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第二章 ロルフとリリアの危険な冒険!?
第7話 天使か女神か?ティアラ登場!
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リリア達がギルドに到着すると、なにやらギルド内がざわついていた。
「ん?なんか今日はやけに騒がしいな」
「ふわぁぁぁ!これが冒険者ギルドですかっ!」
「フェン、いい子にしてないとダメだよ~?」
「はいっ!僕いい子にしてますっ!」
何やら新しく入った冒険者の噂でもちきりらしい。
「おいみてくれよ!俺の腕が元通りになったんだよっ!」
「俺もだっ!潰れてた右目がまた見えるようになったんだよっ!」
「天使だ……天使が舞い降りたんだ……」
「ばかいえ、女神だよ。こんなこと出来るのは女神様に決まってるっ!」
「ああ!女神だっ!俺たちに女神が降臨したんだっ!」
冒険者たちの言葉にリリアとロルフは首をかしげる。
「ねえロルフ、こいつら頭大丈夫?なんか怪しい宗教みたいなこと言い出してるけど。なんか洗脳でもされてんのかな?」
「うん?どうやら冒険者たちのケガが治ったようだが、いったい……」
そのとき、まさしく天使のなりをした少女の姿が目に飛び込んできた。腰まである淡い金髪の髪を高い位置でまとめ、冒険者服に身を包んでいてもその天使のような愛らしさは少しも隠せない。
「ちょっ!みて!ロルフ!天使!リアル天使がいるっ!」
リリアがロルフの首元をガクガクと揺さぶってくるが、ロルフは気にした様子もなく周囲の状況を確認していた。ひとりの冒険者の男が少女の席に近づくと、つられるように次々と冒険者たちが少女の元に集まっていく。
「め、女神様っ!あの、俺、さっき怪我の治療をしていただいたリックです!」
「お、俺はアランです!あの、あの、ありがとうございます!」
「お、俺、なんてお礼をいっていいか……」
荒くれ者の冒険者達が次々と礼の言葉を口にしてはお行儀よく立ち去っていく。どの冒険者もみたことがないくらい明るい表情をしていた。スキップとかしてて若干キモイしヤバい。
「ちょっ!ロルフみて!天使の周りもすごい!なんか光ってる!イケメンパラダイス!」
「ああん?」
ロルフが若干不機嫌そうに目を向けたそのとき、
「お、ロルフじゃねーかっ!」
話題の中心にいるメンバーの一人、赤髪の男が話しかけてきた。
「ん?ああなんだ、アデルか。」
「なんだとはご挨拶だな。久し振りだな!ロルフ!」
ロルフより少し年上だろうか。爽やかな笑顔がまぶしいイケメンだ。
「ねえロルフ、知り合い?」
リリアがこっそり尋ねると、
「お、もしかしてその子がお前が前いってた子か?」
「ん。紹介する。俺のリリアだ」
(俺のリリアってっ!!!)
リリアは顔が赤くなるのを感じながらなんとか挨拶する。
「は、はじめまして、リリアです。こっちはフェンです」
「アデルだ!よろしくな!こっちは妹のティアラだ。今日冒険者登録したところなんだ。色々教えてやってくれよ?」
「ティアラです。よろしくお願いします。あと、こっちは神官のエリックで今日一緒に冒険者になりました。ここにいるみんなとパーティーを組む予定なんです」
「エリックです。新参者ですがよろしくお願いしますね?」
「ロルフだ。よろしくな姫様、神官様」
「え?え?姫様?それに神官様!?」
「ああ、第二王子のアデル王子と第三王女のティアラ姫だ」
「……は?」
「おー!ロルフだ!また今度剣の使い方教えてくれよ!」
「ロルフさんこんにちは!後で新作の魔道具持って行くのでまた感想聞かせて貰えますか?」
「おう。いいぜ?セバスのじいさんも久し振り」
「ロルフの坊ちゃんも久し振りじゃな。」
「坊ちゃんは辞めてくれよな。で、この双子がノイエ王国の第一王子ジャイルと第二王子のミハエル。こっちのじいさんが元王室執事長のセバスだ」
「ジャイルだっ!Cランク冒険者だぜ。よろしくな!」
「ミハエルです。僕もCランク冒険者です。」
「リリア嬢ちゃんにフェン君か。ワシはセバス。同じくCランク冒険者じゃ」
リリアには馴染みのない高貴な人たちだが、どうやらロルフには顔見知りが多いらしい。
「はわわわわ、よ、よろしくお願いします!」
「よろしくお願いします!」
「ちょうど良かった。アデルに相談したいことがあったんだ」
「へえ、ロルフが俺に相談事なんて珍しいな。こいつすげえ奴でさ。何度も騎士団にスカウトしてるんだけど、いっつも振られるんだよなぁ」
「俺に騎士なんてつとまらねーよ。んな柄じゃねーし」
「意外と似合うと思うけどなぁ。ま、気が変わったらいつでも声かけてくれよ!」
「ああ。なるべく極秘で話したいから、わるいけど今度時間作ってくれるか?」
「ん?ならいいぜ!ちょうど冒険者登録も終わったとこだから昼飯食ってからクエストにいこうと思ってるんだ。そこの冒険者の森だから良かったら一緒にいかないか?」
「どうする、リリア、疲れてないか?」
「私は大丈夫だよ?フェンは平気?」
「僕も元気いっぱいですっ!」
「じゃあアデル、俺たちも用事を済ませたら合流させてもらう」
「おう!昼過ぎに森の入り口近くにいるから声かけてくれよな!」
「ああ、サンキュ」
リリアは荒くれ者の冒険者たちの扱いは慣れているが、初めて会う高貴な人達の前ではすっかり緊張していた。普段浴びることのないイケメン&美少女オーラにビビっていたのかもしれない。
そのため、フェンがティアラのことを食い入るようにじっと見つめているのに気がつかなかった。
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