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37 あなたのハートを狙い撃ち!
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◇◇◇
「うふふ、ごきげんようソフィアお姉様。今日は何やら重大な発表があるとかで、私も殿下から特別に招待状をいただきましたの。学園の外でもソフィアお姉様とお会いできてうれしいわ」
(そうだったんだ。お父様が言ってた余興ってやつかしら)
「あら、キャロルったらもうアルサイダー男爵令嬢とお知り合いなの?」
「ええ。ソフィアお姉様とは学園で毎日お会いしてますもの。私たち大の仲良しですのよ」
「まあ、キャロルにもついにお友達ができたのね!良かったわ。私達ずいぶん心配していたのよ」
どうもこのご令嬢たちはキャロルちゃんとずいぶん仲がいいらしい。と思っていると、
「あ、ソフィアお姉さま、リアス公爵家のメアリーお姉様とライン侯爵家のマチルダお姉様は私の姉ですの。カーター伯爵家のリリア様は兄の婚約者です」
なんと!全員キャロルちゃんの関係者だったとは。しかもメアリー様とマチルダ様は既婚で公爵夫人と侯爵夫人なのね。華やかで綺麗な若奥様……素敵。
妖精のように可愛いキャロルちゃんのお姉様だけあって、お二人ともうっすらとピンクがかった美しいピンクブロンドにサファイアのように青い瞳が印象的だ。メアリー様は大輪のバラのように華やかで、マチルダ様は百合の花のように凛とした印象を受ける。一方カーター伯爵家のリリア様はおっとりとして可憐な印象のご令嬢だ。焦げ茶色の髪と黒目がちの瞳が小動物のようで愛らしい。
「ソフィア様、とお呼びしてもよろしいかしら。よろしかったらこちらで一緒にお菓子を召し上がらない?ぜひ懐かしい学園の様子も聞かせて欲しいわ。まだレイモンド教授はお元気かしら。どうせ殿方はあいさつ回りでしばらく帰ってこないわ。女性同士楽しみましょうよ」
公爵夫人にも関わらず気さくに話しかけてくるところといい、華やかで社交的な様子はまさに社交界の花。メアリー様は他のご令嬢からも人気らしく、時折羨ましそうな視線を向けられている。今の社交界ではこのメアリー様が中心人物のようだ。できれば敵に回したくないが……
「ソフィアお姉様、よろしかったらご一緒しませんか?」
「でも、私なんかがご一緒していいのかしら」
「もちろんですわ!」
キャロルちゃんにまでうれしそうに手を引かれてしまうと断りづらい。まだ父もジークも戻りそうにないので大人しくついていくことにする。
◇◇◇
「まぁぁぁぁぁ!!!なんてこと!そんな新製品が出てたなんて!我が領地では熊の被害に毎年頭を悩ませてましたの!吹き矢なら訓練すれば子どもでも扱えますわね。これは素晴らしいわ。明日早速買いにいくわっ!主人に頼んで毎年一定数を定期購入させていただきますわ!いえ、それよりも父に頼んで国中の害獣対策として普及したほうがいいのかしら……」
「それよりも私は新しいコルセットについて気になりますわ。伸縮性のある生地を使ってコルセットのしめつけを軽減させる方法、画期的ね!私、体を締め付けるのがどうにも苦手で。コルセットなんてなくなればいいのにって常々考えてましたの」
「私は新製品のお菓子宅配サービスが気になります。この間いただいたマカロンもカラフルでとてもおいしかったけど、すぐ売り切れてしまって。毎月違ったスイーツが届くサービス、ぜひ使ってみたいわ」
あれ以来すっかり我がアルサイダー商会のファンとなったキャロルちゃんと同じく、皆様アルサイダー商会の上得意様であることが判明。かなりコアなサービスまで利用しているのには驚いた。
「他にも面白い商品はないかしら?」
と次から次に質問が飛んでくる。くっ!こんなときジークがいればっ!今すぐ発注書を手配するのにっ!
いや、待って、ジークに羽ペン片手に注文を取らせるところだったわ。習慣って恐ろしいわね。
高位貴族の御婦人や御令嬢達に囲まれて意外に楽しく会話が弾むなか、
「国王陛下!それは本気なのですか!」
突然会場内で声が上がった。
「うふふ、ごきげんようソフィアお姉様。今日は何やら重大な発表があるとかで、私も殿下から特別に招待状をいただきましたの。学園の外でもソフィアお姉様とお会いできてうれしいわ」
(そうだったんだ。お父様が言ってた余興ってやつかしら)
「あら、キャロルったらもうアルサイダー男爵令嬢とお知り合いなの?」
「ええ。ソフィアお姉様とは学園で毎日お会いしてますもの。私たち大の仲良しですのよ」
「まあ、キャロルにもついにお友達ができたのね!良かったわ。私達ずいぶん心配していたのよ」
どうもこのご令嬢たちはキャロルちゃんとずいぶん仲がいいらしい。と思っていると、
「あ、ソフィアお姉さま、リアス公爵家のメアリーお姉様とライン侯爵家のマチルダお姉様は私の姉ですの。カーター伯爵家のリリア様は兄の婚約者です」
なんと!全員キャロルちゃんの関係者だったとは。しかもメアリー様とマチルダ様は既婚で公爵夫人と侯爵夫人なのね。華やかで綺麗な若奥様……素敵。
妖精のように可愛いキャロルちゃんのお姉様だけあって、お二人ともうっすらとピンクがかった美しいピンクブロンドにサファイアのように青い瞳が印象的だ。メアリー様は大輪のバラのように華やかで、マチルダ様は百合の花のように凛とした印象を受ける。一方カーター伯爵家のリリア様はおっとりとして可憐な印象のご令嬢だ。焦げ茶色の髪と黒目がちの瞳が小動物のようで愛らしい。
「ソフィア様、とお呼びしてもよろしいかしら。よろしかったらこちらで一緒にお菓子を召し上がらない?ぜひ懐かしい学園の様子も聞かせて欲しいわ。まだレイモンド教授はお元気かしら。どうせ殿方はあいさつ回りでしばらく帰ってこないわ。女性同士楽しみましょうよ」
公爵夫人にも関わらず気さくに話しかけてくるところといい、華やかで社交的な様子はまさに社交界の花。メアリー様は他のご令嬢からも人気らしく、時折羨ましそうな視線を向けられている。今の社交界ではこのメアリー様が中心人物のようだ。できれば敵に回したくないが……
「ソフィアお姉様、よろしかったらご一緒しませんか?」
「でも、私なんかがご一緒していいのかしら」
「もちろんですわ!」
キャロルちゃんにまでうれしそうに手を引かれてしまうと断りづらい。まだ父もジークも戻りそうにないので大人しくついていくことにする。
◇◇◇
「まぁぁぁぁぁ!!!なんてこと!そんな新製品が出てたなんて!我が領地では熊の被害に毎年頭を悩ませてましたの!吹き矢なら訓練すれば子どもでも扱えますわね。これは素晴らしいわ。明日早速買いにいくわっ!主人に頼んで毎年一定数を定期購入させていただきますわ!いえ、それよりも父に頼んで国中の害獣対策として普及したほうがいいのかしら……」
「それよりも私は新しいコルセットについて気になりますわ。伸縮性のある生地を使ってコルセットのしめつけを軽減させる方法、画期的ね!私、体を締め付けるのがどうにも苦手で。コルセットなんてなくなればいいのにって常々考えてましたの」
「私は新製品のお菓子宅配サービスが気になります。この間いただいたマカロンもカラフルでとてもおいしかったけど、すぐ売り切れてしまって。毎月違ったスイーツが届くサービス、ぜひ使ってみたいわ」
あれ以来すっかり我がアルサイダー商会のファンとなったキャロルちゃんと同じく、皆様アルサイダー商会の上得意様であることが判明。かなりコアなサービスまで利用しているのには驚いた。
「他にも面白い商品はないかしら?」
と次から次に質問が飛んでくる。くっ!こんなときジークがいればっ!今すぐ発注書を手配するのにっ!
いや、待って、ジークに羽ペン片手に注文を取らせるところだったわ。習慣って恐ろしいわね。
高位貴族の御婦人や御令嬢達に囲まれて意外に楽しく会話が弾むなか、
「国王陛下!それは本気なのですか!」
突然会場内で声が上がった。
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