ぃ~~」
「ああもう泣くな…っ!」

 じゅぷ…っ、ぬぷぷっ…、じゅぽ…っ

 尻だけを掲げた何とも間抜けな格好で職場の先輩に精液の処理をさせている自分の情けなさに、グレイは緩んだ涙腺をまた更に開けて死にたくなりながら号泣した。
 未だ色褪せない濃さでぶり返す快感に歯を食いしばって耐えている中、それを少し離れた場所で見ているのは掻き出される精液の持ち主であるトップの二人である。
 首に『反省中』と書いたプレートをぶら下げた似合わない姿で並んで正座をする彼らは、小さく震えるグレイからジッと目を逸らさずに呟いた。

「あーあぁ、勿体無いなぁ~…」
「……96番、僕が事後処理を代わろう」
「本当に反省してます???」

 オークルの胡乱気な視線を受けて、デビッドは自身のプレートにだけ『本当に』の文字を付け足してヘラリと笑った。


 *

「で、『好かれ体質』の原因は分かったのか?」
「あ。…………聞きそびれました…」

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