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第二章 ロルフとリリアの危険な冒険!?
第15話 もふもふは最高ですっ!
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◇◇◇
リリアの両親が住む村までは、王都から馬車で一週間程度かかる。
「村には何で行こうか?辻馬車を乗り継いでいくか、馬で行くかだけど……」
辻馬車を乗り継いでいくとなるとかなり遠回りとなるが、馬で行くとお尻が痛くなるのが問題だ。しかもリリアは正直馬に乗るのが得意ではない。
「ん~?馬なんか乗るより俺が走ったほうが早いな」
自信満々なロルフの言葉にリリアは思わず口をとがらせる。
「そりゃあロルフは黒ヒョウの獣人だから自分で走れるかもしれないけど、私はそんなの無理なのっ!」
「抱えていってやろうか?リリア一人ぐらい余裕で運べるぜ?」
「絶対やだっ!」
ニヤリと意地悪く笑うロルフにリリアはプイっと顔をそむける。旅の間ずっとロルフと密着しているなんて冗談じゃない。そんなのリリアの心臓が持たないに決まっている。
「だったら僕が乗せて行ってあげますよ」
ふんすと胸を張るフェンにリリアは目を丸くする。
「ええっ、無理だよ~そりゃあフェンのお母さんはすっごく大きいフェンリルだったけど、フェンはまだ子どもでしょ?」
「無理じゃないです!見てて。『変化っ!』」
フェンがくるりと回転すると、ちょうどポニーのような大きさのフェンリルに変身した。しかも、真っ白でふさふさの毛並みも心なしかグレードアップしているようにみえる。
「すごーい!フェンったらいつの間にこんなに大きくなったの!?」
「ふふん、実はリリアに契約をしてもらってから自分の大きさを変えられるようになったんです」
「すごいすごい!もふもふ!フェン可愛い~」
「リリア、くすぐったいです」
リリアにわしゃわしゃともふられ、くすぐったそうに笑うフェン。
「おお~、たいしたもんだな。これなら馬に乗るよりも疲れないな」
ロルフも目を丸くする。フェンの背中は広くもふもふしていて、心地よい柔らかさだ。思わずすりすりと頬ずりしたくなる。
「ああ、この毛並み最高……永遠に触っていられる……」
そんなリリアの言葉にちょっぴりムッとするロルフ。くるりと回転するとあっという間にフェンと同じくらいの黒ヒョウ姿に変身する。
「俺だって毛並みには自信がある」
いきなり現れた黒ヒョウ姿のロルフに目を丸くするリリア。今まで可愛い子猫サイズのロルフと完全に人型のロルフしか目にしたことがなかったため、黒ヒョウ姿は初めてだ。
「ろ、ロルフ……」
息を呑むリリアにちょっぴり不安になるロルフ。
「あ、いきなりわりい。もしかして、怖い?」
若干声のトーンを落としたロルフにリリアはきらきらと輝く目を向けた。
「か、か、可愛すぎる~~~~~~!!!でっかい猫!すっごく可愛い!この毛並み!ベルベットみたい!最高!」
言うなりすごい勢いでロルフをもふりだした。
「え、ちょっ、リリアっ!!!」
慌てて声を上げるロルフに構わず必死にもふるリリア。
「うわ~ん最高!フェンもロルフも可愛すぎる~~~~!天国!まさに天国!」
リリアのもふもふ好きに若干引き気味のフェンとロルフだったが、仕方なく満足するまでもふらせることにした。しかし、
「で?どっちに乗りたい?」
と聞かれて迷う。
「うう~ん、どっちも好き。ダメ?」
結局並走しつつ、リリアを交代で乗せることで落ち着いたのだった。
リリアの両親が住む村までは、王都から馬車で一週間程度かかる。
「村には何で行こうか?辻馬車を乗り継いでいくか、馬で行くかだけど……」
辻馬車を乗り継いでいくとなるとかなり遠回りとなるが、馬で行くとお尻が痛くなるのが問題だ。しかもリリアは正直馬に乗るのが得意ではない。
「ん~?馬なんか乗るより俺が走ったほうが早いな」
自信満々なロルフの言葉にリリアは思わず口をとがらせる。
「そりゃあロルフは黒ヒョウの獣人だから自分で走れるかもしれないけど、私はそんなの無理なのっ!」
「抱えていってやろうか?リリア一人ぐらい余裕で運べるぜ?」
「絶対やだっ!」
ニヤリと意地悪く笑うロルフにリリアはプイっと顔をそむける。旅の間ずっとロルフと密着しているなんて冗談じゃない。そんなのリリアの心臓が持たないに決まっている。
「だったら僕が乗せて行ってあげますよ」
ふんすと胸を張るフェンにリリアは目を丸くする。
「ええっ、無理だよ~そりゃあフェンのお母さんはすっごく大きいフェンリルだったけど、フェンはまだ子どもでしょ?」
「無理じゃないです!見てて。『変化っ!』」
フェンがくるりと回転すると、ちょうどポニーのような大きさのフェンリルに変身した。しかも、真っ白でふさふさの毛並みも心なしかグレードアップしているようにみえる。
「すごーい!フェンったらいつの間にこんなに大きくなったの!?」
「ふふん、実はリリアに契約をしてもらってから自分の大きさを変えられるようになったんです」
「すごいすごい!もふもふ!フェン可愛い~」
「リリア、くすぐったいです」
リリアにわしゃわしゃともふられ、くすぐったそうに笑うフェン。
「おお~、たいしたもんだな。これなら馬に乗るよりも疲れないな」
ロルフも目を丸くする。フェンの背中は広くもふもふしていて、心地よい柔らかさだ。思わずすりすりと頬ずりしたくなる。
「ああ、この毛並み最高……永遠に触っていられる……」
そんなリリアの言葉にちょっぴりムッとするロルフ。くるりと回転するとあっという間にフェンと同じくらいの黒ヒョウ姿に変身する。
「俺だって毛並みには自信がある」
いきなり現れた黒ヒョウ姿のロルフに目を丸くするリリア。今まで可愛い子猫サイズのロルフと完全に人型のロルフしか目にしたことがなかったため、黒ヒョウ姿は初めてだ。
「ろ、ロルフ……」
息を呑むリリアにちょっぴり不安になるロルフ。
「あ、いきなりわりい。もしかして、怖い?」
若干声のトーンを落としたロルフにリリアはきらきらと輝く目を向けた。
「か、か、可愛すぎる~~~~~~!!!でっかい猫!すっごく可愛い!この毛並み!ベルベットみたい!最高!」
言うなりすごい勢いでロルフをもふりだした。
「え、ちょっ、リリアっ!!!」
慌てて声を上げるロルフに構わず必死にもふるリリア。
「うわ~ん最高!フェンもロルフも可愛すぎる~~~~!天国!まさに天国!」
リリアのもふもふ好きに若干引き気味のフェンとロルフだったが、仕方なく満足するまでもふらせることにした。しかし、
「で?どっちに乗りたい?」
と聞かれて迷う。
「うう~ん、どっちも好き。ダメ?」
結局並走しつつ、リリアを交代で乗せることで落ち着いたのだった。
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