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第1章
34話 翻弄される俺
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話が終わったところで、ギルド長と教皇は挨拶もそこそこに退室した。俺たちはキーレンに呼び止められたためそのまま部屋に残った。
「さて、色々と立て続けに知らせる形になってすまなかったね。」
「ただの冒険者ではないと思ってはいたけど、まさか王子様だったとはね…」
「まあ色々と情報を集める中であまり私の身の上を明らかにするのはどうかと思ったんだ。それにわかっていたら普通に接するのは難しいだろう?」
「まあ確かに」
ベレッタがやれやれといった感じで返事を返す。確かに最初から王子だと知らされてしまっていたら、自分たちも変な動きをしてしまったかもしれない。
「さっきも言ったように、これからもキーレンとして活動するのでよろしく頼む。今回のことで私も君たちがそばにいると大変心強い。何より神の奇跡も目の当たりにしたしな。この国の病根を完全に断つには君たちの協力が必要だと確信している。」
「俺は世界を帝国から守るためならいくらでも協力しますよ。それが神に示された俺の使命です。」
「僕はクリスさんと一緒です。」
「あたしもヘレンを助けるために必要なことならなんだってする。そのためにはやっぱりあんたたちと一緒にいるのが良さそうだ。」
「3人とも感謝する。しばらくは情報を集めることにまた時間が必要になる。新たに任務ができたらまたギルドを通して依頼をするから、それまで自由に行動していてくれ。できれば王都付近にいてくれると助かる。」
「わかりました。」
3人の快諾に満足な笑みを浮かべたキーレンに別れの挨拶をして退室して王宮を出た。王宮を出たところではまた送りの馬車が待っていたので、3人で乗り込み街に戻る。馬車を降りたところでベレッタは別行動を取るという。
「じゃあたしはこの辺りでしばらくは情報収集しているけど、何かクエストに行くようなら呼んでおくれ。」
そう言ってベレッタは酒場の並ぶ通りへと消えていった。あんな色っぽいお姉さんが一人で歓楽街なんて歩いて大丈夫なのかな、とふと考えたが、ベレッタだから大丈夫かとすぐに思い直した。
さてベレッタと別れてしまったし、俺たちはどうしよう。
ここしばらくはずっと救出事件に関わっていたから、解決して時間ができると何をしたらいいのか途端にわからなくなる。
「えっと、これからどうしましょうか?クリスさん」
「そうだな。とりあえず大聖堂で祈りを捧げてもいいか?その後装備を見たりとか買い物とかどうだろうか?」
「僕も一緒でいいんですか?」
「もちろんだ。むしろ行きたいところはないのか?」
「僕もクリスさんと同意見だから問題ありません!」
俺はぐっと拳を握ってクリスに意気込むと、クリスは微笑みながらクスクスと笑った。
さっきまでの困った感じはすぐに霧散した。
「それはよかった。じゃ行こう」
この後2人で大聖堂に行き、神像に向かって2人で祈りを捧げた。自分自身の像に祈りを捧げるのもなんだか不思議なものだが、ここで俺が祈りをしないというのは逆に不自然だ。というか、どう見ても俺じゃないし。
信仰心がないのに聖魔法が使えるというのもなんだか可笑しく見えるだろうし。
大聖堂に行くとたまたま通りかかった神殿騎士隊長のエンリコに呼び止められた。
「おお、2人とも先日は大活躍だったな。本当に子供達を助けることができてよかった。」
「そうだな。あなたたち教会の方々の力も大変ありがたかった。ありがとう。」
「いやいや、神の思し召しに従うのは神殿騎士としてなら当然のこと。使命が果たせてホッとしているよ。それより君たちに起きた奇跡は多分今後伝説に残るほどのものだと思うよ。与えられた武器は大事にするんだよ。」
「もちろんです。ありがたく大事に使わせてもらいます。」
「僕もです!」
「うんうん。まだ疲れているだろうから、ゆっくり休んで次の戦いに備えるといい。多分これからもっと大きなことが起きそうな気がするんだ。」
エンリコとの話の最後の方は帝国が段々と不穏な動きを隠さなくなってきたことや、国際政情が不穏になりつつあることが中心だった。一通り立ち話をしてから、エンリコと別れた。
次は買い物だ。とその前にギルドで依頼達成の報酬をもらって買い物の軍資金とする。
と言っても使いきれないくらいの金額を渡されたのでほとんどはそのままギルドに預けてしまったのだが。
「す、すごい金額でしたね。」
「そうだな。ちょっとドンびくくらいの金額だ。だが、その分責任を感じたよ。」
「そうですね。一緒に帝国をぶっ倒しましょう!」
「こらこら、平和にことが済むならそれが一番なんだぞ。」
意気込む俺にクリスが大人の視点で宥めに入る。確かにそうなんだけど、そうなんだけど、結局戦うことになるんだよクリス…。それはきっとこれから行動する中で明らかになってくるだろう。なんせ帝国を潰すくらいのつもりで戦わないと人類は滅亡するのだから。
でも今はクリスの言葉に従っておく。俺がそう思えるのは俺が創造者としてこの世界を何度も経験しているからだ。それをクリスたちにも知ってもらうには、帝国がなんのために何をしているのかを彼らに世間に明らかにしないといけない。
「ハァ~い。」
「よし、じゃあ防具を買いに行こうか。役に立つアイテムとかもあれば見ておきたいしな。」
「行きましょう!クリスさん!」
「タケル!先に行くと迷うぞ!」
今は暗いことは一旦置いといて、こうしたクリスとのわずかなひと時を楽しみたいから、俺は明るく振る舞って商店街の方に駆け出した。
一通り買い物を終えてお互いに満足した俺たちは、夕飯前にちょっと散歩しようということになって王都の中心にある王立公園に来ていた。
すっかり日は傾いて、夕暮れどきといえる時間帯だ。夕日に照らされるクリスの横顔を眺めると、悩ましげな顔をしていた。金髪の髪が夕陽を反射してキラキラと輝き、顔の陰影を濃くしている。その一枚の絵画のような姿にひと時我を忘れる。
いかんいかん。保存しておかないと!
「クリスさん。どうしたんですか?なんだか考え込んだような顔をして…疲れましたか?」
「いや、そうじゃないんだ。今回のこの旅にもしタケルがいなかったらと考えると、とても恐ろしいような気がしてな。ここまで生き抜けることができただろうか、と思ったんだ。」
「クリスさんすごく強いじゃないですか。確かに僕の補助魔法のサポートでさらに生存の確率は上がったかもしれませんけど。」
「そういうことじゃないんだ。タケルの存在に助けられてる。それだけじゃない、守られている気がするんだ。」
「クリスさん…」
実際のところ、今までの世界ではクリスが勇者とわかってからも俺がプレイヤーとしてログインすることはなかった。それでもかなり有力な仲間たちが仲間になり、助け合って色々な難局をクリアしていた。
それでも人類は救えなかった。だから俺本人が今度こそこの世界をクリスと救うつもりでログインしたのだ。
だからクリスが感じていることはあながち間違いじゃない。
確かに俺はクリスをプレイヤーとして、神として守っている。それはもうガチガチに。
「本当は俺はあまり人前に出たり、目立つようなことは好きではないんだ。」
「そうなんですか。でもそんな気はしていました。自分から前に出るのは使命感から、ですよね?」
「ああ。だから内心ではとても不安なんだが、タケルがいるとなんでもうまくいく気にさせてくれる。不思議だな?」
「そう思ってもらえたならよかったです。僕もクリスさんを最後までサポートしますから!」
天から地からあなたをお支えするよ、クリス。
俺がガッツポーズを取って笑顔で答えると、クリスは最高の笑顔で俺の頭を撫でた。
俺の頭から手を離して俺の手を取ると、クリスは俺の手の甲を自分の口元に寄せてキスをした。
え、ええ~!な、なんで?いきなり?どういうこと?
突然のことに混乱する俺を尻目に、クリスは俺を抱き寄せると俺の耳元でこう呟いた。
「絶対に生きて、世界を平和にしたら、一緒にずっと冒険しような。タケル。」
「は、はいぃぃ。」
俺の意識はここで途絶えた。
ーーーーーーーーーー
一旦ここで一区切りとさせていただきまして、次回からは3、4回ほど番外編の回となります。
「さて、色々と立て続けに知らせる形になってすまなかったね。」
「ただの冒険者ではないと思ってはいたけど、まさか王子様だったとはね…」
「まあ色々と情報を集める中であまり私の身の上を明らかにするのはどうかと思ったんだ。それにわかっていたら普通に接するのは難しいだろう?」
「まあ確かに」
ベレッタがやれやれといった感じで返事を返す。確かに最初から王子だと知らされてしまっていたら、自分たちも変な動きをしてしまったかもしれない。
「さっきも言ったように、これからもキーレンとして活動するのでよろしく頼む。今回のことで私も君たちがそばにいると大変心強い。何より神の奇跡も目の当たりにしたしな。この国の病根を完全に断つには君たちの協力が必要だと確信している。」
「俺は世界を帝国から守るためならいくらでも協力しますよ。それが神に示された俺の使命です。」
「僕はクリスさんと一緒です。」
「あたしもヘレンを助けるために必要なことならなんだってする。そのためにはやっぱりあんたたちと一緒にいるのが良さそうだ。」
「3人とも感謝する。しばらくは情報を集めることにまた時間が必要になる。新たに任務ができたらまたギルドを通して依頼をするから、それまで自由に行動していてくれ。できれば王都付近にいてくれると助かる。」
「わかりました。」
3人の快諾に満足な笑みを浮かべたキーレンに別れの挨拶をして退室して王宮を出た。王宮を出たところではまた送りの馬車が待っていたので、3人で乗り込み街に戻る。馬車を降りたところでベレッタは別行動を取るという。
「じゃあたしはこの辺りでしばらくは情報収集しているけど、何かクエストに行くようなら呼んでおくれ。」
そう言ってベレッタは酒場の並ぶ通りへと消えていった。あんな色っぽいお姉さんが一人で歓楽街なんて歩いて大丈夫なのかな、とふと考えたが、ベレッタだから大丈夫かとすぐに思い直した。
さてベレッタと別れてしまったし、俺たちはどうしよう。
ここしばらくはずっと救出事件に関わっていたから、解決して時間ができると何をしたらいいのか途端にわからなくなる。
「えっと、これからどうしましょうか?クリスさん」
「そうだな。とりあえず大聖堂で祈りを捧げてもいいか?その後装備を見たりとか買い物とかどうだろうか?」
「僕も一緒でいいんですか?」
「もちろんだ。むしろ行きたいところはないのか?」
「僕もクリスさんと同意見だから問題ありません!」
俺はぐっと拳を握ってクリスに意気込むと、クリスは微笑みながらクスクスと笑った。
さっきまでの困った感じはすぐに霧散した。
「それはよかった。じゃ行こう」
この後2人で大聖堂に行き、神像に向かって2人で祈りを捧げた。自分自身の像に祈りを捧げるのもなんだか不思議なものだが、ここで俺が祈りをしないというのは逆に不自然だ。というか、どう見ても俺じゃないし。
信仰心がないのに聖魔法が使えるというのもなんだか可笑しく見えるだろうし。
大聖堂に行くとたまたま通りかかった神殿騎士隊長のエンリコに呼び止められた。
「おお、2人とも先日は大活躍だったな。本当に子供達を助けることができてよかった。」
「そうだな。あなたたち教会の方々の力も大変ありがたかった。ありがとう。」
「いやいや、神の思し召しに従うのは神殿騎士としてなら当然のこと。使命が果たせてホッとしているよ。それより君たちに起きた奇跡は多分今後伝説に残るほどのものだと思うよ。与えられた武器は大事にするんだよ。」
「もちろんです。ありがたく大事に使わせてもらいます。」
「僕もです!」
「うんうん。まだ疲れているだろうから、ゆっくり休んで次の戦いに備えるといい。多分これからもっと大きなことが起きそうな気がするんだ。」
エンリコとの話の最後の方は帝国が段々と不穏な動きを隠さなくなってきたことや、国際政情が不穏になりつつあることが中心だった。一通り立ち話をしてから、エンリコと別れた。
次は買い物だ。とその前にギルドで依頼達成の報酬をもらって買い物の軍資金とする。
と言っても使いきれないくらいの金額を渡されたのでほとんどはそのままギルドに預けてしまったのだが。
「す、すごい金額でしたね。」
「そうだな。ちょっとドンびくくらいの金額だ。だが、その分責任を感じたよ。」
「そうですね。一緒に帝国をぶっ倒しましょう!」
「こらこら、平和にことが済むならそれが一番なんだぞ。」
意気込む俺にクリスが大人の視点で宥めに入る。確かにそうなんだけど、そうなんだけど、結局戦うことになるんだよクリス…。それはきっとこれから行動する中で明らかになってくるだろう。なんせ帝国を潰すくらいのつもりで戦わないと人類は滅亡するのだから。
でも今はクリスの言葉に従っておく。俺がそう思えるのは俺が創造者としてこの世界を何度も経験しているからだ。それをクリスたちにも知ってもらうには、帝国がなんのために何をしているのかを彼らに世間に明らかにしないといけない。
「ハァ~い。」
「よし、じゃあ防具を買いに行こうか。役に立つアイテムとかもあれば見ておきたいしな。」
「行きましょう!クリスさん!」
「タケル!先に行くと迷うぞ!」
今は暗いことは一旦置いといて、こうしたクリスとのわずかなひと時を楽しみたいから、俺は明るく振る舞って商店街の方に駆け出した。
一通り買い物を終えてお互いに満足した俺たちは、夕飯前にちょっと散歩しようということになって王都の中心にある王立公園に来ていた。
すっかり日は傾いて、夕暮れどきといえる時間帯だ。夕日に照らされるクリスの横顔を眺めると、悩ましげな顔をしていた。金髪の髪が夕陽を反射してキラキラと輝き、顔の陰影を濃くしている。その一枚の絵画のような姿にひと時我を忘れる。
いかんいかん。保存しておかないと!
「クリスさん。どうしたんですか?なんだか考え込んだような顔をして…疲れましたか?」
「いや、そうじゃないんだ。今回のこの旅にもしタケルがいなかったらと考えると、とても恐ろしいような気がしてな。ここまで生き抜けることができただろうか、と思ったんだ。」
「クリスさんすごく強いじゃないですか。確かに僕の補助魔法のサポートでさらに生存の確率は上がったかもしれませんけど。」
「そういうことじゃないんだ。タケルの存在に助けられてる。それだけじゃない、守られている気がするんだ。」
「クリスさん…」
実際のところ、今までの世界ではクリスが勇者とわかってからも俺がプレイヤーとしてログインすることはなかった。それでもかなり有力な仲間たちが仲間になり、助け合って色々な難局をクリアしていた。
それでも人類は救えなかった。だから俺本人が今度こそこの世界をクリスと救うつもりでログインしたのだ。
だからクリスが感じていることはあながち間違いじゃない。
確かに俺はクリスをプレイヤーとして、神として守っている。それはもうガチガチに。
「本当は俺はあまり人前に出たり、目立つようなことは好きではないんだ。」
「そうなんですか。でもそんな気はしていました。自分から前に出るのは使命感から、ですよね?」
「ああ。だから内心ではとても不安なんだが、タケルがいるとなんでもうまくいく気にさせてくれる。不思議だな?」
「そう思ってもらえたならよかったです。僕もクリスさんを最後までサポートしますから!」
天から地からあなたをお支えするよ、クリス。
俺がガッツポーズを取って笑顔で答えると、クリスは最高の笑顔で俺の頭を撫でた。
俺の頭から手を離して俺の手を取ると、クリスは俺の手の甲を自分の口元に寄せてキスをした。
え、ええ~!な、なんで?いきなり?どういうこと?
突然のことに混乱する俺を尻目に、クリスは俺を抱き寄せると俺の耳元でこう呟いた。
「絶対に生きて、世界を平和にしたら、一緒にずっと冒険しような。タケル。」
「は、はいぃぃ。」
俺の意識はここで途絶えた。
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一旦ここで一区切りとさせていただきまして、次回からは3、4回ほど番外編の回となります。
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